2014年10月19日

「思考鍼」と「運動鍼」は似た治療法

今週土曜25日は学会での講演のために臨時休診させていただきます。年内の臨時休診はこれが最後の予定です。どうかよろしくお願いいたします。

☆「思考鍼」と「運動鍼」は似た治療法

前回の「理由なき恐怖心や心的外傷(トラウマ)、強迫性障害や不安障害を治す鍼」の話は
読者のみなさまからいろいろな反響をいただきました。

あるツボに鍼をして一定の刺激をしている時に、恐怖の対象や過去の衝撃をうけた出来事を思い出してもらうやり方ですが、私はこれを「思考鍼」と名づけています。
じつは「運動鍼」と似たような考え方に基づく治療法です。
「運動鍼」というのは、ある身体の動きで痛みがでる場合、わざと痛みの出る姿勢をとってもらい、ツボに鍼をして痛みをとるやり方です。ツボは痛みの出る場所や痛みの出る場所に関係する離れた場所を使います。例えば前かがみで腰が痛い時、手のツボに鍼をしながら前かがみの姿勢をとってもらうという具合です。瞬時に痛みが消えます。「運動鍼」はよく知られた治療法です。
手のツボで腰の痛みが取れる理由を伝統的中医学では経絡(けいらく)気の流れる道で説明していますが、脳の痛みの情報を書き換えていると言い換えることもできます。腰に炎症があったとして、それが瞬時に治るわけではありません。治りやすい状態にもっていっているのです。ですが痛みは瞬時に消えます。

「思考鍼」は私の造語ですがやはり「理由なき恐怖心や心的外傷(トラウマ)」という脳の情報を書き換えていると考えています。痛みも理由なき恐怖心も同じ情報です。
人間は複雑な生き物ですが、案外 単純なところもあるのではないでしょうか。
もちろん「運動鍼」だけでとれる痛みもありますが、いろいろな痛みがすぐにとれるわけではありません。実際の臨床ではいろいろと身体全体の調整をして、最後の仕上げに「運動鍼」をする場合がほとんどです。「思考鍼」もいろいろと身体を治して仕上げのように使っています。

※日曜は結はお休みですが予約の電話等は、今日も受け付けています。
週末の学会の抄録とネームカード 香川で開催されます。
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2014年10月09日

理由なき恐怖心や心的外傷(トラウマ)、強迫性障害や不安障害を治す鍼

理由なき恐怖心や心的外傷(トラウマ)をなくす鍼灸のやり方があることをご存知ですか。今回はちょっとした症状をみんな「ガンかもしれない」と恐れてしまう女性のお話です。

ガンなどの病気を異常に恐れる症状は疾病障害と呼ばれ、不安障害の一種です。不安障害としてはパニック障害や心的外傷後ストレス障害(PTSD)がよく知られています。

☆理由なき恐怖心や心的外傷(トラウマ)、強迫性障害や不安障害を治す鍼

鍼灸は理由なき恐怖心や心的外傷(トラウマ)を治すことができます。うまくいけば1回で今回の女性のように治ります。
あるツボに鍼をして私が一定の刺激をしている時に、恐怖の対象や過去の衝撃をうけた出来事を思い出してもらいます。電車に乗るのが苦手な人は「電車に乗っている自分」をイメージしてもらいます。それまでは思い出すだけで「いやな気持ち」や不安になっていたのがなんとも思わなくなれば成功です。

今回の女性は便秘がちのおなかを重く感じるたびに、ガンを恐れ、不安になっていました。鍼に刺激をしながら、おなかにガンができている状態をイメージしてもらいました。このやり方はイメージしてもらうことが大切なところです。
そうしたら「あれ?こわくない」と一言。数日後に頂いたのが以下のメールです。

☆ガン恐怖の消えた患者さんからのメール

先日、「恐怖心を抑える鍼」の治療をしていただいたところ、いつの間にか身体の症状を気にしなくなっていました。
そのおかげか、夜もきちんと眠れるようになって眩暈(めまい)もしなくなりました。
お通じは決して良好ではないのですが、「=がん」と結び付けなくなっています。
思考回路が上手く修正されたようです。

私は元々がん家系で祖父を肝臓がんで亡くしていて、父も胃を早期発見で3分の1摘出しています。
父は再発も転移もなく今も健在ですが、祖父が亡くなる時の苦しみ様は壮絶なものでした。
当時10代の私は、初めて目の当たりにした人の死が病への恐怖心として刷り込まれ、トラウマになっているのだと考えています。
高齢だったとはいえ、人はこんなにも苦しみながら死ななければならないのか……と。
特に近年はTVをつければ健康番組が危険な病を警告して、CMは保険会社が「万が一」に備えるように頻繁に呼びかけてきます。
それらを目にするたびに薄暗い気持ちになっていました。最近はもう極力目に入れないように心掛けていますが……。
心療内科で処方される安定剤を飲んでも対症法にしかならず、根本的な考え方は変わらなかったです。

しかし、先日の鍼治療を受けてからは頭の中で霧がすっと晴れたような清々しい気分でいられます。
がんという病気自体は気になるけれど、恐怖心まではいかない……。
まさに先生が仰っていたとおりです。治療の効果を報告すると共に病への恐怖心を抱くようになった経緯をお伝えしてみました。

以上 患者さんからのメール

じつは彼女は別の症状で来院されていて、ガン恐怖をうちあけられたのはしばらくたってからでした。自分の気持ちのデリケートな部分を告白するのは勇気のいることです。
理由なき恐怖心や心的外傷(トラウマ)を抱えている方は、何かの身体症状を抱えている方が多いようです。まずは身体症状で治療を受けてください。そして私が信用できると判断されたときは、メールでもいいですからうちあけてください。彼女もメールでガン恐怖を告白してくれました。

