2011年02月03日

耳鳴り難聴に吐き気もあった患者さん  突発性難聴の治り方、2010年の症例から

結(ゆい)針灸院の藤井です。少しだけ暖かくなりました。一部の患者さんで鼻のむずむず感を訴える方もいらっしゃいます。花粉症の治療もそろそろ始める時期のようです。みなさまもお体にお気をつけください。今回はがんばり屋さんのお話です。今日は節分、明日は立春です。突発性難聴は春に発症することが多いと感じています。

突発性難聴とは「生来健康で耳の病気を経験したことのない人が、明らかな原因もなく、あるとき突然に片方の耳が聞こえなくなる病気」と定義されています。
急に片方の耳の耳鳴りが始まった、耳も聞こえづらくなったといった具合に始まります。西洋医学的には原因は不明で、ウィルスが感染したものか、あるいは耳の中の血管がつまったり、出血しているのではないかといわれています。

30代の女性、篠田さん(仮名)は職場を休むことになりました。耳ではなく頭痛と吐き気から突然始まり、仕事に行けなくなったからです。
後でいただいたアンケートによると「当初は頭痛と吐き気の症状が強かったため、内科で緊張型頭痛と診断されました。痛み止めのロキソニンも効かず、そうこうしているうちに聴こえの悪さ、耳鳴り音割れが始まりました。どこまで悪くなっていくのか不安になる中、先生に「治りますよ」といわれた時は本当に救われた気がしました。」という状態でした。
低音も聞こえにくくなっています。
治療途中で職場復帰しながら1ヶ月ほど治療したところ耳はすっかりよくなりました。職場復帰当初は腰がだるくて、1日の立ち仕事がつらかったのですがそれもなくなりました。
突発性難聴は原因不明といわれていますが、中国伝統医学は主な原因を、耳の周囲の気の滞りと考えています。気の滞りのおこる理由は各人それぞれですから、耳の周囲の気の滞りをとるつぼに加え、患者さん個々に合わせてつぼを選びます。
篠田さんの場合は無理に無理を重ねた結果でした。職場での責任が重くなり子育ても忙しい。がんばり屋さんが気力で乗り切ろうとしたけれど身体が悲鳴を上げたのです。顔はほてりやすく足は冷たい。身体の上と下の気がうまく巡っていません。上逆(じょうぎゃく)といいます。上逆から吐き気もおこります。こういう人は疲労を感じにくいタイプ、無理ができるけれど突然倒れたりもしやすいのです。篠田さんには「あなたは人よりも疲労を感じるセンサーが弱いのだから、80パーセントぐらいのがんばりで実は100パーセントやっているのですよ」と助言させていただきました。

篠田さんのアンケート回答の原文は下記で読めます。
http://hari.yuisuita.com/article/14552046.html

ホームページは http://yuisuita.com
携帯用ホームページは http://yuisuita.msc.ms2.jp/



2010年09月27日

疲れる。食べられない。耳がつまる。耳管開放症。

40代の男性が耳のつまりを治したいと来院されました。3年前から続いています。両耳がつまるが、難聴はありません。耳鼻科では耳管開放症の可能性ありとのこと。数年前に5キロやせてからは、疲労感が強くなりフルタイムで激務をこなすのが無理になりました。仕事量も減らされています。疲れて声も出しにくい。胃腸の調子も悪く、食べようとしても食べられない状態です。典型的な気虚(ききょ)です。エネルギー不足です。耳も治すのですが、胃腸を治して食べたものがきちんと身体をつくるようにもっていくことが大切とお話しました。
 約1ヶ月の間に8回治療して、耳のつまりはなくなりました。なにより喜ばれたのがきちんと食べられるようになって、疲労感を感じなくなったこと。体重も2キロ回復しました。この男性は百会という頭のてっぺんのツボにお灸をすると「お腹に感じる、腹が温かくなる」とたいそうお灸を好まれていました。針灸は耳だけを治すのではありません。身体全体を治していく中で耳も治すのです。

※治療例は個人情報保護の観点から、患者さんの年齢、状況を大勢に影響ない範囲で少し変えている場合があります。ご了承ください。

◆メールで質問が来た場合すべて回答していますが、時々こちらから返信しても届かない場合があります。住所、電話番号等があれば別の方法でお答えできるのですが、匿名の場合は連絡できません。ご了承ください。

◆臨時休診のお知らせ
9月29日水曜を臨時休診させていただきます。

2010年08月01日

サングラスも疲労防止に

これからは強い光を見ることも増えてきます。
中医学では強い光を見続けると疲れをよぶといわれています。日頃から日射しをまぶしすぎると感じたり、まぶたがけいれんしたり、軽くめまいがしたり、こむら返りがよくおこったりするタイプの方にはサングラスはとくにお勧めです。
ある耳管開放症の女性を治療した時の話です。数回の治療でずいぶんよくなり、このまま治りそうなきざしも見えていました。ところが「今週はちょっとよくなかった」とおっしゃいます。詳しく聞くと「体調がよくなって元気も出たので家事をいつもよりがんばった」「子どもが夏休みになって忙しくなった」「海水浴に行った。海には入らなかったけれどなぜか疲れた」とのこと。「サングラスをかけてください」とお願いしました。家事も子どもの世話も避けて通れない大切なことですが、強い光はサングラスで避けられます。避けられるものは避けていきましょう。

