2025年03月03日

50代女性の耳管狭窄症の治り方

耳管狭窄症(じかんきょうさくしょう)とは、耳と鼻をつなぐ耳管が狭くなったり詰まったりして、耳の圧力が調整できなくなる病気です。耳鼻科では 鼻炎や副鼻腔炎などで耳管の咽頭口が腫れ、耳管の通らなくなった状態と説明されています。耳のつまりや軽い聴力低下があり、嚥下、つばを飲み込んだり、耳抜きなどで一時的に症状は改善します。
詳しくは以下をご覧ください。
http://hari.yuisuita.com/category/1760459.html

耳管狭窄症は週に2回、それが無理なら週1回程度の施術頻度をお願いしているのですが、今回は通院に2時間ほどかかること等から月に2回程度の施術で、結局10カ月程度かかりました。少ない施術回数でもなんとか治った症例です。女性はデスクワークではありません。しっかり身体を使う労働をされています。施術の時は耳や鼻だけでなく肩の痛みなど他の身体の不調も治しました。耳鼻専門と言っても身体の全体的な気の流れを整えていかないと、結局 耳も治りません。「耳だけ治します」という訳にはいきません。肩の痛み等をきちんと治していくことも大切です。耳はよくなったり、ぶり返したりでした。肩や指の痛みなどの不調が楽になることが治療の継続につながったのかもしれません。

女性は耳鼻科にはかかっていますが、3年以上苦しまれていました。1カ月前から右耳のつまりがひどくなり聞こえにくくなりましたが、2カ月に7回治療したところ良くなりました。ところが半月後に左耳が悪くなり治療を再開、7カ月程度 月に2〜3回の治療をして良くなりました。2カ月間 月1回の治療をして再発のないことを確認してアンケートをいただきました。
「非常によい効果があった。ほとんど完全になおり苦痛がない」という回答で以下のコメントをいただきました。
◆コメント 
長い間の耳のつまり感がなくなりました。先生にはよく話を聞いていただき治療していただいたと思います。本当に感謝しかありません。総合的にいって治療前の苦痛を10とすれば今は0です。
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2025年02月12日

LiD/APD(聞き取り困難症/聴覚情報処理障害)のこと

結(ゆい)鍼灸院の公式ラインページができました。友だち募集中です。主には直近のキャンセル情報をお伝えしています。今までは予約ページをみないと直近の空き状況がわかりませんでしたが、友だちになっていただければラインで届きます。ラインから予約もできます。以下からどうぞ。
https://page.line.me/487qxjox
今週は2月14日金曜の9時、9時15分、17時15分の3枠、15日土曜12時15分のひと枠が現時点で空いています。

☆LiD/APD(聞き取り困難症/聴覚情報処理障害)のこと

日経メディカル 2025/02/05に以下の記事が掲載されていました。医療関係者しかアクセスできない記事なので要約して紹介させていただきます。

◎にぎやかな場所や複数人での会話、電話対応などで聞き取りが困難に
「音は聞こえているのに話が聞き取れない」LiD/APDとは
https://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/mem/pub/report/202502/587382.html?n_cid=nbpnmo_mled_weeklyrank
○「雑音の中で話が聞き取れない」「テレビや映画は字幕がないとよく分からない」──。患者やその家族からこうした訴えがあったら、「LiD/APD(聞き取り困難症/聴覚情報処理障害)」かもしれない。LiD/APDとは、聴力検査では異常がないにもかかわらず、聞こえにくさを感じたり、聞き間違いが多かったりといった症状が見られる状態だ。

○これまでLiD/APDは診断基準が確立しておらず、「気のせい」などと判断されて見逃されがちだった。だが、2024年3月に「LiD/APD診断と支援の手引き(2024第一版)※」(以下、手引き)が公表され、多くの耳鼻科医でLiD/APDの診断ができるようになった。

○ LiD/APDの症状は、聴力検査では異常を認めず、静かな場面や1対1の会話では問題なく聞き取りができる一方で、特定のシーンで聞き取りが難しくなることが特徴だ。例えば、「騒音下での聞き取り」「早口」「複数人との会話」といった、会話の難易度が上がる場面で聞き取り困難症状を訴える。
調査では、難聴と診断されたことがない(診断されていない軽度難聴などを含む)18〜90歳の成人1391人のうち、約25%が聞き取りに困難を感じていると報告された。

○LiD/APDの場合、聴力検査では正常な結果になることから「音として拾うことはできる状態」、すなわち末梢性の聴覚障害がない状態だ。音を拾った後の聴覚情報の処理の段階で何らかのトラブルが生じることで「聞こえにくい」状態になっていると考えられている。

○LiD/APD患者やLiD/APDが疑われる患者に対して、現時点で特に有効な治療はない。そのため、基本的には生活に困らないような支援を行うことが求められる。LiD/APDの背景因子は言語能力や認知機能などが複合的に関係し、支援方法も多岐にわたるが、特に日ごろからの関わり方の工夫が重要だという。
 「最も簡単にできるのは、名前を呼びかけてもらってから会話を始めてもらうこと。これだけでも患者の負担はかなり減るそうだ」その他にも、会話をリアルタイムで文字起こしするスマートフォンアプリや、補聴援助システムの使用も有効だ。以上一部抜粋と要約終わり