※疾病障害は正確には強迫性障害の一種に分類されています。強迫性障害は不安障害の一種とされています。治療例は個人情報保護の観点から、患者さんの年齢、状況を大勢に影響ない範囲で少し変えている場合があります。今回は患者さんのメールの一部も変えました。ご了承ください。
当院のベットと患者着です。使い捨ての紙シーツを使っています。
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2014年07月29日

パニック発作の後の動悸が3回でなくなりました

栗原(仮名)さんは40代後半の女性です。家族、親戚でお店をやってらっしゃいます。大阪に多い家族経営の老舗です。
元気のいい方で、テンポよく早口で話すサバサバした感じの方です。

20XX年の10月終わりに来院されました。いっしょに働いている親戚のAさん(女性)と話をすると動悸がしたり頭が痛くなったりするというのです。夏ごろからおかしくなり、そのうち熟睡できなくなり、朝からぼーとして眠いとのこと。夏の疲労と過労が動悸を誘ったのでしょう。
じつは2年前、Aさんと大喧嘩をして、その後でパニック発作をおこしていらっしゃいました。その後もしばらく動悸等が続いたのですがいつのまにか治っていました。今回はいつまでも治らず、夜も眠りにくくなったということで来院されました。抑うつ状態一歩手前というあたりでしょうか。
さっそく鍼灸治療を開始、1回で寝つきがよくなり、3回 2週間でほぼ動悸や気分の悪さもなくなり、4回 3週間で終了しました。Aさんとの仲の悪さは同様で、互角に渡り合えるようになったとのこと。どなり返せるようになり、元気に口喧嘩されているようです。

本格的に暑くなった今頃が不調になりやすい時期です。調子が悪くなったら栗原さんのように10月まで我慢することなく早めに来院ください。

◆アンケートには「非常によい効果があった。ほとんど完全に治り苦痛がない。」「治療前の苦痛を10とすれば今は0」と回答いただきました。

◆コメント
決まった人と話すとき必ずひどい 動悸があったのがほとんどなくなった。ゆっくり熟睡ができず、朝起きたときからボーと眠たさがあったのもなくなり寝つきもよくなった。

アンケートは以下から
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パニック発作というと何か「線の細い、弱弱しい人」がなるというイメージがあるかもしれませんが、そんなことはありません。どんな人でもなります。たいていは過労、疲労が引き金になります。本格的な猛暑に入った今、お気をつけください。
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2014年04月23日

湿疹と不眠がつながっている? 気分障害または概日リズム睡眠障害、睡眠相後退症候群(DSPS)?

新緑の美しい季節になりました。通勤電車の電車の中でスマホや携帯ばかり見ていませんか。遠くをぼおっとながめたり、若葉を楽しんだりするのも春の立派な健康法です。

☆湿疹と不眠がつながっている? 気分障害または概日リズム睡眠障害、睡眠相後退症候群(DSPS)?

島田(仮名)さんは30代初めの青年です。数年前は全般性不安障害、パニック障害と診断され当院に治療に来られていました。当時の鍼灸治療の一番の目的は不安で乗れない新幹線に乗れるようになることで、それはうまくいき治療は終了しました。

今回は4ヶ月前から夜、眠れず、昼間 起きていられないという症状がひどくなったと来院されました。睡眠導入剤も効きません。昼間起きているよう努力はするのですが、たまらず寝ることもよくあるようです。こま切れの質の悪い睡眠の典型です。
2ヶ月前からは身体中に湿疹が出るようになり、夜はかゆみがひどくなりよけいに眠れない。概日リズム睡眠障害、睡眠相後退症候群(DSPS)ともみえるような症状ですが、この場合は気分障害からくるものなのでしょう。島田さんは今回は気分障害と診断されているようです。気分障害とはうつ病や双極性障害を含む広い概念です。
数年前のような不安感はなくなったとのことですが、抗うつ剤は飲み続けていて、疲れやすさ、手足のしびれ感の訴えもあります。

1ヶ月に5回治療したところ、夜はすぐに眠れるようになり、昼は起きていられるようになりました。2回ほど治療したところでかゆみが引き始め、3週間後には湿疹はきれいに消えました。眠れなくなると、だんだんと身体を落ち着かせる陰(いん)という成分が減少し、皮膚のかゆみになり、やがて湿疹になることがあります。こういう時、伝統的中医学では睡眠と湿疹を一連のものと考えて治療します。みなさんも睡眠時間が極端に少なかった時、妙に興奮した経験はありませんか。身体を落ち着かせる陰(いん)が減っているからです。

◆アンケートでは「非常によい効果があった、ほとんど完全になおり苦痛がない」を選択。以下のようなコメントをいただきました。

当初の気分障害での体のだるさ、日中起きていられない、夜の睡眠障害、体全体の湿疹に悩まされてきました。2回ほどの治療で夜もぐっすり寝つけるようになり、4ヶ月間毎日飲んでいた睡眠導入剤も全くいらなくなりました。それに伴って約一週間ほどで湿疹もほとんどひいていきました。同じく体のだるさも、一週間ほどでかなりなくなり、昼からも動けるようになりました。

自筆のアンケートは以下から140424fumin.JPG
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2014年04月15日

数ヵ月後も元気でした!PMSで全般性不安障害(GAD)や注意欠陥多動性障害(ADHD)が疑われた患者さんのその後

 3月25日で紹介した「全般性不安障害(GAD)や注意欠陥多動性障害(ADHD)が疑われた患者さんの治療 PMSも」の吉本(仮名)さんの数ヵ月後の様子を知るためにアンケート出していたのが返ってきました。