2009年09月01日

1回で治った耳管開放症

今回は耳管開放症のお話です。耳管開放症とはどんな病気?と疑問の方は以下をご覧ください。
http://hari.yuisuita.com/category/1461796.html

☆1回で治った耳管開放症

耳管は鼻の奥と耳をつないでいる管で、ふだんは閉まっています。これがいつも開いた状態になり、戻らなくなるのが耳管開放症です。自分の声がそのまま聞こえたり、呼吸音がはっきり聞こえたりして不快なものです。
8月初めに治療した谷口さん(仮名)という30代の男性は7月初めから右耳の耳管開放症に苦しむようになりました。当初は1日の半分程度、耳管が開いていたのがだんだんひどくなり、ついに1日中苦しむようになりました。1週間前に耳鼻科で耳管開放症と診断され、漢方薬の治療を開始したのですが、一向によくならないということで結(ゆい)を受診されました。
谷口さんは1回の針灸治療で治りました。治療直後の変化は少なかったのですが、翌日の夕方から耳管が閉まり始め、そのまま治りました。約1ヵ月後に電話で再発していないことを確認しています。
針灸治療の開始が早ければ早いほど、すっきり治るのも早くなります。1回で治るのは稀ですが、1〜2ヶ月でよくなる可能性が大きいのです。できるだけ早期に針灸治療を開始してください。

ただ現状では耳管開放症の病名すら知らないという針灸院がほとんどです。ホームページをみた遠方の患者さんから、近くで紹介してくれと要望されることも多いのですが、ほとんど紹介できていない状態です。申し訳ありません。

※治療例は個人情報保護の観点から、患者さんの年齢、状況を大勢に影響ない範囲で少し変えている場合があります。ご了承ください。

◆専門家、学生へのお知らせ

◎専門誌「中医臨床」通巻118号(9月発売)の難聴の特集に「痰湿うっ結(痰湿阻絡)を考慮した難聴の治療」という私の一文が掲載されます。是非お読みください。伝統的中医学の難聴の分析に対し、新しい提案をしています。具体的には突発性難聴について書いています。また今回の「中医臨床」では7月に出版した著書「灸法実践マニュアル」が書評で紹介されています。書評は神奈川で『三旗塾』を主宰する金子朝彦先生が書かれています。

◎専門誌「東洋医学 鍼灸ジャーナル」 vol.10 9月号に著書「灸法実践マニュアル」の書評が載っています。灸法臨床研究会の福島哲也先生が書かれています。今号には浅川要、北川毅、賀偉の各先生の座談会「臨床に生かす中医鍼灸の学び方」も掲載されています。

2009年07月14日

突発性難聴、ついでに右耳の聴力もよくなった女性

暑くなってきました。最近の大阪は34度を越える日が続いています。冷房の設定温度を低くしすぎないようにご注意ください。

6月、久しぶりに佐藤さん(仮名)が来院されました。40代の女性です。左耳の聴力が突然、低下した、聞こえにくいとおっしゃいます。昨日、耳鼻科で突発性難聴の診断を受けたとのこと。実は佐藤さんは右耳の聴力が以前から弱く、左耳まで聞こえにくくなったら大変だということで来院されたのです。
1度の治療で自覚症状は消えました。耳鳴りも耳の不快感もなくなり、聞こえるようになったのですが、耳鼻科で検査するとまだ聴力の低下があったため、治療を続けることにしました。3週間、5回の治療をしたところで聴力は回復。以下のような報告のメールをいただきました。

佐藤です。治療の、お邪魔になるのでメールで失礼させていただきます。
今日、耳鼻科の方へ行ってまいりました。私は、もともとは右耳が悪く今回は左耳の治療でしたが、右耳の聴力も良くなってきているという意外なものでした。
左耳は、ほぼ回復しているそうなので、次回一週間後は薬だけをいただきにいきます。
まずは報告まで。以上

やっぱり突発性難聴の治療は早ければ早いほどいいと実感した次第です。右耳のつぼに鍼はしなかったのですが、脳の血流を改善するために頭のつぼに鍼をし、右耳にも温灸をかけたのが、右耳の聴力向上に結びついたようでした。突発性難聴を長引かせるとやっかいです。できるだけ早めに鍼灸治療を始められることをお勧めします。

※治療例は個人情報保護の観点から、患者さんの名前を仮名としているほか、年齢、状況を大勢に影響ない範囲で少しだけ変えている場合があります。ご了承ください。

◆鍼灸師、学生へのお知らせ

著書を出版することになりました。

☆開業鍼灸師のためのガイドBOOK 灸法実践マニュアル。2009年7月15日出版
■体裁:B5判168頁オールカラー ■定価:3990円 発行 株式会社BABジャパン
詳しくはこちらをご覧下さい。
http://yuisuita.com/kuuhou1.html