2010年06月24日

湿邪困脾(しつじゃこんひ)

梅雨まっただなか。吹田は今日、晴れですが、連日雨模様が続いています。
湿邪困脾(しつじゃこんひ)、または湿困脾(しつこんひ)という言葉が伝統的中医学にはあります。消化器系は湿度の高い環境に弱く、湿度が高くなると消化器系、胃腸の不調からさまざまな症状がおこります。湿邪困脾とはそういう状態を意味する言葉です。
頭が重い。口がねばる。肩がこる。腰がおもく痛い。むかむかする、胃が痛い、おもい、もたれる。食欲がなくなる。身体が重い。大便が軟らかくなる等々。にきびがひどくなることもあります。
湿邪困脾にならないためには、食べ過ぎに注意してください。消化の悪いものや冷たいもののとり過ぎにはとりわけ気をつけてください。
湿気を取ったほうが身体には楽です。エアコンも冷やしすぎないで上手に使ってください。
洗濯物の部屋干しはできるなら、主要な生活空間を避けて行ってください。
針灸はもちろん湿邪困脾をしっかり治します。

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2010年05月24日

「おもい、だるい」はありませんか

梅雨入りはまだですが、もう梅雨がきたみたいです。雨が多く、湿度が高いと身体の中の代謝しきれない水分、湿邪(しつじゃ)も増えます。
「おもい、だるい」がキーワードです。倦怠感です。何をする気もおきなくなります。「外湿(がいしつ)が多いと、内湿(ないしつ)、身体の中の湿邪(しつじゃ)も増える」と中医学では考えます。 湿邪(しつじゃ)は水で、水は下にさがりますから、足も冷え、下腹部もぽこっと出てきて、おなかが張ってきます。ひどくなると下痢をします。みょうに口がかわき、冷たいものが飲みたくなる気持ちになることもあります。 からっと乾燥したところにゆっくりと旅行でもできれば、結構元気になるのですが、なかなかそうもいかないでしょう。

☆「おもい、だるい」を治すには

自分でできる「おもい、だるい」、倦怠感、湿邪(しつじゃ)への対処法は まず暖かい食事をすることです。おもくて、だるくて食事をきちんと作る気がしないからといって、簡単に食べられる刺身とか生野菜のサラダのようなものばかり食べていると、ますます「おもい、だるい」になります。身体を冷やし、湿邪(しつじゃ)を追い出すことができなくなります。
新陳代謝をたかめる暖かい食事をとることが大切です。冷たいビール、発泡酒もほどほどにしてください。焼酎はロックよりお湯割りです。

針灸が湿邪(しつじゃ)を追い出し、「おもい、だるい」、倦怠感をなくすることができるのはいうまでもありません。身体がすっきりして軽くなります。
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2010年05月18日

温度変化に気をつけて

今日は夜から雨との予報、梅雨のはしりのようなうっとおしい天気になりそうです。
天気予報によると週末、吹田の5月21日金曜の最高気温は28度、土曜は27度、日曜は雨模様で21度と予測されています。急に気温が高くなると、冷房が入り始めます。暑がりの人は夜も冷房を入れ始めます。冷やしすぎにご注意ください。毎年、梅雨に入り始める頃、つまり冷房が入り始める頃、寝違いや腰痛の患者さんが増えます。冷やしすぎて気の流れが滞るためです。電車や職場の冷房対策をお忘れなく。スカーフやカーディガンを準備してください。
暑いからと布団をはねのけてしまい、風邪をひいたり首や腰を痛める方もいらっしゃいます。分厚い布団にもご注意ください。気温が高くなった後の温度低下も身体にこたえます。布団や衣服をこまめに調整してください。日曜までは最低気温が17度付近であまり変化しないのが救いです。

◆専門家、学生の方へのお知らせ

☆6月に神奈川県川崎市で講演します

神奈川県鍼灸師会の第17回生涯研修学術講習会で講演と実技講習をやることになりました。首都圏の方はどうぞおいでください。神奈川県鍼灸師会の会員でなくても出席できます。事前申し込みは不要です。

演題 現代日本に適合した中医学的鍼灸

日時 6月6日 日曜 13時30分〜16時40分
場所 ミューザ川崎シンフォニーホール 研修室1+2
 (川崎市幸区大宮町1310  tel:044-520-0100   アクセス:JR川崎駅より徒歩3分、JR川崎駅に隣接)
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2010年04月22日

ぶり返した肩こりの原因は?