☆数ヵ月後も元気でした!PMSで全般性不安障害(GAD)や注意欠陥多動性障害(ADHD)が疑われた患者さんのその後

結(ゆい)を卒業された後も、吉本さんは順調です。
吉本さんは、右下の歯茎に麻酔したところ、翌日朝から右側に違和感が出現、右半身全体に違和感がでるようになったとのことで来院されました。不安感がつよく、理由のない不安感におそわれた時は過去の怖いこともいっしょに思い出すそうです。胸がしめつけられるようになることもよくあります。しゃべりながら涙を流し話がよくとんでいましたが、2ヶ月弱の治療で卒業されました。
http://www.yuisuita.com/acupuncture/cat_depression/entry_1123/

◆鍼灸治療の効果を
よい効果があった。少し苦痛はあるがずいぶん楽になった。と回答され「治療前の苦痛を10とすれば今の苦痛は1である。」と回答されています。

◆コメント欄には以下のように書かれていました。

先生へ お手紙ありがとうございます。中略 先生の所に初めて行った時のような、どうしようも手に負えない不安感はなくなりました。ありがとうございます。治療中の先生の言葉にも何度もはげまされたり、心のモヤモヤ感がなくなりました。今は漢方やセルフケアで保てています。心というのは、ゆれうごくものなんですね。コメント以上

当時、仕事でスピーチする機会があるというのでスピーチの練習の仕方を教えたことを思い出しました。まあ私の失敗談中心のバカ話だったのですが。若い方が自信を回復していく姿をみるのは嬉しいものです。
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2014年03月28日

ロンドンの国際学会で発表!「不安レベルへの鍼の効果と前頭前野皮質のNIRS活動計測」

日本大学医学部の酒谷 薫教授とストレス脳の共同研究をしていましたが、7月にロンドンの国際学会(ISOTT2014)で「不安レベルへの鍼の効果と前頭前野皮質のNIRS活動計測」として発表されることになりました。

☆ ロンドンの国際学会で発表!「不安レベルへの鍼の効果と前頭前野皮質のNIRS活動計測」

ストレス脳とは脳のオーバーワークなどが原因でストレスに過敏に反応し、 オーバーヒート気味の脳の事。ひどい肩こりや頭痛、腰痛に隠れていることもあります。自律神経失調症やパニック障害、うつ病や双極性障害なども含まれます。
近赤外分光法(NIRS)、光で脳機能を測定する技術を用いて脳のストレス状態を計りました。脳(前頭前皮質)の右側と左側で血流(酸化ヘモグロビン)を計測。血流の左右差が多い人はストレス度が高く、少ない人はストレス度が低いといわれています。

鍼治療によって血流の左右差が多い人たちの70パーセントの左右差が少なくなり、あわせて心理テストの結果も改善されました。初診の時に診断し、数回の鍼灸治療の後、自覚症状が改善した時点で再度診断したものです。
鍼治療が不安を改善させるという効果が患者さん自身の感覚だけでなく、近赤外分光法(NIRS)診断でも明らかになりました。協力いただいた患者のみなさまありがとうございました。

私はロンドンには行きませんが、酒谷教授の共同研究者として発表されます。
今後はストレス脳のNIRSでの計測はいったんお休みとさせていただきます。ストレス脳については以下からどうぞ
http://www.yuisuita.com/study/

☆ISOTTは学際的な国際学会
http://www.isott2014.org/

今年で42回目となるISOTT、International Society on Oxygen Transport to Tissueは体の様々な臓器における酸素輸送に関する広い議論のための国際学会で医師だけでなく生理学者、物理学者、エンジニア、生化学者や数学者が集っています。今年の基調講演の題目を並べてみるとわかります。
「ミトコンドリアおよび細胞増殖」
「脳循環代謝、神経血管メカニズムと出生後の脳の発達」
「救急医学における酸素輸送の謎」
「低酸素に対する人間の適応:エベレストからの教訓」
「ミトコンドリア:複雑さへの鍵」
「高地トレーニング及びEPOドーピング後酸素運搬」
以上のような具合です。酒谷教授も医学部脳神経外科と工学部電気電子工学科を兼任されています。そのような学会で鍼灸の効果が発表されることは、鍼灸のより科学的な解明へと道を拓くものとなるでしょう。
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2014年03月25日

全般性不安障害(GAD)や注意欠陥多動性障害(ADHD)が疑われた患者さんの治療 PMSも

中医学では頭がふらふらし気が小さく驚きやすく不眠となり、ため息ばかり出るような状態、物事についてさんざん考え思いをめぐらしても決断のつかない状態や不安にさいなまれる状態を胆虚(たんきょ)と診断し治療しています。

吉本(仮名)さんは20代の女性です。4ヶ月前、右下の歯茎に麻酔したところ、翌日朝から右側に違和感が出現、右半身全体に違和感がでるようになったとのことで来院されました。漢方薬は処方されていましたが、なかなか効かないそうです。不安感がつよく、理由のない不安感におそわれた時は過去の怖いこともいっしょに思い出すそうです。胸がしめつけられるようになることもよくあります。しゃべりながら涙を流し話がよくとびます。

3週間6回ほど治療したところ、不安感は消え情緒も落ち着きました。仕事にも集中できるようになりました。この段階でアンケートをいただきました。

◆アンケート回答
よい効果があった。少し苦痛はあるがずいぶん楽になった。治療前の苦痛を10とすれば今は3である。

◆コメント
右半身の硬さは少し残りますが、何もないことに涙がでたり、怖いことを思い出すのが減り、情緒が安定してきてうれしいです。情緒が不安定なのは自分の努力や考え方の問題のように思っていましたが、間違ってカイロがつながってしまった状態と言われ初めての治療の次の日、意味のわからない不安や右のモヤモヤがとれておどろきました。ありがとうございます。
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※「間違ってカイロがつながってしまった状態」というのは「不安でもないことに不安を感じてしまうのは、脳の中である刺激、情報がまちがって伝わってしまう状態になっています。いわばバグです。鍼灸は脳のバグを修正できます」と説明したことをさしています(藤井)

