2020年05月28日

感染していない人同士の接触をさける政策ではなく感染した人と感染していない人の接触をさける政策を

児玉龍彦先生(東大先端研がん代謝PT)のお話は 納得がいきます。下記のユーチューブ動画は 児玉先生がしゃべっていて経済学者の金子先生(立教大特任教授)が少し質問するという構図です。

児玉先生は台湾、中国、韓国のモデルを「大規模検査、隔離、GPS追跡」という東アジア型と名付け、日本も見習うべきと主張しています。「日本は非常に古い対策モデルから抜け出せていない」という批判もされています。

新型コロナ対策「検査、隔離、GPS追跡」の東アジア型を 日経ビジネス 2020/04/17
https://business.nikkei.com/atcl/gen/19/00002/041701182/

今回の動画で驚いたのは図にあるように今回の新型コロナはIgM抗体の反応が遅く弱いという事実です。新型コロナウイルスはたぶんワクチンがつくりにくいだろう、できるとしても重症化を抑えるワクチンになるだろう、でもワクチン開発に時間がかかっても、抗ウイルス剤でなんとかなる、エイズも抑え込めているということも言われています。
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何より共感したのは「感染していない人同士の接触をさける政策ではなく感染した人と感染していない人の接触をさける政策を」「接触が不可避なところ(病院、介護施設、ライフライン)の感染防止策を」というところです。大規模自粛はそうそう続けられません。大規模検査で感染者をあぶりだし、隔離 治療していくことが経済と感染防止を両立させる道でしょう。
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各大学が政府とは関係なく大規模に高水準の検査をできる精密機械を入れつつあります。写真も一日に500人の精密な抗体検査ができる東大の機械です。「民間のお金で精密検査機器が大学に入りつつある。若い人(研究者)ががんばっているのが希望だ」と児玉先生。専門家のみなさんは もう一度 抗原抗体の関係や免疫について頭の整理をするにも最適な動画です。
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コロナと闘う戦略図〜抗体検査で見えたこと 日本人には類似の「免疫」?【新型コロナと闘う 児玉龍彦×金子勝】20200516

https://www.youtube.com/watch?v=8crwEQN_DbA

2020年05月14日

家庭内隔離のやり方

結(ゆい)鍼灸院院長の藤井です。結(ゆい)は5月7日から治療を再開しています。当初は19日火曜でいったん閉めるつもりでしたが、そのまま開けることにしました。大阪の感染者が比較的 少ないのと、何より おつらい患者さんの治療を中断できないと考えたからです。7日以降の新規の患者さんの治療も始めています。21日木曜は臨時休診させていただきます。

☆家庭内隔離のやり方

5月7日から私は家庭内隔離を再開しました。もちろん新型コロナ感染症に感染したわけではありません。外で患者さんに接する私は、感染している可能性があると考えて家族と暮らすようにしています。
「自分はテレワークをしているのだが、夫が普通に外回りの仕事をしている」「仕事で京都に通勤しているが、年老いた両親と同居している」といった声をよく聞きます。どのように暮らすか。あくまで私のやり方ですが、参考になさってください。2月頃から家庭内隔離はやっています。

◆すいている電車に乗る

時差出勤を私もスタッフもしています。そのためできるだけ10時からのご予約をお願いしています。ただつまっているときは9時半からもとっています。予約人数を絞っているため予約がつまりやすいのです。治療室に入る患者さんの数を減らしています。

◆服を洗濯しやすいものにする

通勤の服をひんぱんに洗濯しやすいものにしました。結(ゆい)の南側ベランダはすごく日当たりがいいので、通勤の服もバックも日に当てて日光消毒しています。ウイルスには有効です。
※南側に建っていたマンションの販売所が4月になくなり、以前のようにコインパーキングになりました。日当たりと風通しが一段とよくなりました。

◆服は部屋に持ち込まない

通勤着は玄関にかけています。クローゼットに入れるのは洗濯の後です。靴底もアルコールで消毒しています。自宅ドアノブに触れる前に携帯用アルコールスプレーで手を消毒します。

◆食事前には頭と手と顔を洗う

手と顔に加え、短髪の私は頭も洗います。結(ゆい)で着ているユニフォームは昼食前には着替えています。自宅でもペーパータオルを使っています。ペーパータオルは結(ゆい)と同じように足で開けるタイプの蓋つきのゴミ箱に捨てています。使用済みマスクはビニール袋に密閉して捨てます。マスクは汚染物と考えてください。マスクの表には触らないでください。
バリカンを買って、妻に散髪してもらうようになりました。緊急事態宣言以来 すでに3回 散髪しました。妻の腕も毎回 上がっています。自宅に戻った時はすぐに入浴し、全身を洗います。
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買ったバリカンです。強力モーターでさくさく刈れます。アメリカ製です。

◆寝室は別にする、食事も

以前 息子が使っていた部屋が今は仮に、私の部屋になっています。休日も大半はそこで過ごします。リビングに行くときはマスクをします。食事も家族とは別ですがスカイプ等を使い、顔をみて話しながら食べています。結構 新鮮です。
テレビのニュースもパソコンで見るようになりました。
非常事態宣言から しばらくして紙の新聞をやめました。朝日と日経をとっているのですが、両方とも電子版をパソコンでみています。リビングで漫然とテレビをみることがなくなったので本を読んだり、文章を書いたりすることが増えました。できなくなったことを悲しむのではなく、新たな変化を楽しんでいます。
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自宅のPCの前に置いた食事用のトレイです。

2020年05月13日

Zoomで直接交流 武漢で治療にあたった中医師と

結(ゆい)鍼灸院は7日から治療を再開しています。今号は専門家向けです。一般の方には漢方薬や鍼灸は慢性病のものと思われがちですが、じつは違います。伝染病の中で鍛えられてきているのです。

☆Zoomで直接交流 武漢で治療にあたった中医師と

関西中医鍼灸研究会 世話人の藤井正道です。私が評議員を務めている日本中医学会は武漢で新型コロナウイルス感染症の治療にあたった中医師(主に漢方薬)とZoomで直接 交流し、勉強しています。その交流会の記録が2つ、日本中医学会のHPに掲載されています。会員以外の方も見ることができるので、どうぞご覧ください。
https://jtcma.org/news/2914

◆王三虎先生 Live 交流会の記録より
※は私の注釈です。

中国には様々な名医が生まれたが、その中でも最も有名なのは張仲景。それは張仲景
が伝染病と闘った医家の代表だからである。東漢(後漢)の終わりに張仲景は伝染病
と闘った。伝染病の治療をメインにまとめた『傷寒論』はいまだに大きな影響をもた
らしている。大きな伝染病の予防の中で、中医学は欠かせない。

なぜ新型コロナウイルス患者の中にサイトカインストームを起こす人がいるのか?個
人的にはこれは風邪(ふうじゃ)によるものではないかと考えている。風邪に毒が合わさると、とても質の悪いウイルスとなる。中略風邪がもっとも重要な存在である。麻黄・紫蘇葉・葛根の祛風散寒の薬を用いることが大変重要である。

清肺排毒湯が素晴らしいのは、寒と熱のどちらにも対応しているからである。今回の
コロナウイルスの特徴は、風邪に寒邪・熱邪・湿邪が加わっている点である。
※清肺排毒湯は新型コロナ感染症のために中国て゛新たに処方された漢方薬です。