◆難聴の治療をしていると、患者さんから「聴力検査の結果に変化はないけれど聞きやすくなった」と言われることが時々あります。聴力検査の結果もよくなり、聞きやすくなったという患者さんの方が多いのですが、「検査結果は同じだけれど聞きやすくなった」という患者さんもいるのです。
音は空気の振動が耳の中の蝸牛というところで電気信号に変わり、聴神経を通じて脳に運ばれます。ただそれで言葉が理解できるわけではありません。日常の「聞く」は言葉を理解して初めて「聞く」となります。大脳皮質の様々な場所にある言語野(げんごや)が働いて「聞く」となります。聴覚野(ちょうかくや)だけでなく言語野も大切です。
私は中医学の伝統的なやり方で治療していますが、そのツボの使い方はうつ病等の治療と共通するものがあります。言語野を刺激しているのだと考えています。上記の記事では「現時点で特に有効な治療はない。」とされていますが、鍼灸で「聴力はそれほど悪くないけれど聞こえにくい」に挑戦していきます。

◆ブログ 半健康人から脱出!結(ゆい)通信でも「聞こえているけど聞き取れない聴覚情報処理障害 APD(聴覚情報処理障害)とまではいかないが」を約1年前にとりあげています。
http://yuisuita.sblo.jp/article/190800031.html
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2024年11月17日

咳といっしょに治った耳鳴り

20代の女性が突発性難聴の後の耳鳴りを何とかしてほしいと来院されました。約一か月前に左耳が突発性難聴になり病院で治療を受けましたが、耳鳴りが残りました。聴力も30デシベルと少し落ちています。
幼児のお母さんで1週間前から風邪をひき鼻水が出て、喉が痛いそうです。首も腰も痛くて、寝つきも悪くなっています。
一か月に4回治療したところ、耳鳴りは軽減しました。いつも耳鳴りしていたのが高い音や大きな音を聞くと耳鳴りし始めるという状態になりました。首と腰の痛みはなくなりました。風邪はいったん楽になっていましたが咳がでるようになっています。鼻水も出ます。
2回治療して耳鳴りはなくなりましたが、咳は続きます。さらに治療して咳も鼻水もなくなったのを確認して治療を終わりました。以前より聞きやすくもなった、聴力も上がった気がすると言われました。2カ月半に9回の治療でした。
アンケートでは
「非常によい効果があった。ほとんど完全に治り苦痛がない。」「治療前の苦痛を10とすれば今の苦痛は0である。」との回答をいただきました。

病院ではこれ以上の改善は難しいと言われ落ち込み、HPを見てこちらに来ました。院長先生に治るでしょう!と言われ治療をお願いし、段々と症状が警戒し、最後の治療では耳鳴りが完全に治って、その他 腰や首の痛みも治していただきとても感謝しています!お世話になりました!ありがとうございました!お元気でこれからも頑張って下さい。
以上患者コメント

鼻炎等の症状があると耳もすっきり治りにくいので、鼻もいっしょに治します。咳を治すのは得意です。コロナでやめていた咳の鍼灸治療を再開しています。
風邪をひかれなかったら、もう少し早く治っていた症例ですが、耳だけがつらいという患者さんよりも、耳もつらいけど○○もつらいという患者さんを治すことの方が実際は多いのです。身体全体の気の流れを整えること、消耗していた気を補いながら治療することで治療効果を高めることができます。
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2024年10月06日

腎透析中の40代男性の耳管開放症が治りました

耳管開放症で40代の男性が来院されました。自分の声がひびき呼吸音も聞こえます。鼻すすりもやってしまうそうです。じつは症状は小学生の頃からありました。どこへ行ってもよくならないのであきらめていたのですが、立ちくらみもするようになり、鍼灸でなんとかならないかと来院されました。
男性は腎透析中でした。腎透析とは、腎臓の機能が低下して老廃物や余分な水分を体外に排泄することが困難になった場合に、人工的に血液を浄化して体に戻す治療法です。今回の患者さんは血液透析をされていました。血液透析は、人工腎臓のフィルターを介して血液を浄化する治療法です。1回の治療時間は約4〜5時間で、週3回通院が必要です。通院しながらもしっかり働いていらっしゃいます。
腎臓は中学生の頃に悪くされ、親から腎移植を受けました。6年前まで移植腎が機能していたのですが、腎不全となり透析に移行されました。腎臓が悪くなると心臓にも影響します。心臓にも問題を抱えていらっしゃいました。

例え小学校からの耳管開放症でも健康で若い人の場合は短期間に治したこともありますが、今回は「やってみないとわからない」と率直にお伝えしました。
3か月13回の施術をしたところ声のひびきもなくなり、呼吸音も聞こえなくなりました。立ちくらみは早期からなくなっていました。その後 2週間に一度の施術を3回、6週間続け再発のないことを確認して卒業していただきました。

男性からは「総合的にいって治療前の苦痛を10とすれば今の苦痛は2である」というアンケート結果と以下のコメントをいただきました。

最初、治療を受けた時「こんなんでほんまに治るかな?」と思いましたがいざ続けてみると、しらずしらずのうちに治っていき本当に感謝しています。ありがとうございました。
コメント以上 自筆のコメントは以下から

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2024年09月26日

10年後に再発? 50代の女性の難聴

10年前に左耳の「突発性難聴」と診断され治した女性が 再度 来院されました。一か月前からめまいと左耳の耳鳴りが始まりました。首や肩もひどく凝ります。耳鼻科には行っていません。10年前に耳鼻科で治療しても治らなかったためです。めまいは来院時にはなくなっていましたが、ひどく耳がつまります。
※私は耳鼻科に行かないことを推奨はしていません。患者さんの選択に任せています。多くの患者さんは鍼灸と耳鼻科の治療を併用されています。ただ今回のように再発された場合は、結(ゆい)に最初から来られることもよく経験しています。