その後、1ヶ月治療して右半身の違和感もなくなり仕事にも集中できるようになり、不安感も全然 感じなくなり卒業していかれました。もともと月経前症候群(PMS)のある方でしたが、こちらの症状もでなくなっていました。

吉本(仮名)さんは幼い頃から集中できず、考えがコロコロ変わる状態だったそうで、注意欠陥多動性障害(ADHD)を疑われたといいます。
今回は全般性不安障害(GAD)のような状態でした。これは胆虚(たんきょ)です。
何事にも自信のもてない方でしたが、仕事のやり方を少し助言したところ、助言どおり素直にやってくださり仕事がうまくいきました。「うまくいきました!」と嬉しそうに報告してくださいました。いっぱいいっぱいほめました。

※治療例は個人情報保護の観点から、患者さんの年齢、状況を大勢に影響ない範囲で少し変えている場合があります。ご了承ください。
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2014年03月23日

交通事故治療は鍼灸で 急ぎは領収書発行で

結(ゆい)鍼灸院、関西中医鍼灸研究会の藤井です。昨日の朝日新聞に「自動車損害賠償責任(自賠責)保険に対し、接骨院からの保険金請求が急増していることが分かった」というまことに残念な記事が掲載されていました。
http://www.asahi.com/articles/ASG3P5HXFG3PUUPI001.html
「交通事故治療専門」とか「自己負担0円」などとうたっている整骨院がふえていたので、いつかはこういう記事が出ると予想していました。こういう不心得もののために交通事故の被害者、とくに治療が長引いてしまった方がよけいにいやな思いをされるのではと心配です。
11年前に私は以下のようなメルマガを書いています。

☆むち打ち症はじつはPTSD、心的外傷後ストレス傷害の面が大きい 
http://www.yuisuita.com/acupuncture/cat_headache/entry_916/

私のところで最初から治療を始めて長引いた経験はありませんが、一般的には治療が長引けば長引くほど加害者や相手の保険会社の方との間は険悪になっていきます。患者さんのかかえる苦しみに関する無理解や病気への疑いの攻撃にさらされ、精神的に二次被害をこうむっているのです。そのために治りにくいのです。 中略
追突事故は仕方のないことですが、むち打ち症はじつはPTSD、心的外傷後ストレス傷害の面が結構大きいことを、事故処理にあたる保険会社の方がしっかり認識していただきたいと望んでいます。事故は防ぎにくいかもしれませんが、被害者に精神的に二次被害を与えることはPTSD、心的外傷後ストレス傷害の認識さえあれば防げるのですから。以上11年前のメルマガ一部抜粋おわり。

☆交通事故治療は鍼灸で 急ぎは領収書発行で

むち打ち症は本来は整形外科だけでなく、心療内科もいっしょになって治療すべき疾患です。私は鍼灸で心も首も治していきます。
むち打ち症を鍼灸で治すという認識が保険会社に少ないので、私は患者さんに「保険会社に鍼灸で治すという了解をとってください」とお願いしています。保険会社との連絡を私が代行するようなことはしていません。患者さん自身に汗をかいてもらうことで「治す」という積極的な気持ちになってもらうためです。保険会社には鍼灸の治療費を請求しています。
すぐに治療を開始してほしいという患者さんからは普通に治療費をいただき、領収書を発行しています。患者さんにはその領収書で保険会社に請求してもらいます。
週に2回治療して、だいたいは1〜2ヶ月で治しているので、これまで保険会社とトラブルになったことはありません。交通事故治療は鍼灸がよく効きます。早くきちんと治したい方は、どうぞ信頼できる鍼灸院をさがしてください。
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2014年02月06日

パニック障害、全般性不安障害やうつ病、自律神経失調症にも急な寒さはよくありません 

結(ゆい)針灸院、関西中医鍼灸研究会の藤井です。急に寒くなると意外な症状も悪化します。2月3日に春のように暖かくなりました。その後にきた寒波はこたえます。

☆パニック障害、全般性不安障害やうつ病、自律神経失調症にも急な寒さはよくありません 

パニック障害、全般性不安障害の方やうつ病、自律神経失調症の方の中には不安感が強くなったり、息苦しさや吐き気が強くなったりした方がいらっしゃるはずです。寒さもストレス、寒さが気のめぐりを滞らせて症状がひどくなります。部屋全体を適度に暖めてください。針灸治療を受けていただければ一番いいのですが、部屋を適度に暖めるだけでもある程度改善します。

とくに朝、起きる時に部屋が暖まっていることが大切です。

オイルヒーターや床暖房をつけたままにして部屋を暖めたり、エアコンやファンヒーターを起床の1時間ほど前につけたり、いろいろと工夫してみてください。先日治療したパニック障害の女性の不安感がなかなかおさまりませんでした。よくよく聞くとエアコンが故障し、寒さに震えていらっしゃいました。エアコンが直ると、針灸治療も効きがよくなり不安感もなくなりました。「暖めるだけでこれだけ違うんですね。」とその女性。患者さんの生活上の問題点を探り当て、適切に指導していくことも大切な治療です。「こうすると悪くなる」を体得した患者さんは自分をコントロールすることがうまくなり、ちょっとした症状の悪化にもあわてなくなります。結(ゆい)針灸院は針灸だけで治療しているわけではないのです。