春名(仮名)さんは40代の専業主婦、3月に耳管開放症の治療のためにいらっしゃいました。頑固な肩こりもあったのですが、2回ほど治療するとすっかり楽になり、寝つきもよくなりました。
ところが3回目に来院された時は浮かない顔。聞くと治っていた肩こりがまた出てきたとのこと。耳の調子もよくなっていたのがもどりかけています。
私の治療の仕方は変えていないし、春名さんの生活にも変化はなかったようです。
ピンときて「暖房はどうされていますか」とお聞きしました。部屋で暖房は使っていないとのお返事。「部屋を暖めてください」とお願いしました。
1回目の治療の時は暖かかったのですが、前回の治療との間に寒波が来て、気温が大幅に低下していました。寒さが気のめぐりを妨げたのです。寒さがストレスとなったのです。春名さんは足が冷えて、顔のほてりやすい方。こういう方はほてるのを嫌い、暖房を控える場合が多いのです。専業主婦の方は家にひとりでいることが多いので、ついつい暖房費も節約しがちです。実際は寒いと身体の代謝は低下してしまいます。暖房をつけてもらうようにお願いしたら、治療後の肩こりの再発がなくなりました。
別の女性の患者さんは4月に猛烈な肩こりで来院されました。薄着で寒い日に買い物に出かけたら、その日の夜からひどく肩がこりはじめました。「コートは?」と聞くと「もうクリーニングに出してしまった」とのお答え。コート以外の服で防寒に気をつけていただくようお願いしました。
天気予報の最高気温、最低気温に注意を払い衣服の調節に気をつけてください。これだけ気温の上下があり、天候不順となると、自律神経もおかしくなります。めまいや頭がふわっとする感じに苦しむ方も多いようです。もちろん針灸で治療できます。軽いうちにきちんと治しましょう。

※治療例は個人情報保護の観点から、患者さんの年齢、状況を大勢に影響ない範囲
で少し変えている場合があります。ご了承ください。

◆専門家、学生の方へのお知らせ

☆4月の関西中医鍼灸研究会
 特別講座  北川毅先生の美容鍼灸の講義と実技
日本に美容鍼灸というジャンルをもたらした創始者、北川毅先生をお呼びします。
参加者にも実際に鍼をうってもらいながら実技講習をやります。 
《日時》 2010年4月24日土曜18:00〜21:00
《場所》大阪生涯学習センター 第1研修室 (大阪駅前第2ビル5F)
 電話:06−6345−5000
詳しくは下記の関西中医鍼灸研究会のHPへ
http://www001.upp.so-net.ne.jp/yuihari/top.htm

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2010年02月15日

どこかが痛み始めた人もいます 2月9日頃から

先週の火曜日、急に気温の上がった日に「今日、2月9日はめまいの日」として注意をよびかけました。
急に気温があがる春先の日は、めまいがおきやすいからです。吐き気、頭痛などもおきやすくなります。健康な人にとっては気持ちのいい日ですが、自律神経の調整がうまくいっていない人にとっては不都合な日です。
2月9日に体調がちょっとおかしくなったという患者さんは、何人もいらっしゃいました。「ちょっと変だなと思ったけれど、ちょうどメルマガが届いて不安感にかられることがなくてよかった」という嬉しいお言葉も複数の患者さんからいただきました。このブログは半健康人から脱出!結(ゆい)通信というメルマガとしても発行しています。的確な情報は不安感から症状がよけいに悪化していくことを防ぐことができます。

☆メルマガを携帯電話で読んでください

このブログでは今日、気をつけることを今日のうちに呼びかけることが時々あります。毎日パソコンでブログをチェックしていない方はメルマガを携帯電話で読むことをお勧めします。必要な情報がリアルタイムで手に入るからです。結(ゆい)の携帯のHPから空メールを送ってください。
携帯用ホームページは http://yuisuita.msc.ms2.jp/