約一か月に5回 治療したところ耳鳴りも耳のつまりも、首肩コリもなくなり治療を終了しました。

女性からは「非常に良い効果があった。ほとんど完全に治り苦痛がない」というアンケート結果と以下のコメントをいただきました。
以前も難聴で治療を受けたことがあったが、今回はその時よりも症状の改善が早く、治療に来て良かったと感謝しています。コメント以上

10年前の「突発性難聴」もじつは「急性感音性低音難聴」に近い状態ではなかったかなと思っています。前も低音が下がっていました。突発性難聴の再発はないといわれています。ただ鑑別はそれほど重要ではありません。「突発性難聴」でも「急性感音性低音難聴」でも耳鼻科の治療は大差ないからです。
結(ゆい)の鍼灸治療は病名よりも患者さん個人の状態、証(しょう)に重きを置いています。
耳の症状の患者さんは「すぐに再発しませんか」と心配されることが多いのですが、1〜2年で再度来られる方はほとんどいません。
治療が終わった後は、良い身体の状態、良い証(しょう)を保って再発を防止するために、2週間に1回程度の治療を2回やり、約一か月間 様子をみることもあります。
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2024年08月25日

もともとパニック発作のある女性が低音障害型感音難聴になった

台風10号接近のため8月27日火曜の午後の新規予約の受付をいったん中止しましたが、再開しました。予想よりゆっくり進んでいるためです。28日水曜は定休日です。29日木曜は平常通りの予定です。

☆もともとパニック発作のある女性が低音障害型感音難聴になった

40代の女性が左耳の耳鳴りと音のひびくのがつらいと来院されました。約一か月前からで、耳鼻科で低音障害型感音難聴と診断されています。聴力は125Hz(ヘルツ) 250Hz 500Hzの低音部で40デシベルに下がっています。
一度 ステロイドを処方されて軽減したが、最近 再度 聴力低下が出てきたので、もう一度 ステロイドを出されたとのことでした。首もひどく凝ります。
もともとパニック発作もあり、心療内科では軽いうつ病と診断され薬も出ています。
当初はステロイドと鍼灸を併用しました。じつはリーゼという不安と緊張を和らげる薬もステロイド(プレドニン)といっしょに新たに処方されていました。普通でもソワソワして落ち着きがなくなる傾向のある女性が、ステロイドを飲むとよけいにソワソワしてしまうからです。
ステロイドと鍼灸の併用で、約1週間に3回治療して聴力は回復しました。その後はステロイドもリーゼも減らしながら鍼灸を続けました。ステロイドもリーゼも飲まないでも大丈夫という状態になったところで結(ゆい)鍼灸院を卒業されました。耳のひびきも昼間に仕事している時は気にならなくなっていました。約一か月で6回の治療でした。
じつはもう2週間ぐらい治療したいと考えていました。再発を心配していたのです。約1年後に女性の紹介で家族の方が来院され、再発のないことを確認しました。
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2024年07月14日

低音障害型感音難聴や後鼻漏(こうびろう) 疲れやすさが治った50代の女性。コロナ後遺症。

「耳鼻科では もうやることがないと言われました。」と50代の女性が来院されました。二カ月前の朝起きると右耳がつまって聞こえにくくなりました。「プールに入ったような感じ?」だったそうです。耳鼻科に行くと低音部が下がっていて低音障害型感音難聴と診断されました。パチパチという電子音のような耳鳴りがし始めました。午前中は特に調子が悪いそうです。半年前から後鼻漏になっています。鼻水が喉に落ちて、いがらっぽい感じがします。じつは十か月前にコロナにかかり その後、とても疲れやすくなりました。女性は工場で働いているので疲れやすくなったのが一番困るそうです。コロナ後遺症と言えます。

一ヶ月半に7回治療すると耳鳴りはほぼなくなりました。聴力も回復しました。ただ夜に布団に入ってからの耳鳴りは残ります。以前からの寝つきの悪さもあって 耳鳴りが気になるそうです。それでも疲労感が回復して仕事が楽にできるのが助かるとおっしゃっていました。その後、二ヶ月に6回治療すると。後鼻漏もなくなりました。
女性は春先の花粉症をお持ちで、いつも五ヶ月程度、苦しみます。とくに目のかゆみがつらいとのこと。月に3〜4回程度治療して花粉症や不眠を治し、疲労感もなく何もつらい状態がないのを一ヶ月程度確認して。治療を終わりました。約九ヶ月34回の治療でした。次の花粉症の季節には数回 予防治療をして花粉症の発症をおさえる予定です。

※患者さんのプライバシー保護のために設定を少しだけ変えている場合があります。

治療後のアンケートでは、「非常によい効果があった。ほとんど完全になおり苦痛がない。」「総合的にいって治療前の苦痛を10とすれば今の苦痛は0である。」という回答と以下のコメントをいただきました。

病院での治療がこれで限界ですと言われ、必死でさがして、この結(ゆい)鍼灸院に出会えて治療していただき、苦痛がなくなり、本当に助かりました。生活全般もですが、仕事にも困ることがなくなり、一安心です。本当にありがとうございました。これからも何かあったらお願いいたします。コメント以上
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2024年07月07日