◆今回の文章は結(ゆい)通信No.287 2011/2/16を少し手直ししたものです。

※治療例は個人情報保護の観点から、患者さんの年齢、状況を大勢に影響ない範囲で少し変えている場合があります。ご了承ください。
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2014年01月16日

ポコポコいう耳鳴と耳の違和感や不安感がセットの女性

陣内(仮名)さんは30代後半の女性、20XX年の10月にいらっしゃいました。右耳が疲れるとポコポコいうそうです。首もこります。なんだか気持ちが落ち着かず、ちょっとしたことで不安になります。疲れやすく、夜も眠りが浅いそうです。
陣内さんは幼稚園児のお子さんがいらっしゃいます。やんちゃでどうしたらいいかわからないそうです。子育てで悩んでいらっしゃいました。

2回治療したら、首のこりもとれ、よく眠れるようになりました。耳鳴や耳の違和感もなくなりました。子育ての悩みは続くけれど、妙な不安感がなくなったようでした。
手足が冷たかったのですが、手の冷えはとれました。
この段階でアンケートをいただきました。

◆アンケート回答

よい効果があった。少し苦痛はあるがずいぶん楽になった。
総合的にいって治療前の苦痛を10とすれば今の苦痛は3である。

☆陣内さんのコメント
治療に来させていただくのが楽しみです。張り詰める感じがとても少なくなってきました。今後ともよろしくお願いします。

自筆のアンケートはこちらから
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陣内さんはその後も治療を続け、ずいぶん元気になりました。3ヵ月後も耳鳴や不安感の再発のないことを確認しています。ただ子育ての悩みは続くようです。

※治療例は個人情報保護の観点から、患者さんの年齢、状況を大勢に影響ない範囲で少し変えている場合があります。ご了承ください。

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2013年08月20日

統合失調症、薬出しすぎ 新聞記事から

結(ゆい)針灸院 、関西中医鍼灸研究会の藤井です。本日の朝日新聞に「統合失調症 薬出しすぎ」という記事が大きく掲載されていました。

☆統合失調症、薬出しすぎ 新聞記事から
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20130820-00000002-asahik-soci
一部を要約すると
◆統合失調症で精神科に入院している患者の4割が、3種類以上の抗精神病薬を処方されていることが、国立精神・神経医療研究センターの研究でわかった。患者の診療報酬明細書(レセプト)から実態を分析した。複数の薬物による日本の治療は国際的にみても異例で、重い副作用や死亡のリスクを高める心配が指摘されている。

◆これまでも精神科の治療では「薬漬け」を指摘する声が根強くあったが、一部の医療機関などを対象にした研究が多かった。今回の研究では、2011年度から、全レセプトデータを提供する厚生労働省のデータベースの運用が始まったことから、精神科での詳しい薬物治療の実態の調査、分析ができるようになった。

◆欧米の治療指針などでも、統合失調症の治療では1種類の処方が標準的な治療とされている。3種類以上で治療効果が上がるとの科学的な根拠がはっきりした報告はない-中略- 薬が1種類増えるごとに、死亡リスクが約2倍に高まるという日本やフィンランドの研究報告もある。要約以上

うつ病でも「薬漬け」の弊害が世の中に知られ始めましたが、統合失調症でも同様のようです。私も統合失調症の患者さんに治療していて鍼灸の治療効果は実感しています。精神病院の中で鍼灸がふつうに使われるようになればいいのですが日本ではまず無理です。

精神病院のスタッフの人手が足りず、患者さんに「おとなしく」してもらうために「薬漬け」にしておくという事情があるようですが、閉じ込められた患者さんが不満をもつのは当たり前ではないでしょうか。イタリアでは1978年から精神病院が廃止され、患者さんは隔離されることなく治療を受けています。その政策転換の時の合言葉は「自由こそ治療だ」でした。

◆8月2日発売の週刊金曜日954号に「抗うつ薬の白い闇」という特集が載っています。いい記事です。興味ある方はお読みください。
http://www.kinyobi.co.jp/backnum/tokushu/tokushu_kiji.php?no=2922

お盆休みの間、水やりできなくて枯れてしまったかに見えた鉢植えの花、昨日 
水をあげたら、一部が蘇ってきました。ちょっとうれしくなりました。

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2012年12月11日

月経前症候群(PMS)が治った。抗うつ剤(SSRI)もやめた。

きびしい寒さが続いています。風邪の時はすぐに針灸治療をお受けください。早く治ります。

◆月経前症候群(PMS)が治った。抗うつ剤(SSRI)もやめた。

田丸(仮名)さんは20代後半の女性です。長く月経前症候群(PMS)に苦しまれていました。月経前10日〜7日前から気分が落ち込み、身体がだるくなります。ピルを飲んだこともありますがうまくいきませんでした。体調を崩して職場をやめた時に心療内科に通い始め、抗うつ剤(SSRI)パキシルを飲み始めて3年になります。アルバイトに半年前から行き始め本人いわく「なんとか続いている」状態です。
本人の希望もあり月経前10日の間に2回ほど治療することにしました。2ヶ月すると月経前の気持ちの落ち込みもなく生理痛もほとんどなくなりました。パキシルをやめたいという本人の希望で週に1回治療するように変更。1ヶ月かけて薬を減らし、ついに薬をやめることに成功。さらに1ヶ月治療してから、アンケートを書いてもらいました。治療を始めて2ヶ月で月経前症候群(PMS)が治り、3ヶ月めには抗うつ剤(SSRI)をやめることができました。
田丸さんは以下のように回答されました。