「どんな証・体質の人が新型コロナウイルスに罹りやすいか?」
基本的には正気不足である。
それから、痰飲・湿邪の人も罹りやすいと考える。中国の生活習慣で水分を摂りすぎる、
果物を食べすぎる、場合によっては水分を多く摂ると健康になるということも流行ってい
る、無理やり点滴するといったこともやる人もいる。そのようなことで体の中に痰湿をた
めてしまっている人は、今回のコロナウイルスに罹りやすいのではないかと思う。
※痰飲・湿邪の人とは、いくつかの意味がありますが、肥満もそのひとつです。いずれにせよ食べ過ぎ 飲みすぎは今回の新型コロナ感染症では特によくありません。

◆劉清泉先生 Live 交流会の記録より

軽症の場合は難しくない。7〜10 日程度で悪化して重症化するか、回復していくかが分
かれる。武漢では軽症者は仮設病院で治療した。しっかりと隔離して治療。
軽症・普通型を重症化させないのが中医学を使うポイント。
15%くらいが重症化する。この場合 3〜5 日間で発病する。軽症⇒重症化する場合、7
〜10 日くらいのタイミングで悪化する。なぜ 7 日くらいかかるのかというと、「湿」が
あるからである。※湿邪はしつこいとイメージされています。
中医学的な視点では、舌診を重視する。舌色は暗・紫・紅・絳となる。舌体は胖大、舌
苔は厚膩苔が多い。重症化した時のポイントとなる。

参加者の質問「米国やイタリアなどと比べ、中国で死亡者が少ないのはなぜか?」
実際に死亡者は少ない。何よりも早期治療と早期隔離が良かったのだと考える。そして重症者と軽症者を分けて隔離して、積極的に治療を行うことが良かったのだろうと考える。武漢では最初西洋医学を中心に治療をしていたが、そのうち中西医結合(※漢方薬などを併用すること)となった。さらには自分の患者については中医学メイン(※漢方薬メイン)で積極的に治療した。それによって軽症・普通型の患者が重症に移行する数が減った。それによって重症患者への治療に集中できるようにもなった。重症患者に対しても中西医結合で総合的な治療ができたので、死亡数を減らすことができた。
以上
日本の感染症専門家といわれる人々はZoom等で中国、台湾、韓国 新型コロナ感染症の収束に成功した国の人々と直接交流しているのでしょうか。たぶん やっていないのでしょうね。成功に謙虚に学ぶのが出発点です。
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2020年05月06日

韓国は新型コロナ感染症を都市封鎖なしに収束させていた

韓国は新型コロナ感染症を都市封鎖せずに収束させました。私は5/2の朝日の記事を読むまで、韓国は都市封鎖をしたものと思い込んでいました。カルト教団による集団感染が発生し一時は国内感染者の約9割が集中した大邱(テグ)市の権泳臻(クォンヨンジン)市長は「ほぼ全ての店が自ら営業をやめ、非常事態を宣言せずに済んだ。市民が自発的な『都市封鎖』を選び、防疫の主役となったのです」と語っています(5/2朝日新聞)強権的な都市封鎖はなかったのです。もちろん大邱(テグ)市以外はもっとゆるやかでした。

「市内の(カルト教団)信者は約1万人に達します。発生から3日目には全員を隔離して検査を受けてもらうと宣言しましたが、感染のスピードの方が速かった。2月23日に1日あたりの感染者が100人を超え、29日にはピークの741人に。結局、市全体で7千人近い感染者が出るとは思いも及びませんでした」
 ――信者全員の検査は実現したのですか。
 「1カ月以内に終えました。信者以外にも、重症化や死亡リスクが高い高齢者が入居する施設などでは症状が出ていない人にも先んじて検査を実施し、1日最大7千件近く、累計で10万件に及びました」
 「多くの検査をしなければ感染者数は急速に増えなかったはず。病床も十分にないなかでは検査を遅らせるべきだとの声もありました。ただ、世界のどこにも治療の教科書も薬もない感染症です。一刻も早く大勢の人を検査をして隔離するしか方法はなかった」以上 5/2朝日新聞の権泳臻市長インタビューから。
約250万人の都市で10万件の検査が行われています。

圧倒的なPCR検査のほかに、韓国がとった戦術はITの活用です。防犯カメラ、クレジットカードの利用歴、車やスマホのGPS等を活用し、感染者の足取りを徹底的に追跡しています。その結果を、ネットで迅速かつ詳細に公開、近くで新たな感染者が出るとスマートフォンに通知。感染者のうち軽症者は、軽症者用施設で隔離。自宅隔離の場合は、GPSで行動管理します。このビデオの中で韓国は都市封鎖をしないで新型コロナ感染症を収束させたことをヨーロッパ諸国の都市封鎖と対比しながら誇っていました。韓国方式は世界から賞賛され、PCR検査キットは輸出されています。嫌韓の安倍政権が輸入することはないでしょうが、輸入すれば日韓関係修復のいいきっかけになると私は思っています。何より日本が助かりますが、韓国の民衆が日本に優越感をもてば「何がなんでも妥協できない」といった心情は和らぐでしょう。対日感情が和らげば、4月の選挙で新型コロナ対策を評価され大勝した文在寅(ムン・ジェイン)政権の選択肢が広がります。
出口戦略を模索する日本が韓国から学ぶものは多いでしょう。
以下は韓国の新型コロナ感染症対策を紹介する動画です。PCでみると、韓国語字幕の自動形成->自動翻訳ができるので、概要はわかります。
https://www.youtube.com/watch?v=xO8fC4QcGOc&feature=share&fbclid=IwAR1k_Kp0khhvziPaDRG4kZQvImK4YJrDybpnXhyTtQhSZiGvGA2O-vS71fM
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2020年05月05日

台湾、中国、韓国に学ぶ 新型コロナ感染症対策

本日の日経新聞に「アナログ行政、遠のく出口」という記事が載りました。
以下に一部を引用すると
いち早く感染を封じ込めた台湾と韓国。成功の要因には、ビッグデータやスマートフォンの積極活用がある。台湾は公的保険や出入境管理などの記録を結びつけ、感染リスクがある人を素早く発見し、スマホで健康状態を監視した。韓国は人工知能(AI)などを活用し、検査の大幅な拡大につなげた。濃厚接触者の発見や監視などもスマホを活用する。こうした取り組みは出口戦略でも大きな武器になっている。以上 引用終わり
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台湾と韓国だけでなく、ここに中国も加わります。東京大学の児玉龍彦名誉教授は台湾、中国、韓国のモデルを「大規模検査、隔離、GPS追跡」という東アジア型と名付け、日本も見習うべきと主張しています。「日本は非常に古い対策モデルから抜け出せていない」という批判も。私は児玉先生に賛同します。

新型コロナ対策「検査、隔離、GPS追跡」の東アジア型を 日経ビジネス 2020/04/17
https://business.nikkei.com/atcl/gen/19/00002/041701182/
一部 引用すると
 外出自粛は一過性の患者減らしで、時間稼ぎにすぎません。また緩めると患者数が増えます。みんな自粛は2週間程度かなと勘違いしているようですが、最低でも3カ月はかかります。大規模検査をして院内感染を防ぐと同時に、どこが感染集積地なのか把握して手を打たなければなりません。
 中国は感染集積地域である武漢を封鎖しましたが、非感染集積地域ではPCR検査や個人のGPS追跡などで、感染を個別に封じ込めているんです。
 中国はこのウイルスの性質をよく分かっています。そんなに感染しやすいウイルスではないけれど、症状がない人も多いので検査しないと分からない。だから検査を徹底してやる。しかし、都市を全部封鎖すると経済の活力がなくなってしまうから、非感染集積地域では個別にGPS追跡をしながら経済活動を維持する。このようにメリハリをつけています。
以上 引用終わり

