米国臨床研究学会 (ASCI)が運営している医学情報のサイトに「生姜が自己免疫疾患の炎症を緩和する可能性」という記事が掲載されていました。すべて査読(さどく)を経た記事が掲載されています。査読とは研究者が学術雑誌に投稿した論文が、その分野の専門家による審査を通過したことを意味します。査読付き論文は、信頼性の高い論文です。私も日本中医薬学会の学術大会の発表の査読を要請されることがあり、その時は結構緊張して取り組んでいます。
「JCI Insight」2023年9月22日公開 https://insight.jci.org/articles/view/172011
生姜は、自己免疫疾患に関連する体内の炎症のコントロールに役立つかもしれない。自己免疫疾患のマウスや健康なヒトを対象とした研究の結果、生姜成分は、白血球の一種である好中球の機能に影響を与えることが判明したという記事でした。米コロラド大学医学部准教授のKristen Demoruelle氏らの報告です。
免疫が過剰に働きすぎてヒトに害をおよぼすのが自己免疫疾患です。関節リウマチなどが代表的ですが、花粉症も花粉に対する免疫の過剰反応です。新型コロナもウイルスに対し免疫が過剰反応してしまう側面があります。
論文共著者 米ミシガン大学リウマチ科准教授のJason Knight氏も、「生姜はヒトにおいて明らかな抗炎症作用を持つが、今回の研究では初めて、その根底にある生物学的メカニズムのエビデンスを提供することができた」と説明しています。
結(ゆい)の生姜パックも生姜を皮膚から吸収させています。温かく感じて血行をよくするだけでなく炎症をコントロールしているようです。