約一か月6回で治った耳管狭窄症。60代の女性。

高野山という高い山にあるお寺にお参りに行った時に左耳に異常を感じました。女性は風邪気味でした。風邪をひいている状態で高い山に登ったため航空性中耳炎という状態になったと思われます。左耳が詰まり耳鳴りもします。お参りから約一か月後に来院されました。

鼓膜の内側(中耳)にも空気があります。中耳は耳管で咽頭部(鼻の奥、のどの奥)とつながっています。耳管は普通は閉じていますが、外の気圧が変化した時は、外部の気圧と中耳の気圧を同じようにするために開閉して空気が通るようになります。耳管が閉じたままになり、鼓膜の内側と外側で圧力の差が生じると耳が痛くなります。つまり感が出ることもあります。女性は3日後に耳鼻科に行って耳管狭窄症と診断されました。3週間 耳鼻科のお薬を飲んでも治らないため結(ゆい)にいらっしゃいました。アンケートでも「体調不良」と書かれていますが、首肩もつらくなり、気持ちもおちこんでいるご様子でした。
じつは女性は30数年前に突発性難聴で右耳の聴力を失っています。左耳も聞きづらくなってきたので本当に不安そうでした。30数年間 右耳は耳鳴りしていますが、今度は左耳もつまって耳鳴りし始めています。「大事な左耳です」問診表にわざわざ書き込まれていました。

約一か月6回ですっかり治りました。耳鼻科でも耳管狭窄症が治ったと診断されました。首肩も楽になりました。お参りからすぐに治療を開始出来たら、もっと早く楽にできたと思っています。

治療後のアンケートでは、「非常によい効果があった。ほとんど完全になおり苦痛がない。」「総合的にいって治療前の苦痛を10とすれば今の苦痛は0である。」という回答と以下のコメントをいただきました。

風邪をひいているなと思いつつ予定の変更もできず毎年 お参りをしている立里三宝荒神さん高野山奥の院に行く途中から耳に違和感があり、それからは体調不良となり耳鼻科に駆け込むと。耳管狭窄症との診断を受け、薬を服用しても良くならず、ネットで調べて、こちらに来院させていただきました。一回目でつらさがとれ、やったと思いましたが、数日するとぶり返す感じでしたが、4回目。あたりから治っていると感じ、気持ちがすっきりとしてきました。6回の治療でここまでよくなるとは思わず本当にありがたいです。耳管狭窄症も治り、今まで以上に動けそうです。ありがとうございました。コメント以上

※耳管狭窄症については以下もご覧ください。
http://hari.yuisuita.com/category/1760459.html
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2024年04月03日

子育て真っ只中の30代女性の耳管開放症の治り方 

30代前半の女性が 来院されました。6年ほど前から自分の声が時々 響くようになっていたが近頃は毎日のように耳が開き、左耳が響くようになったとのことです。目も回ります。
耳鼻科に行かず、直接 結(ゆい)に来院されました。夏の終わりのまだまだ暑いころでした。
二人のお子さんがいらっしゃいます。最初の妊娠 出産、子育てでお疲れになり耳が時々開くようになりました。2人目の出産が4年前で、さらにお疲れになったようです。下の子供さんも4歳になり、多忙ながらも「非常時」から「平時」になっている時期でした。「赤ちゃんは親がしっかり見てないと死ぬかもしれないから気が抜けないよね」と私はよく言います。まさに「非常時」です。
ほっと一息つける時期に不調になるのはよくあることです。酷暑とコロナ禍のストレスも影響しています。
乗り物酔いもひどく、PMS(月経前症候群)もひどいと自分で言われていましたが、私からみるとほぼ健康といえる範疇です。首肩がこるのも当たり前、これぐらいなら十分「こりにくい身体」にできると考えました。

一度の治療で4日間 耳が開かなくなりました。2度目は7日後に来院されたのですが、残り3日間も午前中だけ耳が開くという状態でした。
「午前中だけ耳が開く」または「午後から耳が開く」というのも少しだけ悪い耳管開放症によくみられる症状です。「1日中 開く」よりは軽症です。
約一か月 3回の治療で耳は開かなくなり、響かなくなりました。その後は2週間に1度治療しながら健康な状態を保ちました。症状がなくなったらすぐに治療を終わるというのはお勧めしていません。再発の可能性があるからです。一か月程度は続けた方がいいでしょう。

今回はその後 約2カ月4回 治療して卒業されました。コロナワクチン接種後の副反応を治したり、手先がしびれ頭がもわっとするという状態になったのを治したりしているうちに2カ月たちました。

治療後のアンケートでは、「非常によい効果があった。ほとんど完全になおり苦痛がない。」「総合的にいって治療前の苦痛を10とすれば今の苦痛は0である。」という回答と以下のコメントをいただきました。

気になっていた耳もよくなり目も回りにくくなりました。針の治療で治ると思っていなかったので本当に驚きでした。病院に行かなくてよかったです。今は毎日快適ですし、開いてしまってもすぐに治ります。とても感謝しています。ありがとうございました。以上 患者さんのコメント
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※耳鼻科に行かないことを当院は推奨していません。あくまで患者さんの選択です。