中国は感染収束し経済活動を再開していますが、スマホに「健康コード」を入れ個人の健康状態を管理しています。オフィスビルや商業施設に入る時に個人の「健康証明」が求められ感染防止に役立っています。3/12の朝日新聞によると以下のようになります。
利用者がスマホのアプリに身分証番号などの個人情報を登録すると、その人が感染しているリスクが緑、黄、赤の3段階で示される。判断の基準は明確に説明されていないが、家族関係や移動履歴などのデータから、感染者との濃厚接触の可能性や感染地域への出入などをはじき出す仕組みとみられる。
 利用は強制ではないが、登録しないと職場に復帰できなかったり、店舗に入れなかったりすることがある。以上 3/12の朝日新聞

日本のクラスター対策はアナログでしかも人員も少ない。大阪の保健所は自民党、維新の府政の中で人員も数も減っています。これに対し例えば上海市CDCの追跡調査は2,000人投入してクラスター対策、濃厚接触者捜しをしています。24時間体制で出動準備し、24時間体制でPCR検査です。しかもスマホアプリ、監視カメラ等IT技術をフル活用しています。
政府の専門家会議が4日 感染拡大防止のための「新しい生活様式」を出しました。「誰とどこで会ったかをメモする」という箇所には笑ってしまいました。知人からしか感染しないのでしょうか。やっと日本でも感染防止アプリが開発されます。台湾、韓国、中国に謙虚に学びましょう。私たちはIT途上国に住んでいます。

「アプリで接触計測」5月から データ解析で感染防止 5/1日経新聞
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO58679000Q0A430C2PP8000/

※医療用カルテも台湾と中国はそれぞれ統一された電子カルテです。薬の有効性の分析も統一電子カルテならできます。ビックデーターが日々 蓄積されています。AI診断も導入されています。

2020年04月24日

新型コロナ感染症対策。東洋医学的に気を付けること。

非常事態宣言、自宅籠城17日目 関西中医鍼灸研究会世話人、結(ゆい)鍼灸院 院長の藤井です。Zoom等で専門家向けの交流会や勉強会が開かれています。
中国 武漢で新型コロナ感染症を治療した医師だけでなく日本で新型コロナ感染症患者を治療した医師の話、相談を受けた薬剤師の話などを直接聞くことができました。

◆かかったかなと思ったときは電話相談をお受けします。

風邪か新型コロナ感染症かかったかなと思っても、医師にすぐ見てもらうことはできませんし、帰国者接触者外来に電話はなかなかつながりません。私は新型コロナ感染症を治療することはできませんが、アドバイスはできます。
現在 通院中または約1年以内に通院された患者さんからの電話相談を新型コロナに限らず平日10時 から15時の間にお受けしています。申し訳ありませんが1人15分以内とさせていただきます。水曜・土曜・日曜祝日はのぞきます。
最初は電話からですが、できればFace Timeやスカイプでお顔を見ながらお話できれば、より適切に助言できるでしょう。顔色や舌の様子も拝見したいのです。
質問事項を結のホームページの問い合わせフォームから事前に送ってもらうのも大歓迎です。

◆肥満、食べ過ぎに注意!

今回の新型コロナウイルスは中医学では湿毒疫(しつどくえき)といわれています。湿邪(しつじゃ)が関係しているため、肺と脾(消化器系全般のこと、西洋医学の脾臓とは違います)を元気にしておくことが大切です。予防のためにも 感染した時に重症化しないためにも、過労をさけ胃腸の調子を整えるのが大切です。自宅にいる人は食べ過ぎに注意してください。ストレスからつい甘いものに手が出てしまうかもしれませんが、節度を保ってください。

◆合谷 足三里にお灸、おへそを温める

肺と脾を元気にするためには合谷(ごうこく)と足三里(あしさんり)にお灸、おへそを温めてください。お灸は跡のつかないタイプでかまいません。結(ゆい)でも売っていますが、今は閉めているのでネット通販をご利用ください。合谷と足三里の位置はネット検索すればすぐに画像が出てきます。
おへそは湯たんぽで温めてください。使い捨てカイロでもいいです。眠りにくい人は足裏を湯たんぽで温めてください(足がほてる人は除きます)
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◆非常事態宣言のため結(ゆい)鍼灸院は閉めています。5月7日から開ける予定です。

非常事態宣言は続くかもしれませんが、患者さんの強い要望もあるため5月7日から開ける予定です。当分の間は開けますが、感染症の拡大状況によっては再度 閉める場合もありますので、おつらい時は早めにご来院ください。電話予約、ネット予約を受け付けています。
患者の皆様、スタッフと私の感染防止のためです。ご理解お願いします。

中国では新型コロナ感染症はほぼ収束しています(第2波の警戒は続いていますが) 中医学(漢方薬と鍼灸)は軽症者を重症に移行させない分野で主に活躍しました。高度な医療を必要とする患者さんを少しでも減らしていこうという戦略です。
全世界の中国人留学生142万人には政府から「コロナ予防健康セット」が支給されていました。これにはマスク等のほかに、感染初期に使う漢方薬も入っていました。日本でも漢方薬と鍼灸が新たな感染症に使われるシステムになって欲しいものです。
もちろん現状では無理です。将来も街の鍼灸院がそのまま新しい感染症を治療するのは無理です。中国のように新型コロナ感染症専門病院の中で防護服を着て治療する形が望ましいでしょう。
風邪、インフルエンザ、新型コロナウイルス感染症の初期の症状は似ています。区別できません。そのため結(ゆい)鍼灸院での風邪の初期の治療は当分の間やめます。
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2020年04月19日

高すぎる湿度+密閉でウイルスの感染性は高くなります。自宅隔離で気を付けること。

非常事態宣言、自宅籠城12日目 関西中医鍼灸研究会世話人、結(ゆい)鍼灸院 院長の藤井です。
インフルエンザ予防には加湿は欠かせないと思われています。本当にそうなのでしょうか。結論からいうと適度な湿度、加湿はいいが、過度な湿度+密閉でウイルスの感染性は高くなります。新型コロナウイルスも同じです。アビガンの開発者 白木公康 千里金蘭大学副学長が主張されています。

◆新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のウイルス学的特徴と感染様式の考察(白木公康)https://www.jmedj.co.jp/journal/paper/detail.php?id=14278

学問用語を普通の言葉に直してみます。
くしゃみや咳をしても戸外では2m離れると感染しません。つばの飛沫は乾いてしまって感染させる力がなくなります。でも湿度の高い密閉された室内では数分から30分程度,感染させることができます。
加湿はのどや鼻の感染防御の働きを活発にしますが、同時に新型コロナウイルスも感染力を保ちます。これを解決するのがマスクです。部屋の空気が乾いていても、マスクをするとのどや鼻の湿度を保ってくれるからです。どの程度の室内の湿度が最適かは残念ながらこの論文には書かれていません。湿度を高くすればいいというものではない、マスクは効く、換気は大事ということです。

◆湿って密閉した室内ではエアロゾル感染しやすい

インフルエンザでは湿気の高い密室では2m離れていても,くしゃみや咳だけでなく,吐く息に含まれる1μm程度のエアロゾルさえ感染力をもって浮遊します。患者さんのいる部屋の空気を吸うことで気道に直接感染します。新型コロナでも同様のことがおこる可能性が高いのです。手から口や鼻にウイルスがつく接触感染より、気道に直接感染する方が100倍以上効率よく感染します。
3月1日に書いたブログ「個人的対処法その2」の中で、中国 江蘇省淮安の風呂屋で1月に発生した新型コロナの集団感染例を紹介しています。患者1人で44人に感染させています。中国CDCは大浴場は空気の流れが悪く、湿度も高いため、ウイルス感染の条件が整っていると言っていました。湿度が高いことがなぜウイルス感染につながるのか、白木論文を読んで納得できました。銭湯は休業要請の対象に入っていませんが、入口での検温は必須でしょう。
http://yuisuita.sblo.jp/archives/20200301-1.html