◎非常によい効果があった、ほとんど完全に治り苦痛がない。
◎治療前の苦痛を10とすれば今は1である。

ひどい時は2週間前から気持ちが不安定になり、だるくて何もしたくない気持ちになっていたのですが、治療していただき不安定になっても1〜2日で済むようになりました。すこしずつ体のだるさが軽減されていき気分に体調がひっぱられないようになっていきました。肩こりもかなり減りました。その中で以前はいろいろなことに落ち込みがちだったのを「過ぎたことは過ぎたこと、今は今」と頭をきりかえていけるのも早くなりました。薬であまり考えないようにしていたのですが、今は薬を飲まず、考えても落ち込まず、冷静に落ち着ける時間が増えた気がします。仕事も抱えすぎずしんどくならないようにこなせるようになりました。本当にありがとうございました。
以上

田丸さんはたんなる月経前症候群(PMS)だけでなく抑うつ状態にあったようです。心療内科では簡単に薬がでますが、私はちょっと疑問に思っています。日本うつ病学会が今年7月にうつ病の治療指針を出し安易な抗うつ剤の使用をいましめています。詳しくは7月31日付けのブログをご覧ください。
http://yuisuita.sblo.jp/archives/20120731-1.html

自筆のアンケートの回答はこちらから
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※治療例は個人情報保護の観点から、患者さんの年齢、状況を大勢に影響ない範囲で少し変えている場合があります。ご了承ください。

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2012年12月07日

線維筋痛症と診断された女子の痛みがきれいになくなりました

結(ゆい)針灸院、関西中医鍼灸研究会の藤井です。めっきり寒くなってきました。急激な温度低下で体調を崩す方が増えています。お気をつけください。
12月30日日曜〜1月4日金曜をお休みさせていただきます。

◆線維筋痛症と診断された女子の痛みがきれいになくなりました。

篠原(仮名)さんは10代前半の女の子です。身体のあちこちが痛いと訴えて来院されました。某大学病院に通院していてそこでは「線維筋痛症かもしれない」といわれています。
線維筋痛症は日本線維筋痛症学会によると「原因不明の全身の疼痛、不眠、うつ病のなどの精神神経症状、過敏性大腸炎、膀胱炎などの症状を主症状とする病気」とされています。マスコミでは「線維筋痛症の患者さんが、いろいろ医者をあたってみたが、どこでもうまくいかず線維筋痛症の専門医に行ってやっと救われた。」というたぐいの物語が流されることがありますが、あれは半分はウソです。たしかに患者さんの症状は改善したかもしれませんが、線維筋痛症の専門医といっても特別な治療法があるわけではありません。お医者さんごとに工夫しながらやっているというのが実態です。針灸は線維筋痛症によく効きます。線維筋痛症診療ガイドラインでもエビデンスUa 推奨度B(推奨度Aの治療法はないのです)と最高位になっています。
篠原(仮名)さんは9月から治療開始、第1回目の治療のあとはすぐに眠くなり、いつもより長く眠りました。そして大量の排便。病的な緊張状態がほぐれ身体の内部が動きだしました。3回ほど治療すると膝以外の関節の痛みはほぼなくなってきました。2ヶ月で痛みはなくなり、お母さんから以下のようなアンケートの回答をいただきました。

回答
5月頃より体のあちこちの関節に痛みを訴え、体のだるさもあり1学期の後半は保健室で休むことも多かった娘ですが、9月にこちらに通わせて頂くようになってから、徐々に痛みもなくなり体もずいぶん楽になったようです。お蔭様で今は元気に学校に通っています。まだ体に不調はありますが、こちらで治療して頂いて本当に痛みが無くなって大変感謝しております。以上
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※治療例は個人情報保護の観点から、患者さんの年齢、状況を大勢に影響ない範囲で少し変えている場合があります。ご了承ください。

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2012年07月31日

うつ病の治療指針 日本うつ病学会

結(ゆい)針灸院、関西中医鍼灸研究会の藤井です。
7月27日の朝日新聞1面に「うつ病 初の治療指針」との記事が掲載されました。日本うつ病学会が医師向けの治療指針をまとめたもの。指針は下記で見ることができます。http://www.secretariat.ne.jp/jsmd/0726.pdf
内容を一部要約すると以下のようになります。私の要約ですから朝日新聞の記事とは異なります。

◆要約 うつ病の治療指針

従来は軽症も中程度のうつ病もひとくくりにして抗うつ剤が効くとして薬をだしてきましたが、じつは軽症うつ病では薬が本当に効いているのかわからないことも多く、効く効かないと意見も分かれています。副作用のこともあるので安易に抗うつ剤等をださないようにしてください。抗うつ剤を使う場合でも漫然と長期に使用しないでください。患者さんの話をよく聞き、家族とも話をして患者さんの全体像をつかんでください。患者さんにしっかり寄り添い、気持ちの支えになるようになることが大切です。
中程度から重症のうつ病も1種類の抗うつ剤を使うことを基本として、多くの種類の抗うつ剤を使わないようにしてください。いわゆる多剤併用はしないこと。多剤併用に何の医学的根拠もありません。
若者の軽症抑うつ状態の一側面をきりとったいわゆる新型うつ病はマスコミ用語であり、精神医学的には深く研究されていないのでここではとりあげません。要約以上
いわゆる新型うつ病を若者の軽症抑うつ状態と表現していますから、文脈からいくと軽症うつ病以上に安易に抗うつ剤等をださないようにということになります。

私は抗うつ剤等が多剤併用されているうつ病の患者さんを毎日のようにみています。今回の治療指針の方向で精神医療が変わっていくことを本当に切望します。

◆専門家の皆さんへ
専門家、針灸学校学生の皆さんは是非、治療指針の原文を読んでください。61ペ−ジありますが、軽症うつ病については25ページまでです。臨床でよくみるのは、軽症うつ病ですから最低限そこまでは読んでください。
専門誌 中医臨床 6月号通巻129号に私の論文「督脈と奇経を組み合わせたうつ病、双極性障害、パニック障害の治療」が掲載されています。治療指針を読まれた後にどうぞお読みください。より深く理解できます。
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2012年07月04日