2024年03月03日

聞こえているけど聞き取れない「聴覚情報処理障害」 APD(聴覚情報処理障害)とまではいかないが

難聴の治療をしていると、患者さんから「聴力検査の結果に変化はないけれど聞きやすくなった」と言われることが時々あります。聴力検査の結果もよくなり、聞きやすくなったという患者さんの方が多いのですが、「検査結果は同じだけれど聞きやすくなった」という患者さんもいるのです。
先日治療したある高齢の患者さんは「聴力も少し良くなった。何より聞きやすくなって助かる。高価で性能のいい補聴器はやめることにする。音は大きくなるのだが雑音も大きくなって聞きにくい。」とおっしゃいました。

音は空気の振動が耳の中の蝸牛というところで電気信号に変わり、聴神経を通じて脳に運ばれます。ただそれで言葉が理解できるわけではありません。日常の「聞く」は言葉を理解して初めて「聞く」となります。大脳皮質の様々な場所にある言語野(げんごや)が働いて「聞く」となります。聴覚野(ちょうかくや)だけでなく言語野も大切です。

☆いっしょに脳を活性化しています

私は中医学の伝統的なやり方で治療していますが、そのツボの使い方はうつ病等の治療と共通するものがあります。言語野を刺激しているのだと考えています。難聴の治療を本格的に始めたのは2005年からですが、それ以前から「うつ病」の患者さんを多数 治していました。私の難聴、耳鼻科疾患の治療は、「うつ病」「双極性障害」「パニック障害」等の治療経験をふまえたものです。患者さんには「耳の機能回復といっしょに脳を活性化しています」とお伝えしています。

※APD(聴覚情報処理障害)については以下をご覧ください。私の治している患者さんの中にはAPDとまではいかないけれど、一時的に近い状態になっている方もいるかもしれないと考えています。
NHKのラジオ  NHKジャーナル 放送日:2019/12/24
https://www.nhk.or.jp/radio/magazine/article/nhkjournal/78zXdJ_Qo.html

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2023年06月28日

耳管開放症が治った40代の女性 鍼灸は初めてでした

40代の女性が自分の呼吸音が聞こえる、自分の声も大きく聞こえるということで来院されました。耳管開放症です。耳管開放症とは、正常では普段閉じている耳管の内側部分が、周囲組織からの圧迫が弱いために開いてしまい、耳と鼻の間で空気が筒抜けになる状態です。
詳しくは以下をご覧ください。
http://hari.yuisuita.com/category/1461796.html

両耳とも開くが、右耳の方がひどく夕方になるとひどくなります。みなさん朝より夕方の方が疲れます、疲れてダラッとなると耳が開くのです。ダラッとなると悪くなるので、私は耳管開放症を「耳の胃下垂」と呼んだりします。身体の気が衰えてくるとひどくなるのは胃下垂も眼瞼下垂も顔が下がってくるのもいっしょです。身体を元気にしながら治します。今回の患者さんは冷え症でしたがこれも治していきます。
職場や寝室で冷房を寒すぎると感じている人は耳の調子が悪くなることがあります。

週に1回の治療で一か月半 7回で左耳が気にならなくなり、治療開始から2カ月 10回の治療で両耳とも治りました。
耳の治療は「初めて鍼灸を受ける」という方がよくいらっしゃいます。今回の女性も初めてでした。

アンケートでは「非常によい効果があった。ほとんど完全になおり苦痛がない」という回答をいただき以下のコメントをいただきました。

◆コメント
初めての鍼灸でしたが、呼吸音や自分の声のひびきがほとんどなくなりとてもうれしいです。これほど効果があるとは驚きです。また何かあればお世話になりたいと思います。ありがとうございました。
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2023年06月25日

7月16日(日)金沢で講演します。Zoomでも視聴できます

今回は専門家、鍼灸学校学生向けのお知らせです。
金沢で「耳鼻咽喉科領域における鍼灸治療」を講演します。オンラインとのハイブリッド開催です。アーカイブ配信もあります。
ご興味ある方は下記より申し込みください。締め切りは7月11日火曜です。

令和5年度 (公社)石川県鍼灸師会 第1回学術講習会 
日 時:2023年7月16日(日)第二部 13時30分〜15時00分
「耳鼻咽喉科領域における鍼灸治療」
https://ishikawa-harikyu.jp/11kousyukai.html
写真は関西中医鍼灸研究会で耳疾患の治療の実技講習をしている時のものです。
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◆施術者は厳密な感染予防を続け定期的に新型コロナ感染症のPCR検査をしています。
6月20日陰性でした。

2023年01月15日

急性低音障害型感音難聴(ALHL)の耳鳴りが3回で治りました

新型コロナの感染拡大が止まりません。オミクロンは軽症が多いですが、感染力は強く、感染者も増え続けています。みせかけの感染者数よりはたくさんの方が感染していることは、死亡者数の増加から明らかです。軽症が多くてもコロナ後遺症には 若い人もかかります。感染しないに越したことはありません。私は今、ブレインフォッグ(脳の霧)とよばれる結構 深刻な後遺症も治療しています。コロナ後遺症については以下をご覧ください。
https://www.yuisuita.com/acupuncture/covid/

☆急性低音障害型感音難聴(ALHL)の耳鳴りが3回で治りました

40代の女性が右耳のつまり感、耳鳴り、音、声がひびく症状で来院されました。換気扇の音も響きます。右耳がおかしいと感じて耳鼻科に行かれてから約40日がたっていました。耳鼻科の治療で聴力は30デシベルまで回復されていましたが、上記の症状の改善がみられないため来院されたのです。20デシベル以内が正常とされています。
一度 治療しただけで耳鳴りはなくなり、換気扇の音も響かなくなりました。耳鼻科に症状の消失したことを報告し、お薬もやめることになりました。最初の治療から約10日間 観察し、症状の再発のないことを確認して鍼灸治療も終わりました。約10日間に3回治療しました。3回目にアンケートをいただきました。「聴力も正常になった」と報告受けたのですが、患者さんは数字を記憶されていませんでした。アンケートは以下です。