◆自宅隔離の時に大事な、換気と湿度を上げすぎないという知識

新型コロナ感染症かもしれない症状になって自宅にこもる時、「とにかく加湿」と部屋の湿度を高くする人は多いのではないでしょうか。換気はおろそかになりがちです。患者さんには楽ですが、看護する方には危険です。看護する方が部屋に入る前に患者さんに窓を開けてもらってください。
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◆自宅隔離は大きなリスクだけど

3月20日のブログで「新型コロナウイルス病 2019(COVID-19)に関するWHO-中国合同ミッション報告書の紹介と感想」で自宅での感染例を紹介しています。
http://yuisuita.sblo.jp/archives/20200320-1.html

WHOによると広東省および四川省での 1308 例(報告された合計 1836 例のうち)を含む 344 のクラスターにおいて、ほとんどのクラスター(78%〜85%)が家族で発生しています。家庭内感染は約90%防止されていますが、残り3〜10%でおこっていて、それがほとんどのクラスター(78%〜85%)となっていたのです。
武漢も当初 軽症者は自宅隔離をしていたが、家庭内感染が続発したので軽症者用の臨時病院をつくっています。中国も韓国も感染を早期に収束させたところは専用施設に軽症者、症状のない人を隔離しています。早期発見 早期隔離です。
自宅隔離は大きなリスクです。家族に感染させたら患者さんにとっても家族にとっても悲劇です。たとえ命が助かっても家族内に大きなしこりを残してしまいます。政治家や感染症の専門家のみなさんにも想像していただきたいものです。
残念ながら今の日本のシステムでは、かかったかなと思っても最初は自宅にこもるしか選択肢がありません。患者さんの部屋の換気には十分に気を付けてください。

◆非常事態宣言のため結(ゆい)鍼灸院は閉めています。5月7日から開ける予定です。
非常事態宣言の時も医療機関は開けることはできますが、外出のリスク、多くの人が自宅にこもる社会的状況等を考えると感染拡大を防止するためにも、いったんお休みした方がいいと判断しました。患者の皆様、スタッフと私の感染防止のためです。ご理解お願いします。

強い法律がなくても、しっかりした休業保証さえあれば自粛はもっと進むはずです。大阪府も、貯金(財政調整基金) 1100億円や万博やIR準備の予算をしっかり独自の休業補償に回してください。今や早期収束にお金を使うのが最大の経済対策です。
#自粛と給付はセット

2020年04月17日

新型コロナ感染症対応の医療従事者専用の宿舎を

非常事態宣言、自宅籠城10日目 結(ゆい)鍼灸院 院長の藤井です。通院中の皆様の治療を中断することになり本当に申し訳ありません。

5月7日からの再開に備え、ネット通販でスタッフ用に医療用ゴーグルを買いました。医療現場ではマスクも防護服もまったく足りていない状況ですが、ネット上では普通に売られています。マスク事情は2月から注視していました。中国の感染が収まれば、日本にも来るだろうとの予想していました。今やマスク販売の新聞広告が出ています。値段も少しずつ下がっています。
医療従事者に十分な感染防護の装備がなければ、医療従事者に感染が広がり、医療崩壊は加速します。士気は下がり、退職者も続出するでしょう。人が一番大事です。少しのお金を使えばマスクも防護服も手に入ります。
結(ゆい)はスタッフ用に十分な数のマスクを準備し半日で捨てていました。ユニフォームも余分に買い、頻繁に着替えるようにしています。

大阪市の松井市長が、防護服の代用に雨合羽を市民から募っていらっしゃいます。雨合羽を着て新型コロナ感染症の患者さんに対処する医療従事者の気持ちはどんなものでしょう。大阪市は自治体の貯金ともいえる「財政調整基金」を1630億円持っています。

【財政調整基金】不況による大幅な税収の落ち込みにより財源が不足する場合や、災害の発生による予期しない経費の支出などに備えて積み立てるもので、自治体の「貯金」のようななものです。大阪府1100億円、大阪市1630億円。

中国はどうか知りませんが、日本の看護師はやめることができます。看護師不足の今、いったん退職してコロナが落ち着いたころに就職することも簡単です。中国では感染病棟に勤務する医療従事者は専用の宿舎に入り、医療従事者の家族に感染させる危険を防ぐ措置がとられました。医療従事者の家族の家事を手伝うボランティアも組織されました。
結(ゆい)に受診していた ある看護師の患者さんは「専用宿舎が準備されるなら、新型コロナ感染症対応の部署に志願したいが、家族と同居ではうつしたくないから行けない。」と発言されていました。看護師さんの気持ちを生かせるような政策を期待します。
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◆吹田市に市役所での検温をお願いしました。

4月初めに知り合いの市会議員を通じてお願いしたのですが、再度 お願いしました。以下の文面です。
4月15日に市役所に行きました。入口で検温もされていないし、常時 換気もされていません。市役所は新型コロナ感染症対策の砦であり、職員のみなさまの感染防止は重要です。ぜひ訪問者を入口で検温して職員の皆様の感染防止に努めてください。私の鍼灸院では風邪症状の方の受診は断り、2月から検温していました。検温は訪問者の自粛をうながします。患者さんは発熱あると治療をキャンセルし、来院を自粛してくださるようになりました。緊急事態宣言以降は院を閉めています。
中国ではオフィスはエアロゾル感染防止のためにセントラル空調は止め、常時換気して仕事しています。市役所も常時 窓を開けられた方が安全です。当院も常時 換気していました。どうか検温と換気の件よろしくお願いいたします。1時間に何回か窓を開けるだけでは不十分だと思います。
※市役所は普通に窓を開けられる低層建築です。

◆5月7日分からの電話予約、ネット予約を受け付け中。お休み中も電話は通じます。
◆非常事態宣言のため結(ゆい)鍼灸院は閉めています。5月7日から開けます。
非常事態宣言の時も医療機関は開けることはできますが、外出のリスク、多くの人が自宅にこもる社会的状況等を考えると感染拡大を防止するためにも、いったんお休みした方がいいと判断しました。患者の皆様、スタッフと私の感染防止のためです。ご理解お願いします。強い法律がなくても、しっかりした休業保証さえあれば自粛はもっと進むはずです。
#自粛と給付はセット

2020年04月13日

テレワークで気を付けること

非常事態宣言7日目、自宅籠城6日目 院長の藤井です。通院中の皆様の治療を中断することになり本当に申し訳ありません。4月7日までたくさんのテレワークの患者さんたちを治療させていただきました。その時に気づいたお話です。

◆首コリ肩こりが増した患者さん

40代の男性です。出張がなくなりテレワークとなりました。仕事は以前よりはかどりますが首コリ肩こりがひどくなりました。
理由は単純でした。自宅でパソコンに張り付く時間が増えたためです。椅子の座り心地も関係しているかもしれません。適度に休憩を入れること、身体を動かすことを提案しました。「体操だけではつまらないから音楽かけて好きに踊ってもいいと思いますよ。どうせ誰も見ていませんから」と助言させていただきました。独りだからできることもあるのです。
テレワークのPCが動いているかどうか会社からチェックできるシステムの中で働いている患者さんもいらっしゃいました。いつも見られている緊張からか首コリがアップ、PCから離れたくないためにトイレもそそくさと済ませるといった状態でした。腰も痛くなってきました。
「会社も常時 チェックしているわけでもないでしょう。あなたの緊張もいつまでも続きません。慣れますよ。会社にいる時と同じように、ゆっくりトイレに行ってください。椅子はクッションで調整するか、事務用の椅子を買ってください。事務用の椅子は高さを調整できるからダイニングの椅子よりも長く座っても大丈夫なはずです。」とお願いしました。テレワークのために自宅用のノートパソコンまで会社が用意したと聞いていましたので、テレワークは続きそうです。椅子を買ってもいいのではと判断しました。環境は大事です。
※日経新聞によるとニトリはテレワークの普及に伴い、事務用椅子の需要が高まることなどから収益アップの業績予想をしているそうです。