☆どこかが痛み始めた人もいます

急に気温があがる春先の日は、身体の気が動き始める時です。動き始めた気がどこかで滞ると、痛んだりこったりしてきます。先週の火曜頃から、あるいはその後、再度気温が下がって雨が降ったりした頃から、どこかが痛んだりこったりしてきた読者の方はいませんか。早めに信頼できる鍼灸院で治療を受けて楽になってください。早めの方がすぐに治ります。

☆専門家に一言

このブログは鍼灸師の先生方も結構読まれているようなので、治療のコツを一言。やはり春ですから、動いているのは少陽経です。少陽経の通絡を心がけてください。先週から今週にかけて悪くなった患者さん、初診の患者さんはどこかの臓腑に原因を見つけようとしたり、骨格のゆがみを云々する前に季節要因を考えてください。定期的に来院される患者さんには、少陽経を通絡する経穴をかくし味のように入れて、患者さんの健康管理、疾病予防を心がけてください。

◆花粉症の季節です。花粉症治療はこちらをご覧下さい。


http://hari.yuisuita.com/category/1461803.html


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2010年02月09日

今日、2月9日火曜はめまいの日

今日は気温が急に上がりました。吹田では16〜17度まであがっています。健康な人にとっては気持ちのいい日ですが、自律神経の調整がうまくいっていない人にとっては不都合な日です。

☆今日、2月9日はめまいの日

急に気温があがる春先の今日のような日は、めまいがおきやすいのです。吐き気、頭痛などもおきやすい日です。今日は夜更かしせず、眠くなったらさっさと寝てください。眠るタイミングを逃すと寝つきの悪くなりやすい日です。明け方の4時5時に目が覚めてしまっても「天候が悪かった、たぶん今日だけのことだ」と楽観的になってください。胃腸の弱い方は、今日はとくに胃に負担になるようなものは避けてください。

今日のめまいは、自分で頭や首をもんだりしてもよくならないことが多いでしょう。足を触ってみて冷たくなっている人や足の冷えを感じる人は足湯をしてください。
今日、めまいがおきたからといって悲観しないでください。あなたの状態が急に悪化したわけではないのです。天候がわざわいしているのです。たぶん明日は今日より楽になるでしょう。
鍼灸がめまい、吐き気、頭痛に効くことはいうまでもありません。おつらい症状が続くようなら信頼できる鍼灸院で治療を受けてください。


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2010年01月19日

線維筋痛症には鍼灸がよく効きます

線維筋痛症という病名を聞かれたことがありますか。日本線維筋痛症学会によると「原因不明の全身の疼痛、不眠、うつ病のなどの精神神経症状、過敏性大腸炎、膀胱炎などの症状を主症状とする病気」とされています。原因は不明です。重い症状から、比較的軽い症状の方までいろいろです。なんといっても慢性的に続く痛みがつらい病気です。もちろん鍼灸の得意とする分野です。

☆動き続ける患者さん

この前、治療した60代の女性もよくなりました。仕事はなんとかこなしている状態でしたが、朝から全身が痛いという訴えです。仕事は清掃。仕事をしている時は痛みを意識しないですむが、昼休み等、休憩時間になると痛みを感じ始めるとのこと。「痛みを感じたくないために休み時間も動き回っている。休日はじっとしているとずっと痛いから、なにか用事をみつけては動き続けている」とおっしゃいます。痛み始めて3年がたっていました。
鍼灸を1回すると休憩時間に出てくる痛みが、少し和らぎました。ここで患者さんにお願いしました。「休憩時間は何もしないで休んでください。休日もできるだけゆっくり身体を休めてください。最初は痛んでもしばらくすると、痛くなくなるはずです。鍼灸で痛みをとりますから、休養してください。疲労しすぎると、痛みがとれにくくなります」と。