◆非常によい効果があった。ほとんど完全になおり苦痛がない。総合的にいって治療前の苦痛を10とすれば今の苦痛は【0】である。とアンケートをいただきました。以下はコメントです。
鍼灸治療は初めてで心配でしたが、話もよく聞いて下さり安心しました。私は3回の治療で右耳のつまり感、耳鳴り、音、声がひびく症状がなくなりました。ここに来てよかったです。以上
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※考察 聴力の回復とともに、つまり感 耳鳴り、音がひびく症状がなくなりました。耳鼻科では30デシベル程度になると「ほぼ回復した」と評価されることが多いようです。患者さんは、悪くなってから初めて聴力検査をすることが多く、もともとの聴力はわからないのです。結(ゆい)では「聴力は回復していると耳鼻科ではいわれるけれど耳がつまる。耳鳴りがする。」といった症例を多数 治療しています。

☆花粉症の予防治療もそろそろ始めてください。花粉症については以下をご覧ください。
http://hari.yuisuita.com/category/1461803.html

2023年01月08日

数日 起き上がれないようなめまいが治りました。70歳の男性。

前回のブログで1月から2月にかけて耳疾患がよくおこりますと書きましたが、今回の患者さんも1月に発症されています。70歳の男性のお話です。ガンの手術もされ、痛風もありますがフルタイムで仕事を続けられています。ここ2年ぐらいは3か月に一度ほど40度の高熱が出るようになり、胆管炎と診断されています。
職人さんで一人だけで仕事をする方です。言葉のはしばしに丁寧な職人仕事がうかがわれました。
結(ゆい)には、ひどいめまいがなんとかならないかと来院されました。いったんめまいが出ると数日は起き上がることができません。4カ月前からめまいがあり、2カ月前からは起き上がれないほどのめまいが頻発していて仕事もできません。もともと右耳は難聴で50デシベル程度の聴力しかないのですがめまいの時はまったく聞こえなくなります。両耳の耳鳴りもありますが、とにかく めまいと吐き気がなんとかならないか、仕事を続けたいという訴えでした。耳鼻科では「メニエールに近い状態」といわれています。薬では改善がみられません。
週2回で4回ほど治療すると、週に2〜3回、ひどい時は数日起き上がれない状態だっためまいが週に1回になりました。1日寝るとめまいは治ります。治療を始めて約一か月半で2週間めまいが出ないという状態になったので、週1回に治療頻度を減らしました。仕事は再開しています。
治療を始めて約3か月19回でいったん治療を終わりました。約一か月 めまいは出ていませんでした。体調もよくなっていました。右耳も以前よりは聞こえやすくなっています。
治療終了してから3か月後にめまいが1度だけ出たと再度 来院されました。ご家族が病気され無理をなさったようです。今度は2カ月間に7回 治療してめまいの再発がないことを確認して治療を終わりました。この時にアンケートとコメントをいただきました。

◆よい効果があった。少し苦痛はあるがずいぶん楽になった。
総合的にいって治療前の苦痛を10とすれば今の苦痛は【0】である。とアンケートをいただきました。以下はコメントです。
めまいの苦痛から抜け出せてほんとうに助かりました。治療前のめまいの時はどうなるものかと思っていましたが効果があり楽しく生活ができています。今後もよろしくお願いします。コメント以上 自筆のコメントは以下からどうぞ
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「少し苦痛はあるがずいぶん楽になった」と書かれて、今の苦痛は【0】であるというのは めまいがないという意味です。いろいろご病気なさっているので、まったく何もないというのはないのでしょう。胆管炎で40度くらい発熱しても「苦しくはない」とおっしゃる男性です。家族のご病気の方が気がかりなご様子でした。

2023年01月04日

突発性難聴? 急性低音障害型感音難聴(ALHL)の治った話

1月から2月にかけて耳疾患がよくおこります。春はもうすぐそこ、この季節 少陽経(しょうようけい)という経絡(身体の気の流れるライン)に異常がおこりやすくなります。少陽経は精神的ストレスの影響を受けやすい経絡(けいらく)です。そして入試、入学、入社、人事異動、引っ越しなど精神的ストレスいっぱいのイベントが続きます。
今回は突発性難聴、急性低音障害型感音難聴(ALHL)のお話です。

☆突発性難聴? 急性低音障害型感音難聴(ALHL)の治った話

X年2月に20代前半の女性が来院されました。2週間前に左耳がほとんど聞こえなくなり、耳鼻科で突発性難聴と診断されました。すぐに聴力はもどりましたが、耳鳴りと耳のこもり感は続きます。紹介された大病院では今度は急性低音障害型感音難聴(ALHL)と診断され、なんとか早くよくならないだろうかと結(ゆい)に来院されました。一度 治療したところ治療翌日に耳鳴りはなくなりました。もう一度 治療したら耳のこもり感も消えて、3回目の治療を終わったところでアンケートをいただきました。早く治った症例で、いつもこんなふうにいくとは限りません。以下アンケートです。
◆非常によい効果があった。ほとんど完全になおり苦痛がない。総合的にいって治療前の苦痛を10とすれば今の苦痛は【1】である。とアンケートをいただきました。以下はコメントです。