◆Zoomの交流会、武漢で活躍する張伯礼先生のお話を聞きました、新型コロナ感染症が治った患者さんの養生についても

張伯礼先生(中国工程院院士・天津中医薬大学学長)は天津から武漢に入り、2カ月にわたって新型コロナ感染症の患者さんを漢方薬で治療されています。11日土曜の夜、日本の漢方薬を使う医師や薬剤師の先生方との交流会がZoomで行われました。張伯礼先生は武漢からの参加です。私も評議員の日本中医学会が中心になって準備したものです。中医学に基づいて漢方薬を使う話は鍼灸にも参考になります。70代と思われる張伯礼先生が新型コロナ感染症との闘いの前線に立たれている姿に感動しました。治った患者さんの養生を強調されていました。藿香生気散を使われていました。藿香生気散は鍼灸ならおへそに温灸です。おへそを10分程度 湯たんぽで温めるのを自宅でなさるといいでしょう。
張伯礼先生を報道する人民網日本語版 2020年02月26日の記事は以下から
http://j.people.com.cn/n3/2020/0226/c94475-9662136.html
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◆5月7日分からの電話予約、ネット予約を受け付け中。お休み中も電話は通じます。
◆非常事態宣言のため結(ゆい)鍼灸院は閉めています。5月7日から開けます。
非常事態宣言の時も医療機関は開けることはできますが、外出のリスク、多くの人が自宅にこもる社会的状況等を考えると感染拡大を防止するためにも、いったんお休みした方がいいと判断しました。患者の皆様、スタッフと私の感染防止のためです。ご理解お願いします。非常事態宣言とともにいろいろな要請が政府や自治体から出ると思っていたのが、ずいぶんゆっくりしていてがっかりしています。強い法律がなくても、休業保証さえあれば自粛はもっと進むはずです。
#自粛と給付はセット

2020年03月29日

お灸の煙で感染予防

中国 江西省での新型コロナウイルス感染症患者への棒灸治療の動画が届きました。2月ですから少し前の動画です。乾燥したヨモギで病室を燻蒸している様子が映っています。乾燥したヨモギ=お灸の煙は抗ウイルス作用があるとされています。

結(ゆい)鍼灸院も温灸を多用するので、いつもお灸の煙で燻蒸されています。
もうひとつは おへそに箱灸器で温灸をかけている様子です。

2020年03月27日

新型コロナウイルス感染症 世界の医療者と直接交流し治療経験を共有する試み

浙江大学医学院付属第一病院とジャック・マー氏(アリババグループ創始者)が協力して世界の医療者向けに『新型コロナウイルス感染症対策ハンドブック(Handbook of COVID-19 Prevention and Treatment)』の多言語翻訳版を無料公開しました。
中国語 英語 イタリア語 スペイン語 フランス語 日本語で書かれています。ドイツ語 アラビア語 韓国語なども近日公開となっています。
以下は日本語版です。3月26日に公開されました。
https://www.alibabacloud.com/zh/universal-service/pdf_reader?spm=a3c0i.14138300.8102420620.dreadnow.1ae9647fl5Z3gL&cdnorigin=pdf-intl&pdf=Read%20Online-Handbook%20of%20COVID-19%20Prevention%20and%20Treatment-Japanese.pdf

浙江大学医学院付属第一病院は浙江省の省都である杭州市の病院です。杭州市はアリババグループの拠点で、私も2017年に国際灸法大会に招聘され訪れています。
「現在、リソース、ノウハウ、苦労して得た教訓を共有しない限り、このウイルスに打ち勝つことはできません。」とジャック・マー氏は語っています。世界で協力して戦っていこうという姿勢には共感します。
アリババグループの黎明期に資金提供したのはソフトバンクの孫正義氏で、ソフトバンクグループの潤沢な資金はアリババグループの高騰した株式(ニューヨーク証券取引所に上場)に支えられています。

新型コロナウイルス感染症対策ハンドブックは、浙江大学医学院付属第一病院とジャック・マーが協力して設立した国際医療専門家コミュニケーションセンターの仕事のひとつのようです。
浙江大学医学院付属第一病院は、新型コロナウイルス感染症104名の患者の治療をしています。重症、危篤患者は78名です。医療スタッフ感染ゼロ、感染患者の診断見落としゼロ、危篤患者死亡ゼロという成果を上げたということです。
https://covid-19.alibabacloud.com/?365=?365#J_8102420620

国際的な治療水準を向上するため、浙江大学医学院付属第一病院はアリババと共同で「浙大一院国際医師交流プラットフォーム」を立ち上げ、オンラインのリアルタイム多言語翻訳、遠隔テレビ会議などの機能を通じて国内外の医師のリアルタイムな疫病対策経験の交流を実現し、グローバルな情報資源の共有を果たすとされています。つまり世界の医療者と直接交流し治療経験を共有しようとしています。新型コロナウイルス感染症を収束させつつある中国からの情報発信、治療経験を共有する試みは歓迎すべきことです。いがみ合い、排除しあうのではなく、共通の敵の前に手を結びあう姿勢に希望があると考えています。
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2020年03月26日

中医研通信4月号は新型コロナウイルス感染症特集号、公開しました!

関西中医鍼灸研究会 世話人の藤井正道です。機関誌 中医研通信2020年4月号を発行しました。
中医研通信2020年4月号は新型コロナウイルス感染症についての特集号です。通常は会員にのみ印刷物を配布するのですが、みんなで新型コロナウイルス感染症と戦うために今号は公開します。
http://www001.upp.so-net.ne.jp/yuihari/202004tusincorona.pdf
中医学と新型コロナウイルス COVID-19 という早川敏弘会員の力作です。2019年12 月 8 日から3月初旬までの中国での中医学と新型コロナウイルス COVID-19との戦いの詳細な記録です。中医研通信より一部 抜粋
武漢では、中医薬(漢方)が 「疑い症例」や「軽症患者」のケアにあたり、しかも
遠隔診断システムと顆粒エキス剤を用いることで、医療資源への負担を劇的に
軽減しました。中医薬(漢方)が「無症状」「疑い例」「軽症」とリハビリを担当す
ることで、西洋医学は重症者の救命に集中できて、武漢の医療システムを建て直
す時間をかせぐという発想です。一人一人の舌診・脈診による弁証論治と煎じ薬
の微妙な加減という老中医スタイルとは全く違う「IT 時代の新しい中医学」で
した。以上 中医研通信より

感染爆発が今にも起ころうとしている日本の医療関係者のみなさま、とりわけ東洋医学関係のみなさまはぜひお読みください。

※新型コロナウイルス肺炎 COVID-19 の感染拡大防止のために2020年5月の関西中医研は延期します。状況をみて 例会を再開します。

関西中医鍼灸研究会
http://www001.upp.so-net.ne.jp/yuihari/top.htm
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2020年03月22日