☆休めるようになったら、よくなってきた

週一回ほど治療しながら1ヶ月をすぎると休憩時間の痛みはなくなりました。2ヶ月たつと全身が痛かったのが、左の腕や肩、胸付近だけに痛みの範囲が狭まってきました。休日も休むように心がけたら、休んだ翌日は痛みも軽くなることが患者さん自身でわかるようになってきました。3ヶ月たつと左の腕や肩、胸付近の痛みも弱くなってきました。休日の痛みはほとんどありません。仕事をすればその後、多少は痛むけれど3年前の痛みはじめる前にもどったようだということで治療を休止しました。
痛むからまぎらわすために動くという患者さんは線維筋痛症に限らずいらっしゃいます。適切な休養や睡眠をとらずに動き続けると、痛みが慢性化し治りにくくなる時もあるのでご注意ください。じつは患者さんが動き続けるのは気持ちが落ち着かなくなり、イライラしてゆっくり休めなくなるという面もあるのです。鍼灸は痛みだけでなく、そういう精神状態もいっしょに治しているのです。
線維筋痛症には是非、鍼灸をお試しください。いろんな痛みに鍼灸はよく効きます。
休日、家にいるとだるくて仕方がないから外出ばかりしているという方も蓄積疲労にお気をつけください。

※治療例は個人情報保護の観点から、患者さんの年齢、状況を大勢に影響ない範囲で少し変えている場合があります。ご了承ください。

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2010年01月16日

寒いけれどもう春?気が動きはじめるかもしれない

寒い1週間でした。20日水曜日頃から暖かくなるという予報が出ています。暖かくなると楽になることが多いのですが、なかには急に暖かくなると具合が悪くなる方もいらっしゃいます。春にむけて木の芽がめぶく準備をするように、人の身体の気も動き始めます。人も植物も季節で変化していくのです。このとき気がスムーズに動けばいいのですが、まだ残る寒さのために滞る場合があります。1月2月頃に肩や首、腰が痛くなる方は結構いらっしゃいます。暖かくなるからと薄着にしすぎないようご注意ください。
正月明けの今の時期は、みなさん正月休みの食べ過ぎの余韻が残っています。おながが重かったり、張ったりする方も多いのではないでしょうか。胃腸が疲れていると背中もこったり、重くなったりします。こういう状態が気の滞りをよけいに生じやすくしています。
1月〜3月は身体の痛みが出やすい時期です。早めの鍼灸治療で軽いうちに治してください。ご自宅ではゆっくりお風呂に入り、気のめぐりをよくしてあげてください。

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2010年01月13日

温熱療法というがんの治療法 体温を上げると健康になる その3

今回は体温とがんの関係です。

☆温熱療法というがんの治療法 体温を上げると健康になる その3

がんの治療法に温熱療法というやり方があります。
国立がんセンターのHPには以下のように書かれています。

温熱療法は、がん細胞が正常細胞と比べて熱に弱いという性質を利用した、がんの治療法です。顔に発生した肉腫が丹毒(たんどく)による発熱で消失したことや、自然治癒したがんのうちおおよそ1/3で発熱していたという報告等、がんが治ることと発熱の間には、何らかの関連がありそうだと昔からいわれていました。本格的な研究がはじまったのは、1960年代になってからです。現時点では研究段階の治療で、まだ標準治療とはいえません。この治療法の対象となるのは、通常の治療法では治すことが難しい局所進行がんや再発がんです。
がんに対する効果は41℃以上で得られますが、42.5℃以上で特に強くなることが知られています。                              以上

温熱療法は標準治療とはなっていませんが、がん細胞が正常細胞と比べて熱に弱いという事実は興味深いものです。石原結實医師によるとがん細胞は35度でいちばん増殖するとのこと。低体温を治すことはがん予防につながりそうです。
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2010年01月12日

体温の変動 体温を上げると健康になる その2

今回は体温が1日のうちに変化するというお話です。寝つきの悪い方、朝が弱い方は是非お読みください。

☆体温の変動 体温を上げると健康になる その2

1日の体温は変化しています。一般に夜になると低くなり、昼間の活動中は高くなります。眠っている夜の2時〜3時に一番下がり、朝にかけて上昇していきます。夕方6時ごろに一番高くなり、ゆっくりと下がっていきます。体温が下がると眠くなり、上がると頭がはっきりして活動的になります。夜、眠かったのにお風呂に入ったら目が冴えてしまったという経験のある方は多いはずです。
寝つきが悪いと訴える患者さんが、いつも眠る直前にお風呂に入る習慣だったというのはよくある話です。低体温の女性の患者さんに時々みられる生活パターンには以下のようなものがあります。