ストレス脳の診断してみませんか。研究のためですから検査料はいただきません。

結(ゆい)針灸院、関西中医鍼灸研究会の藤井です。ストレス脳の共同研究をはじめました。

ストレス脳とは脳の使いすぎなのが原因でストレスに過敏に反応し、オーバーヒート気味の脳のこと。ひどい肩こりや頭痛、腰痛に隠れていることもあります。自律神経失調症やパニック障害、うつ病や双極性障害なども含まれます。

日本大学医学部・脳神経外科学系 酒谷 薫教授とストレス脳を改善する鍼灸治療の共同研究をすることになりました。
酒谷 薫 先生は2012年5月15日放送のたけしの「みんなの家庭の医学」に出演、ストレス脳についてわかりやすく解説されています。解説は以下から
http://kenko.asahi.co.jp/broadcast_dtl.php?broadcastId=84

近赤外分光法、near‐infrared spectro-scopy(NIRS)、光で脳機能を測定する技術を用いて、脳のストレス状態を計ります。一定期間の鍼灸治療の後、再度計測、治療で脳の血流がどう変化したかを調べる研究です。研究の一環として鍼灸治療に関係ない方の計測をする場合もあります。
鍼灸治療をするとたしかに患者さんはよくなっていきます。けれどどの程度よくなっていったかは患者さんの感覚、楽になった感じに頼るしかありませんでした。ストレスを判断するのは、脳の前頭葉です。NIRS(ニルス)は脳のストレス状態がどう変化していったのかを光を使って客観的に画像で計測することができます。ストレス改善、ストレス性の病気改善の客観的指標となる可能性があります。
光を額にあてるだけですから安全です。痛くもかゆくもありません。レントゲンの被爆のような危険もありません。

◆ストレス脳の診断してみませんか。研究のためですから検査料はいただきません。

7月15日日曜 午後2時30分〜6時頃まで日本大学脳神経外科の竹村先生がNIRS(ニルス)の機器を使い当院でストレス脳の診断を行います。ご希望の方はお申し込みください。竹村先生は酒谷先生の研究室の方、NIRS(ニルス)研究のベテランです。
15日に来れない方も、お申し込みください。15日以降は当院に設置されたNIRS(ニルス)の機器を使い院長藤井やスタッフが随時、検査していきます。日時は後日、直接連絡の上ご都合に合わせて決めていきます。当面、検査するのは以下の方とさせていただきます。

1.結(ゆい)針灸院に過去にかかったことのある患者さん。現在、治療を受けている人も含みます。
2.結(ゆい)針灸院に1ヶ月以内にかかる予定のある方。
3.関西中医鍼灸研究会の会員の方。

☆Eメール mogusa@yuisuita.jp
までメールで申し込んでください。15日日曜を希望の方はその旨、明記ください。ただしご希望多数の場合はご希望に添えない場合もございます。その場合、後日検査します。
☆電話06-4307-3810まで申し込みのお電話ください。15日日曜を希望の方はその旨おっしゃってください。
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2012年06月25日

パニック障害の治り方

結(ゆい)針灸院、関西中医鍼灸研究会の藤井です。梅雨の間の貴重な晴れ間、いかがお過ごしですか。

香川(仮名)さんは30代後半の会社員の女性です。PC作業中心の仕事、2ヶ月前に続けてパニック障害の発作をおこしました。1度目は通勤電車の中で気分が悪くなり、自宅へ戻りました。2回目は昼食の後、気分が悪くなり早退。それ以来、昼食が食べられない状態が続くようになりました。頭がふらつき、首もこります。
2回ほど治療すると食欲が出て、食事がおいしく感じるようになってきました。週1回の治療を3回ほど続けると、首も楽になり、ふらつきも消えました。首がこってくると調子が悪くなるということなので、週1回ほどの治療を1年ほど続け、会社の移転を契機に卒業していかれました。
アンケートには「よい効果があった。少し苦痛があるがずいぶん楽になった。」と回答され、「疲れが出るとふらつきが出るくらいです。」とコメントされていました。
「症状が落ち着いていますが、また悪化しそうな時にはすぐに通院しようと考えております。」とも書かれていました。
「悪くなったら結(ゆい)さんに行けばなんとかなる。そう考えると不安がなくなる。」という声はよく聞きます。世の中、まったく不安のない状態というのはそうそうあるものではありません。3.11以降は特にそうでしょう。パニック障害になった患者さんは、正常範囲ともいえる不安と病的不安の区別がつきにくくなっていらっしゃるようです。結(ゆい)さんに行けばなんとかなるという思いが不安解消に役立っているならば治療家としてはうれしい限りです。
香川(仮名)さんの自筆のコメントはこちらから。
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※治療例は個人情報保護の観点から、患者さんの年齢、状況を大勢に影響ない範囲で少し変えている場合があります。ご了承ください。