中国で新型コロナウイルス感染症に使われている漢方薬を日本人向けにすると

自家用車をやめてシェアカーにしてから2年ほどです。18日水曜に使ったときは使い捨てのラテックスグローブ(手袋)をはめ、車の窓を開けて乗りました。暖かい日だったから、全然 大丈夫でした。スマホがグローブのまま使えたのが新たな発見です。感染対策もいろいろ工夫するのは楽しいものです。帰宅してから、裏返しにしてマスクといっしょに袋に入れて捨てました。手と顔とスマホを洗ってうがいをするのが習慣になりました。服も着替えます。晴れた休日には通勤着を日に当てています。

☆中国で新型コロナウイルス感染症に使われている漢方薬を日本人向けにすると

日本感染症学会に金沢大学の小川 恵子先生が「COVID-19 感染症に対する漢方治療の考え方」という論文を発表されました。中国の診療ガイドラインに掲載されている生薬の処方を日本で手に入るエキス剤に置き換え、日本人向けにしたものです。

COVID-19 感染症に対する漢方治療の考え方
金沢大学附属病院漢方医学科 小川 恵子先生
http://www.kansensho.or.jp/uploads/files/news/gakkai/covid19_kanpou_0319.pdf
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新型コロナウイルス感染症に対し、中国では漢方薬も使われています。西洋薬単独より両方を併用した方がよく治っています。2月26日の私のブログの中で「葛根湯(かっこんとう)」を私と家族、スタッフ用に準備していることを書きましたが、小川先生も葛根湯等を初期治療で推奨されています。

※ブログ 結(ゆい)通信 新型コロナウイルスによる肺炎、COVID-19と風邪への個人的対処法
http://yuisuita.sblo.jp/archives/20200226-1.html

『中医臨床』2017年12月号(通巻151号)に拙文「耳管開放症と耳管狭窄症の鍼灸治療」を書いたのですが、同号には漢方薬の立場から小川 恵子先生の耳の治療のインタビュー記事が掲載されています。小川先生は結核の治療にお灸を使う「モクサアフリカ」の活動も支援されています。

☆検温と手洗いをお願いしています

2月25日から結の玄関での検温は続いています。新型コロナウイルス感染症と風邪の区別はつかないので風邪の治療はやめています。37.5度以上の方はお帰りいただきます。
風邪をひいた患者さんは、自分から電話してきて自宅療養されるようになりました。
結(ゆい)の玄関を入るとすぐ右に洗面所があります。今まではスタッフ用に使っていましたが患者さんに手を洗ってもらうことにしました。アルコール消毒は簡便ですが、やはり手を石鹸で洗った方が確実です。アルコール消毒は手が荒れやすいのですが、これも防げます。
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2020年03月20日

新型コロナウイルス病 2019(COVID-19)に関するWHO-中国合同ミッション報告書の紹介と感想 その1

電車の窓を開けようという話を書いて数日したら、電車の窓が開いていました。私が窓を開けている様子を見て、同様のことをする仲間が増えたのかと一瞬 喜んだのですが、そんなはずはない。どうやら車掌さんが開けている模様。路線によっては窓を開けてくださいというアナウンスもされているようです。

TVのワイドショーやツイッターもいいけれど、やっぱり基本は公式情報からというのが私のスタイルです。WHOの合同調査が中国で行われていて報告が厚生省のHP等に上がっています。報告書の一部を抜粋し感想を書きます。※が私の文章です。
専門家のみなさまはぜひ 全文を読むことをお勧めします。

厚労省の「日本とWHO」のページ
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/hokabunya/kokusai/who/index.html#COVID19
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に関するWHO−中国合同ミッション報告書
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)WHO公式情報特設ページより
https://extranet.who.int/kobe_centre/sites/default/files/pdf/WHO%E4%B8%AD%E5%9B%BD%E5%90%88%E5%90%8C%E3%83%9F%E3%83%83%E3%82%B7%E3%83%A7%E3%83%B3%E5%A0%B1%E5%91%8A%E6%9B%B8_20200309.pdf

中国、ドイツ、日本、韓国、ナイジェリア、ロシア、シンガポール、アメリカ合衆国、および世界保健機関(WHO)からなる 25 人の国内および国際専門家で構成されたチーム。
2020 年 2 月 16 日から 24 日までの 9 日間にわたって実施した。

◆世帯内感染
中国では、COVID-19 ウイルスのヒトーヒト感染の大部分が家族間で発生している。
広東省および四川省での 1308 例(報告された合計 1836 例のうち)を含む 344 のク
ラスターにおいて、ほとんどのクラスター(78%〜85%)が家族で発生している。世帯内感染の調査研究は現在進行中だが、広東省における進行中の予備研究からは、世帯内での二次伝播の割合は 3〜10%であると推定している。

※感想 世帯内伝播は3〜10%であると推定、つまり約90%は家庭内で感染を防いでいるということで中国のみなさん 結構 がんばっている印象。だけどクラスターの78%〜85%が家族で発生しているのも事実です。「軽症者は自宅で」と最初は中国も今の日本と同じ方針だったけれど、途中から臨時医療施設収容に切り替えています。
専門家会議が「新型コロナウイルス感染症対策の状況分析・提言」(2020 年 3 月 19 日)の中で以下のように書いているのは上記の事情を考慮したものでしょう。

症状が軽い陽性者等が、高齢者や基礎疾患がある人と同居していて家族内感染のおそれが高い場合は、接触の機会を減らすための方策を検討する。具体的には、症状が軽い陽性者等が宿泊施設等での療養を行うことや、同居家族が受診した上で一時的に別の場所に滞在することなど、家族内感染リスクを下げる取組みを行う。以上 提言より

◆接触者追跡
中国には、COVID-19 に関して感染者および接触者を識別するための非常に緻密な施策がある。例えば、武漢には、1 チームあたり最低 5 人の疫学者を含む 1800 以上の疫学チームが 1 日に数万人の接触者を追跡している。接触者のフォローアップは骨の折れる作業であり、特定された濃厚接触者は高い割合で医療観察を受けることになる。 その後、場所にもよるが接触者の 1%〜5%が検査確定例(感染例)となっている。

※感想 スマホの分析 監視カメラの顔認証等 あらゆる手段を使っている模様。感染例はネットで公開され、人々が感染に結びつく行動をとらないよう注意喚起されているようです。どこまでの監視を容認するかは その国によって違うでしょう。

◆発熱外来での検査
広東省の発熱外来では、COVID-19 ウイルス検体の陽性割合は、1 月 30 日の 0.47%をピークに、2 月 16 日までに 0.02%まで減少した。広東省全体では、約 320,000 の発熱外来のスクリーニング検体のうち 0.14%が COVID-19 陽性だった。

※中国は発熱外来を設置、おかしいかなと思ったら一般病院ではなく発熱外来に行く仕組みです。

◆医療現場および医療従事者における伝播
40,000 人以上の医療従事者が武漢での対応を支援するため中国の他の地域から配置された。個々の限られた院内感染のアウトブレイク(例えば、武漢で 15 人の医療従事者が関与した院内感染)があったものの、医療施設内および医療従事者間の感染は、中国の COVID-19 の主な伝播様式であると思われない。合同ミッションを通じて、これら医療従事者における感染のうち大部分が、この新興感染症に対する医療物資と経験がまだ少なかった、武漢のアウトブレイクの初期に特定されていたことが分かった。
さらに、医療従事者の調査では、多くが医療機関ではなく家庭内で感染した可能性が示唆された。