1.仕事から帰宅すると疲れて身体が動かないので、とにかく寝てしまう。
2.2時間ほど寝て、なんとか家事を始める。食事をして食事の後片付けを済まし、お風呂に入る。お風呂から上がってすぐに寝ようとしても眠れないため、夜更かしをしてしまう。
3.睡眠不足と低体温から寝起きが悪く、午前中はぼおっとして過ごす。

こういう女性には帰宅直後は眠るのではなく、とにかくお風呂に入って体温を上げてみてくださいとお願いしています。うまくいく場合もあります。もちろん結(ゆい)で治療すれば低体温が改善され、仕事から帰ってもすぐに家事ができるようになるのですが。
入浴は眠る直前ではなく、2時間ぐらい前に済ませておき、体温が下がってきて眠気がくるとともに眠るのが理想的です。眠る直前に入る時はぬるめ(37〜40度)にしてください。ぬるめの方がリラックスして眠りやすくなるためです。
仕事から帰宅すると疲れて身体が動かないために、お酒に頼るという方もいらっしゃいますが、下手するとキッチンドリンカーになってしまう危険性があります。気をつけてください。

☆朝がつらい場合

朝は首や肩が痛い、手がこわばる、腰が痛いけれど昼間になると改善してくるという方も、低体温が関係しています。腰や肩をもんだり、鍼をしたりするだけで治りがいまいちの場合は、お灸もしてくれる治療院をさがしてください。
昨年末に30代の男性が来院されました。「近くの鍼灸院にかかっているが首や腰の痛みやこりがちっともよくならない。昔、故郷の鍼灸院で鍼やお灸を受けたときはよくなったのに、そこは鍼しかしない。結(ゆい)はお灸もしてくれると聞いたので来ました」とのこと。
2回ほど鍼灸治療して年明けに様子を聞くと「すっかりよくなりました」とのこと。「半年、他に通ってもぱっとしなかったのが、2回で治るなんて、やっぱりお灸はいいですね」とおっしゃっていました。鍼に加え、温灸や生姜パックで陽気を補ったのが効いたようです。あとの残る熱いお灸ではなくやわらかい温灸で治療しました。

朝がつらい方は朝風呂に入るのもお勧めです。身体が温まって、胃腸もよく動くようになり、下痢や便秘もよくなります。
朝から冷たい牛乳やジュースを飲むのはやめて、温かい飲み物や汁物をとるようにしてください。生物時計のリズムを保つのも大切なので、いつも決まった時間に寝て、決まった時間に起きるようにしてください。

※治療例は個人情報保護の観点から、患者さんの年齢、状況を大勢に影響ない範囲で少し変えている場合があります。ご了承ください。
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2010年01月07日

体温を上げると健康になる その1

新年あけましておめでとうございます。今年もブログが読者のみなさまの健康維持、増進のお役にたてるようがんばります。

◆体温を上げると健康になる

ベストセラーを連発している石原結實医師の著作を読んでみたら、私の考えていることと共通点が多くて驚きました。体温を上げると健康になるという考え方は私と同じです。
日本人の平均体温は36.5度といわれていますが、最近は低体温の人が増えています。
石原結實医師によると「体温が1度下がると免疫力は30%以上低下し、一度上がると5〜6倍強化される」「体温が1度下がると代謝は12%も落ちる」とのこと。体温を上げると健康になる。中医学で表現すると、「陽の気がめぐれば、たいていの不調はよくなります」ということです。疲れにくくなります。みなさんも一度、自分の体温をはかってみてください。体温は一日のうちで変化しますから、何日間か同じ時間帯に何度かはかってみてください。きちんと36度をこえていますか。