突然 耳のこもった感じがして耳鼻科に行ったところ突発性難聴と診断されました。大きな病院を紹介され治療したがよくならず、困っていたところネットで「結(ゆい)鍼灸院」さんを見つけました。耳鳴りやこもった感じはほとんど無くなりました。有り難うございました。コメント以上
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2022年12月15日

男性 40代 耳管開放症が治りました。うつ病も楽に

7か月前から痩せ始めて耳が開き始めました。3か月前から体調を崩し、うつ病と診断され休職。声がこもり立ちくらみも出るようになりました。当院に来院されたのは職場復帰されてすぐの頃です。抗うつ剤や抗不安剤も飲まれています。耳鼻科と心療内科の両方に通院中です。
一か月半に 10回治療して卒業されました。コメントで「8回目の治療ぐらいからほぼ回復した状態で生活することができました」というのは治療開始から約一か月後です。週2回のペースで8回治療し最後の2回は耳の様子をみるために週1回で治療しました。
仕事の都合で「週1回」が限度といわれる患者さんが多く、「週1回」で治っていく人もいるのですが、週2回の方が確実に治る場合が多いように見受けられます。うつ病の治療も並行して行いました。耳管開放症とうつ病は共通するツボも多くいっしょに治療しやすいのです。 

◆非常によい効果があった。ほとんど完全になおり苦痛がない。総合的にいって治療前の苦痛を10とすれば今の苦痛は【0】である。とアンケートをいただきました。以下はコメントです。

全10回の治療をうけさせていただき、だんだん状態がよくなり、効果が実感でき、8回目の治療ぐらいからほぼ回復した状態で生活することができました。治りにくい病気だと聞いていたのであきらめていた気持ちもありましたが、ここまで回復することができて本当に感謝しております。ありがとうございました。以上コメント

※午後の受付時間繰り上げのお知らせ
来年1月より午後2時30分〜5時30分に受付時間を繰り上げます。
最終受付時間が午後5時30分になります。電話受付も午後8時までになります。

※12月25日日曜〜1月4日水曜まで休ませていただきます。5日木曜から開けます。
電話受付も休み、1月4日水曜から再開します。
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2022年12月11日

顔面麻痺が治りました  30代女性 コロナ後遺症

22年の夏にいらっしゃいました。 一か月前にコロナにかかり 発熱は38度程度でした。10日間 倦怠感に苦しみました。現在も痰は残りますが咳はありません。
今は仕事を休んでいるが後1週間で仕事に復帰するというので 焦っていらっしゃいました。4年前に右耳突発性難聴になっていたのが、再度 悪化しました。女性の高い声が聴きにくい。外で話されると聞き取りにくいという症状です。食欲も落ちています。
右の顔面神経麻痺にコロナの後になりました。右の眼瞼が動きにくい。閉じにくい。口から水がこぼれる。首肩がこり 腰も痛いといった状態です。

3週間に4回治療したところ、目が閉じやすくなり、口から水がこぼれるのもなくなりました。顔面麻痺はほぼ治りました。2割以上に後遺症が残るといわれています。顔面神経麻痺は早期治療が大切です。
鼻水がのどに落ちるという後鼻漏(こうびろう)の症状もあったのですがこれもなくなりました。オミクロンは肺まではなかなか行きませんが、のどや上咽頭でひどい炎症をおこします。上咽頭の炎症が後鼻漏に関係していると思われます。
鍼灸は上咽頭の炎症によく効きます。じつはBスポット療法=EAT(上咽頭擦過療法)で少しよくなったけどもう少しよくしたい、またはBスポット療法の効きがよくなかったという理由で当院に来院される患者さんも結構いらっしゃいます。

首肩がこり 腰も痛いのも治ったためその後 数回治療して終わりました。耳の違和感はまだ少し残っていましたが、以前より聴きやすくなりました。仕事と子育てで通院が難しくなったとのことでした。食欲も回復し元気に働かれています。
※患者さんのプライバシー保護のために状況を少しだけ変えていることもあります。

◆鍼灸師、医師のみなさまへ

今回の症例は 専門誌Tehamo(てはも)5号(10月31日発行)の特集LongCOVIDのケア&キュアの中の「当院での2020年からのコロナ後遺症治療」に掲載しています。弁証 配穴などはそちらでお読みください。
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2022年12月03日

急性低音障害型感音難聴が約一か月で治りました 30代女性

30代の女性が約3週間前から左耳がつまり、聴力が低下していると来院されました。耳鼻科では急性低音障害型感音難聴と診断されています。低音部の聴力が40デシベルに落ちています。聴力は20デシベル以上が正常とされています。
右耳は軽い耳管開放症で時々 耳が開くそうです。顎の違和感も毎朝あり、両肩がこります。デスクワークをされています。
急性低音障害型感音難聴と診断される方で顎の症状を訴える方は多数いらっしゃいます。「顎関節症なんです」と別の病気のように言われますが、私から見ると気滞、気の滞りからくる同じ病気です。交感神経優位でもあります。いっしょに治っていきます。経験からいうと急性低音障害型感音難聴よりも、顎の症状や食いしばりの方がしつこいです。ただ軽くなり、気になることが減ります。