※感想 武漢の初期は別として院内感染は思ったより少ない。COVID-19の専門病院をつくって、一般病院と分けたのが正解だったのか。3月20日の日経新聞朝刊では厚労省は新型コロナ専門病院や専門病棟の設置を都道府県に要請するとのこと。正しい方針ですが、要請だけでは無責任。国が予算を付けるのとセットであることが必要です。
「医療従事者が医療機関ではなく家庭内で感染した可能性」を指摘されています。関連しますが医療従事者は家族にうつすことを心配しています。私も風邪をひいたら結(ゆい)にこもります。風邪か新型コロナウイルス感染症か症状からはわからないからです。医療従事者、新型コロナ専門病院スタッフは中国のように専用の宿泊施設に宿泊してもらうのが適切ではないでしょうか。
新型コロナ専門病院スタッフには特別手当もいるし、家族には家事労働の援助の家政婦さんを送るぐらいのことをやってもいいと思います。中国でも一部 行われています。対コロナ戦争の最前線に立つ医療従事者の士気を高めることが何よりも重要と考えています。新型コロナ専門病院スタッフの宿泊施設で何より大切なのは、温かくてうまい飯です。

続く
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2020年03月15日

窓開けジイサンが帰ってきた

厚労省のHPには集団感染の共通点は、特に、「換気が悪く」、「人が密に集まって過ごすような空間」、「不特定多数の人が接触するおそれが高い場所」ですと書かれています。満員電車で感染の危険性もいわれています。時差出勤も呼びかけられています。
不思議なのは「電車の窓を開けよう」という呼びかけがなされないこと。私は通勤電車の窓を少し開けるようにしています。直接 換気するのが一番です。
2009年の新型インフルエンザの時もせっせと窓を開けていました。2009年も今も文句を言われたことはありません。先日は、向かいに座っていた子連れの女性が、窓を開ける私をまじまじと見た後、自分の席の窓を開けました。
2009年は窓開けオジサンでしたが、今は窓開けジイサンです。窓開けジイサンが帰ってきました。
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2020年03月11日

新型コロナウイルスは腸にもいます

東日本大震災から9年になりました。
2011年4月 私は宮城県塩竃市へ向かう海沿いの高速道路の上から津波の後の一面の平野を眺めていました。塩竃市と周辺の島々で鍼灸ボランティアをするために山形空港から山を越えて車で向かっていました。どこまでも続く津波の惨状、言葉を失いました。
あれから9年、福島第一原発事故の廃炉作業は延々と続いています。大阪も台風、地震と様々な災害に見舞われました。何気ない日常の大切さ、ありがたさを感じる日々です。

☆検温は続いています
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2月25日から結の玄関での検温は続いています。新型コロナウイルス感染症と風邪の区別はつかないので風邪の治療はやめています。37.5度以上の方はお帰りいただきます。結のHPにも感染予防と新型コロナウイルス感染症の解説のページをつくりました。
http://www001.upp.so-net.ne.jp/yuihari/covid19.html
今まで37度を超える方はいらっしゃいませんでした。じつは37.5度以上というのはなかなかの高温です。37度近くの方は 玄関で問診しています。私はそれぞれの患者さんのいつもの状態を把握していますので、風邪の発熱かどうかは37度近くでもわかります。風邪をひいた患者さんは、自分から電話してきて自宅療養されています。

☆新型コロナウイルスは腸にもいます
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日本ではPCR検査を、喉からやっていますが、中国では感染者が治ったかどうかを判断するために、喉だけでなく肛門からも便をとって検査しています。つまりウイルスは腸にいる場合があります。新型コロナウイルスは感染者の便の中にいることもあります。血液の中にいることもあります。
喉では陰性になったけれど、肛門では陽性という患者さんもいらっしゃいます。大阪でも一度 治ったとされる患者さんが再発したことがありました。おそらく腸に潜んでいたのでしょう。新型コロナは中医学的には寒湿疫といいます。養生の基本はおへそを温めること。おへそを温め、腸を健康にしておくことは、万一 かかった時に軽症で済むためにも大切です。
結のトイレには除菌剤が常備されています。便座をふいて使ってください。流すときは便座を閉めて流すことを習慣化することをお勧めします。

☆中国では終息傾向に、新型コロナ感染症
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写真は方艙医院閉鎖式で喜ぶ中国人医療スタッフです。

中国は終息傾向です。武漢の軽症者用の臨時医療施設「方艙医院」が10日にすべて閉鎖されました。16か所の「方艙医院」では軽症の新型コロナウイルス肺炎の軽症患者1万2千人が治療を受け、重症化を防いだといわれています。「方艙医院」は体育館や展示施設にベットを運び込んでつくられた臨時施設です。広い範囲で空気の流れを遮断して交差感染が発生しないようにするため、施設内のセントラル空調はすべて使用が停止されていて、個別の暖房器具で寒さをしのいだといいます。漢方薬や鍼灸、体操、気功なども行われ軽症者が重症化しないよう治療が行われました。
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20200311-03272743-clc_cns-cn

2020年03月08日

AIで新型コロナウイルスによる肺炎を判定

日本経済新聞と日経ビジネスに興味深い記事が載りました。
日経ビジネス 2月12日に「中国企業、AIで新型コロナウイルスによる肺炎を判定」という記事、3月5日日本経済新聞 朝刊に「ノーリツ鋼機系、感染判定にAI活用 新型コロナ、中国企業と研究」という2つの記事です。武漢では最初から肺のCT画像を使っていました。謎の感染症の段階でPCR検査などありません。ウイルス性肺炎特有の画像が出ることを発見し、肺のCTを活用していました。しかし時間がかかるし医師の能力によってもばらつきがでます。
日本政府は新型コロナに後手後手の対応ですが、企業はなかなかやるもんです。

◆日経ビジネス「中国企業、AIで新型コロナウイルスによる肺炎を判定」を要約すると

中国の医療系AI(人工知能)スタートアップ企業、インファービジョン(北京市)が新型コロナウイルスの感染による肺炎かどうかを迅速に判定するAIを開発した。所要時間は1分。同社はこれまでもAIによる肺の画像診断支援システムを提供してきた実績があるという。中略

 今回の新型肺炎は、肺の下部で起きるため、鼻や喉にウイルスがなかなか到達しないとされる。これがPCRテストキットでの判定を難しくしている。インファービジョンが開発したAIシステムは、肺のCT(コンピューター断層撮影装置)画像から新型肺炎の有無を特定できるので、初期症状の患者であっても確実に診断できるようになる。画像から重症レベルも同時に割り出せるという。CT画像を撮影するには数分かかるが、肺のCT画像があれば1分で判定するので医者が診断する時間の短縮も見込める。中略

武漢市の病院が1月29日にこのAIシステムを導入、同31日から稼働させている。医療用のプログラムとして正式な承認はまだ受けていないが、中国政府もこのCT画像を活用したAI検査が役に立つと発表。2月7日時点で中国全土で10の病院が政府の特別な許可を得てAIシステムを導入している。うち武漢では3つの病院で使っているという。以上 記事から
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このAIシステムを日本のノーリツ鋼機グループのドクターネットが活用しようと動き始めています。

◆日本経済新聞 朝刊に「ノーリツ鋼機系、感染判定にAI活用 新型コロナ、中国企業と研究」を要約すると

ノーリツ鋼機グループのドクターネット(東京・港)は、新型コロナウイルスに感染しているかどうか画像情報をもとに人工知能(AI)が判定する技術の実証研究を始める。中国のAI開発企業インファービジョン(北京市)と提携し、武漢市などで使われている肺炎検出システムを日本に導入。共同で精度などを検証する。医療現場での検査支援や早期発見につながるとみている。以上
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人口比でいうと日本は中国より多くのCTを持ってます。AIとともに活用されることを期待しています。アメリカやイギリスと比べても抜群に多い数です。
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2020年03月02日