◆お風呂に入ろう

体温を上げる一番、簡単な方法はシャワーでなくてお風呂に入ること。私は朝と夜、2回入浴するようにしています。陽の気をめぐらせ、代謝を高めます。

自宅で親の介護をしている60代の女性患者さんの体温も上がりました。最初に来院された時は、肩がこり、月に1回は片頭痛に苦しむといった状態でした。花粉症もあります。治療すると片頭痛も花粉症も治りました。肩こりも出にくくなりました。月に数回、ちょっとした不調を治しながら、健康維持の治療を続けています。1年近く治療していると昨年12月に体温が上がっていることに気づいたと教えていただきました。35度だったのが36.4度になっているとのこと。免疫力があがったためか風邪もひきにくくなったそうです。低体温でなんとなく調子がわるい、疲れやすいという方はご相談ください。

※治療例は個人情報保護の観点から、患者さんの年齢、状況を大勢に影響ない範囲
で少し変えている場合があります。ご了承ください。

◆専門家、学生へのお知らせ

☆1月の関西中医鍼灸研究会
 邵輝先生の中医学講義   
《日時》 2010年1月16日土曜18:00〜21:00
《場所》大阪生涯学習センター メディア研修室 (大阪駅前第2ビル5F)
 電話:06−6345−5000

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2009年08月03日

肩のこらない身体になる

やっと梅雨があけました。
著書「灸法実践マニュアル」のさわりの部分がアマゾンの「なか見!検索」で読めるようになりました。興味ある方は下記からご覧ください。
http://www.amazon.co.jp/gp/reader/4862204473/ref=sib_dp_pt#reader-link
ただ現在の時点で「灸法実践マニュアル」をアマゾンで買うことはあまりお勧めできません。お手元に届くのが2〜5週間もかかるからです。他のネット書店の方が翌日配送等で早く届きます。理由はわかりませんが、アマゾンでは「灸法実践マニュアル」に限っては遅配が続いています。

☆肩のこらない身体になる

先日、30代の女性の患者さんとこんな会話をしました。
私「肩こりをとるだけでなく、肩のこりにくい身体の状態にしていくのが私の針灸治療の目的です。」
「そんなんできるんですか。」
私「できますよ。さっきあなた、肩こりを意識することは最近なくなったといったばかりじゃないですか。」
「そうでした、そうでした。」
私「1日、パソコンに向かっていれば、夜には多少、肩もこるでしょう。少し肩こりを覚えても翌日になったら治っているという状態にはできます。もっと治療がうまくいくと根をつめても、そう簡単に肩はこらなくなります。実際、今のあなたがそうでしょう。」
「そういわれてみればそうですね。肩こりって治るんだ。」

この女性の患者さんは不妊症治療のために肩こりがなくなっても通院されています。肩こりは数回の治療でなくなりました。
身体の中の気がきちんとめぐるようになると肩こりはなくなります。中国の北京では肩こりを訴える患者さんはほとんどいません。日本人も北京に行くと、肩こりが軽くなるか、消失します。大陸性の気候で湿度が低く乾燥しているため、湿邪(しつじゃ)という身体の中の余分な水分が、気の流れを妨げることが少ないからです。
インドの隣、バングラディッシュにも肩こりの患者はほとんどいませんでした。1994年、少数民族地域バンダルバンの医療活動を支援するための鍼灸師養成プロジェクトにかかわり、バングラディッシュを訪れたことがあります。バングラディッシュは河と河の間に国土があるような、湿地が多く、湿度の高い地域です。ただ一年を通じて暖かい。冬がないのです。湿度は高くても、身体を冷やすことがなければ、気はめぐって行きます。肩こりはおきません。

針灸で身体の基礎代謝をあげ、余分な湿邪を小水や便や汗できちんと外に出し、身体を内側から暖める力がついてくると、肩はこりにくくなっていきます。
自分で出来る対策としては、適度にエアコンを使い湿度を高くしすぎないこと、エアコンの設定温度を下げすぎないこと。毎日、ゆっくりお風呂に入ること。冷たいものを食べ過ぎて胃腸を冷やさないようにすることなどです。
肩こりは、あきらめるものでなく治す症状です。

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