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2012年06月04日

退職を早まらないで、気持ちも気分もかわります

結(ゆい)針灸院の藤井です。
☆退職を早まらないで、気持ちも気分もかわります

30代の事務職の女性が1ヶ月前から体調がおかしいと来院されました。ある日、自宅で急に手足の力がぬけてから、気分が落ち込むようになったとのこと。理由もなく不安になります。朝はとくに気分が落ち込みます。咳もあり、息が吐きにくく、のども耳もつまります。肩こりもひどくなりました。
2ヶ月前に激しい咳が続き、今も軽い咳が続くのが気になる様子。気管支炎のないことは医療機関で確認済み。西洋医学では心因性の咳と呼ばれる咳です。中医学では肝気上逆(かんきじょうぎゃく)の咳です。
1年前に結婚されたという新婚さんでした。ただ結婚後は夫の遅い帰宅にあわせて就寝するようになり、睡眠時間が6時間から4時間に減りました。寝つきが悪くなったため実際はもっと少ししか眠っていません。
「広い世界、自分が生きているのに何の意味があるのかしら。」「仕事が合ってないのかなあ。」とおっしゃるのを「退職はしないでください、どうしても休みたいなら休職にしてください。」と思いとどまってもらいながら治療開始。2回で眠れるようになり、気持ちも少し落ち着いたようなので、睡眠時間を6時間にもどすようお願いしました。
1ヶ月半9回で症状はほぼ消失。2ヵ月後には肩こりも感じなくなり、時々再発していたのどのつまりも消えました。
先日、久しぶりに来院されたときは「あの時は仕事をやめようなんて、なんてバカなことを思ったんでしょう。」と笑っていらっしゃいました。結(ゆい)には彼女のような患者さんがよくいらっしゃいます。そして彼女のように治っていかれます。
気分と身体が重く沈みこむような時は温かい朝食をとるよう心がけてください。食べられないときは温かい飲み物でも結構です。彼女もパン、ヨーグルト、バナナのみの朝食だったのですが、温かいものを加えてもらったところ、午前中ぼんやりするのがずいぶんよくなりました。

※治療例は個人情報保護の観点から、患者さんの年齢、状況を大勢に影響ない範囲で少し変えている場合があります。ご了承ください。

暑くなってきました。写真は万博公園の日本庭園内の滝
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2012年04月16日

認知症の治療、治りやすい症状と治りにくい症状

結(ゆい)針灸院の藤井です。認知症の症状には中核症状と周辺症状があるといわ
れています。中核症状とは脳の病変からくるもので記憶障害や自分のいる場所や
時間がわからなくなったり、うまく考えられなくなったり、計画的にものごとを
実行できなくなったりする症状のことです。
一方、幻覚を見たり、妄想を抱いたり、暴力をふるったり、徘徊したりといった
行為は周辺症状です。近頃はBPSDと呼ばれることもあるようです。私が治した経
験では鍼灸は周辺症状によく効きます。1回で効果を実感できるでしょうし、数
回の治療でだいたい収まってきます。暴力をふるったりしなくなるので介護がや
りやすくなります。春は気が上昇しやすい季節のため、周辺症状がひどくなるこ
とがあります。信頼できる鍼灸院へ連れて行ってあげてください。
周辺症状は認知症患者さんへの無理解、回りの不適切な扱いからひどくなる面も
あります。患者さんの性格、それまでの生活、生きてきた時代、歴史を知り、患
者さんをまるごと理解し受け入れることが大切です。
まあこうやって書くだけなら簡単なのですが、実際はなかなか大変。ましてや自
分の親や義理の父母となるとさまざまな感情がからみ一筋縄ではいきません。介
護している家族の方も時々は鍼灸治療をうけて疲れを癒してください。

ホームページは http://yuisuita.com
耳鼻のどの専門サイトは http://hari.yuisuita.com
携帯用ホームページは http://yuisuita.msc.ms2.jp/

写真は15日日曜の万博公園のチューリップと桜。チューリップはこれからが見ご
ろです。
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2012年03月28日

春の陽気が上昇、首や肩の痛み、めまいや不安感、大丈夫ですか

3月26日月曜から火曜にかけて昼間の気温があがりました。春の陽気の上昇です。陽気が動き出すと、出かけたくなったり、なんとなくウキウキしたり、恋の感情が強くなったりします。結構なことですが、具合の悪いことも人によってはおこります。動き始めた身体の気の流れを夜の冷気や強い風で冷やしたりすると首や肩の痛みに変わります。自律神経の調整がうまくいっていない人はめまいや不安感、不眠に苦しめられます。足を暖めてください。睡眠をたっぷりとってください。不調の原因は気候にあると自分に言いきかせてあげてください。もちろん早めの針灸治療が一番です。

奈良県五條市西吉野町 賀名生(あのう)の里の梅林。私の好きな梅林です。 今が見ごろのようですが、今年はいけるかな。
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2012年03月11日

ボランティアは自分も救う

☆ボランティアは自分も救う

「子どもさんの割烹着も作れるようになったんですよ。」と患者さんが微笑みました。患者さんは40代の女性です。東日本大震災の被災者から要望のあったものを手作りして届けるボランティアをされています。体調がよくなって手の込んだものを作れるようになったと嬉しそうに話されます。
1ヶ月前の初診の時は、めまい、ふらつきや疲労感がひどく昼まで寝込む暮らし,起きていられる時間が短いため1食たべるのがやっとという状態でした。数年間うつ病に苦しんでいらっしゃいました。今は朝から起きれるようになり、家事も少しずつこなせるようになってきました。しんどい時から続けていたボランティアの手芸でいろいろなものを作れるようになったのが何よりうれしいとのこと。人の助けになることが自分も救う、被災者からの感謝の便りが患者さんの回復の助けになっています。
阪神大震災の時も「神戸がバングラディシュになった」といって私の周辺の若者たちが神戸に駆けつけていました。被災地神戸の人々が助け合う雰囲気に当時のバングラディシュにあった貧しい人々の助け合いと同じ魅力を感じたからです。青年海外協力隊でバングラディシュに行った経験ある若者たちでした。

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写真は2011年4月東日本大震災の被災地 離島野の島で下校する子どもたち
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posted by ゆい at 08:14| Comment(0) | TrackBack(0) | うつ、パニック障害