一度 治療すると左耳のつまり感がなくなり、耳が聞こえやすくなりました。約一か月に6回治療して、低音部の聴力が20デシベルに回復。肩こりや顎の違和感もなくなり、耳管開放症の右耳が開くこともない状態が続いていることを確認して、耳の治療を終わりました。アンケートをいただいています。
その後も時々治療していますが、4か月たっても耳の再発はありません。以下 患者さんのアンケートです。
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◆非常によい効果があった。ほとんど完全になおり苦痛がない。総合的にいって治療前の苦痛を10とすれば今の苦痛は【2】である。とアンケートをいただきました。以下はコメントです。
◆3、4回の治療で耳の調子は完全によくなりました。同時に歯ぎしり食いしばりによる顎の疲れも治療していただきました。マッサージに通っても、ず-っとあった肩こりが鍼治療によって劇的に改善しました。肩こりを感じない状態というのは何十年ぶりでしょうか。2割残っているとしたのは治療間隔があくと肩こりが少し出てきてしまうためです。しかし回復は早いです。もう少し治療を続けてよい状態を保ちたいと思います。色々な相談に乗っていただけます。コメント以上

※午後の受付時間繰り上げのお知らせ
来年1月より午後2時30分〜5時30分に受付時間を繰り上げます。
最終受付時間が午後5時30分になります。電話受付も午後8時までになります。

※12月25日日曜〜1月4日水曜まで休ませていただきます。5日木曜から開けます。
電話受付も休み、1月4日水曜から再開します。

2022年09月01日

耳と鼻がつまり、息苦しくて運転できなくなった30代男性 副鼻腔炎 蓄膿

〇〇年10月に30代の男性が来院されました。7月に工場で脱水症になった後、鼻の左側で鼻呼吸するのが苦しくなったという訴えです。鼻呼吸はできるようになりましたがレントゲンで副鼻腔炎と診断されています。
左耳もつまります。頭がぼおっとしてきて何もできなくなります。左手もしびれてきます。胸が苦しくなります。車を運転すると症状がきつくなります。上も向けません。上を向くと苦しくなります。中医学的には鼻と耳周囲の経絡、気の流れが滞っている状態です。鼻の流れ、経絡は胸にも通じているので胸も苦しくなります。症状は違うのですがパニック障害と似た治し方で治ります。
いったんは2回の治療で治りました。アンケートでは以下のコメントをいただきました。

【コメント】 耳鼻科に行っても全然 治らなかったのですが1度 治療していただいただけで耳のつまり感がすごくよくなり車の運転も問題なくできるようになりました。

ただ2週間後にまた鼻がつまり、左耳がつまるようになったので治療を再開、今度は一か月に5回治療して再発のないことを確認してから、治療を終わりました。
【コメント】おかげで車の運転も気にせずできるようになりました。鼻がつまると少し耳が気持ち悪いですがすぐに気にならなくなりますし本当にありがとうございました。

【考察】
蓄膿 副鼻腔炎と診断されていますが、それはあくまで気の流れを滞らせるきっかけにすぎません。副鼻腔炎で耳はつまりますが、普通は車の運転はできます。脱水症の前から自覚症状は少ない副鼻腔炎はあったのかもしれません。脱水症から自律神経が不調になり手がしびれたり胸が苦しくなってきたのでしょう。耳鼻科で治らないと今度は心療内科を紹介されるようなケースです。鍼灸は耳鼻科も心療内科の領域もカバーできます。
発症してからの期間が短かったこともあり2か月に8回の治療で治りました。
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2022年08月27日

メニエール病の進行を止めて治す治療

40代の女性が聴力の低下と耳鳴りで来院されました。メニエール病の疑いがあると耳鼻科ではいわれています。8年前にも同じ「メニエール病の疑いがある」と来院された方です。
8年前は耳が響く、耳鳴りがする、低音が聞こえにくいという訴えでした。発症直後で10日間に4回の治療をして諸症状がなくなり、治療を終わっています。めまいが少ないので「疑い」とされているのでしょう。

今回も右耳が耳鳴するのはいっしょでしたが、加えて左耳に拍動性の耳鳴りがするという症状がありました。拍動性の耳鳴りは1回でなくなりましたが、首や肩が凝ったりするのが8年前とは違いました。
再発から時間がたっていたことと仕事の関係もあり月に2回の治療しかできなかったため ちょっと長引きました。治療後はよくなるのですが、10日ほど経過する中で症状がもどってくるのです。なんとか8か月で治りましたが、週1〜2回の治療ができたら2か月ほどで治癒に持ち込めたのではと考えています。
今回に限らず、つらい症状が鍼灸でいったん楽になったら再度つらくなりそうになる前か つらくなってすぐに治療して身体をいい状態に保つのが賢い治療の受け方です。しばらくいい状態が保てれば治癒です。
低音部125ヘルツ、250ヘルツの聴力も50〜40デシベルから20デシベルに改善し聞こえにくさもなくなりました。20デシベルあれば聴力異常なしです。
治療後にいただいたアンケートでは以下のコメントが書かれていました。

◆非常によい効果があった。ほとんど完全になおり苦痛がない。
総合的にいって治療前の苦痛を10とすれば今の苦痛は1である。
聴力の低下や耳鳴りがありましたが、根気よく治療をしていただき、ほぼ苦痛はありません。
鍼治療をした次の日は特によくなっていたことが多く 体も気持ちも楽になっていました。ありがとうございました。以上アンケート

医学書にはメニエール病はだんだんと聴力がおちていき、やがて聞こえなくなる可能性があると書かれていますが、鍼灸は進行をくいとめ、治す力があると私は思っています。
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