新型コロナ感染症への棒灸治療

中国の友人から新型コロナウイルス肺炎の患者への棒灸治療の動画が送られてきました。江西省の病院とのことです。大椎(首の後ろ)と神厥(おへそ)への棒灸です。今回の新型コロナウイルス肺炎は寒湿疫ですから、納得できる配穴です。SARSの時も鍼灸治療が行われたと聞いています。隔離中のもとに人が来てケアしてくれるのですから患者さんは大喜びだったと聞いています。体制の違いから日本では難しいですが。
中国では新型コロナウイルスによる肺炎に対し、現代医学の薬、伝統的な漢方薬
鍼灸を駆使した治療が行われています。

棒灸の煙が感染防止に役立つということで、一般家庭でも棒灸が使われています。結鍼灸院は棒灸や各種温灸を多数使う鍼灸院です。

おへそを温めています。


首の後ろの大椎を温めています。



2020年03月01日

新型コロナウイルスによる肺炎、COVID-19と風邪への個人的対処法 その2

私の個人的対処法をお伝えします。賛同されるかどうかは、あくまでみなさんの判断です。私が風邪をひいたら患者さんにご迷惑をかけるので、いささか神経質すぎるといわれるかもしれない対処法です。私は地震直後の被災地など危険といわれるところにもボランティアで出かけましたが、自分と仲間を守るために憶病に行動してきました。

◆スーパー銭湯へ行かない

換気の悪いところに多人数が集まるのは、いろんな感染症のもとになります。熊本地震のボランティアの時を例外として 私は、ここ10数年はスーパー銭湯等には行っていません。人の少ない温泉に行くことはあります。
それに足ふきマットは水虫をうつす可能性があります。
公益社団法人日本皮膚科学会
https://www.dermatol.or.jp/qa/qa10/q29.html

中国 江蘇省淮安の風呂屋で発生した新型コロナの集団感染例です。1/23の武漢封鎖の前のことです。現在は中国の風呂屋は閉められています。
49歳のAさん、1/15に武漢から車で淮安に帰省。1/18深夜に風呂屋。1/19発熱、この日夜19時に再び風呂屋。1/21午後にまた風呂屋。引き続き熱が下がらず1/25発熱外来(中国の新型コロナ対策の専門外来です)へ。結果客8人職員1人感染。Aさん父母・お隣・濃厚接触者1人等も感染。
 さらに風呂屋でAさんと接触した人が次々と感染。根気よく中国CDC(中国疾病預防控制中心、中国の国立感染症対策センターです)の調査は続き、風呂屋や会食などでの濃厚接触者の大捜査が行われ結局合計44人感染がわかりました。当局は大浴場は空気の流れが悪く、湿度も高いため、ウイルス感染の条件が整っているので注意と紹介しています(あくまで中国CDCの見解です)
中国はIT化キャッシュレス化、顔認証のできる防犯カメラの設置が進んでいるため、感染者の足取りを追うことができます。感染者だけでなく濃厚接触者も調べて隔離しています。濃厚接触者は病院とは別の施設の個室(ホテルなどが借り上げられている)に2週間隔離されます。PCR検査付きです。Aさんの例ではありませんが乗った特急列車の車両、座席番号まで調べて公開されています。ここまでする必要があるかどうかは意見の分かれるところでしょう。風呂屋の集団感染を伝える中国のサイトです。
http://news.sina.com.cn/o/2020-02-19/doc-iimxxstf2711732.shtml
中国CDCは以下から
http://www.chinacdc.cn/
※この項、上海在住の日本人医師 藤田 康介先生のフェイスブックから情報を入手しています。

◆ケースに入っていないパンや総菜を買わない

これも新型コロナの前からやっていることです。ショーケースに入っていないものは買いません。唾液が飛んでいる可能性があるからです。
今日 パン屋に入ると棚の前に透明ビニールのカバーがかけてありました。ありがたいです。
年とって量を食べられなくなったことも関係しているのですが、食べ放題のバイキングも何年も行っていません。1/23の武漢封鎖以降 外食もやめています。

◆服は玄関で着替える

私がいつも着ているのはユニフォームです。毎日 ユニフォームを着替えていましたが最近は午前、午後と着替えることにしました。食事の時は、新しいユニフォームで食べます。着替えなくても上着を脱ぐだけでも効果があるかもしれません。
以前からそうでしたが、原則 お昼は外食ではありません。
通勤の時に着る服は、着ている時間が少ないのでコートや背広は1週間、同じものを着ることが多いです(服を考えるのが面倒ということもあります)玄関で着替えています。服は玄関にかけて部屋の中には入れません。毎日 着替える方もコート等を玄関にかけるのはできるのではないでしょうか。花粉を部屋にいれないことにもなります。
帰宅すると手洗い うがいは当たり前ですが、顔も洗います。これも新型コロナの前からですが食事の前には必ず顔を洗います。最近は眼鏡も洗います。男性や子供さんは顔を洗われたらいいと思います。女性も帰宅されたらまず洗顔というのはどうでしょう。
手洗いは大切ですが、手が荒れて傷をつくってしまうとウイルスや細菌が入りやすくなります。クリーム等で保湿を心がけてください。手荒れのひどい方は外出の時は手袋をお勧めします。

◆スマホを洗う

武漢封鎖以降はスマホを日に数回 洗っています。私のスマホは古いですがいちおう防水です。充電口を下にして流水洗浄しています。ケースと本体の間に水が入るのでケースははずしました。1日のほとんどを治療室で過ごし、スマホを持ち歩くことが少ないからできることかもしれません。ケースをつけてアルコール消毒する手もあると思います。
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2020年02月26日

新型コロナウイルスによる肺炎、COVID-19と風邪への個人的対処法

◆スムーズに検温できています

2月25日から結(ゆい)鍼灸院入口で検温を始めました。37.5度以上の方は お帰りいただきます。新型コロナウイルスによる肺炎の感染予防のためです。
みなさん快く協力してくださいました。耳に差し込むタイプのオムロンの体温計を使用。検温は1〜2秒でできるので、全部で約10秒以内に終わります。思った以上にスムーズに進みました。患者さんからは「こうしてもらった方が安心だ」というお言葉をいただきました。

私は風邪の治療も得意としていましたが、当分はお断りします。風邪、インフルエンザ、新型コロナウイルスによる肺炎の初期の症状は同じです。区別できないからです。みなさまの感染防止につとめます。
検温に使っている体温計
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検温告知の掲示
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◆個人的に準備した漢方薬 葛根湯(かっこんとう)と藿香生気散(かっこうしょうきさん)

COVID-19に効く薬はまだわかっていません。ただ中国の国家衛生健康委員会が「かかったかな」と思ったときに推奨している漢方薬はあります。私は鍼灸師ですから みなさんに漢方薬を勧める立場にはありません。私と家族、スタッフ用に準備しています。
初期の主な症状は、発熱、疲労、乾いた咳とされています。乾いた咳だけで発熱のない場合もあります。痰が少ないのです。
発熱がある時、ゾクゾクした時は、いくつかの中成薬(丸薬や錠剤)が推奨されています。同じものは日本では入手しにくいのですが、葛根湯(かっこんとう)で同様の効果が期待できます。知人の中医師のおすすめです。
発熱が少なくだるさや疲労感が強く、時にはお腹が張ったり、下痢 便秘の症状がみられる場合は藿香生気散(かっこうしょうきさん)です。国家衛生健康委員会推奨です。
※新型冠状病毒感染的肺炎诊疗方案(试行第五版)
http://www.nhc.gov.cn/yzygj/s7653p/202002/3b09b894ac9b4204a79db5b8912d4440/files/7260301a393845fc87fcf6dd52965ecb.pdf
漢方薬は慢性の病気のものだけではありません。漢方薬や鍼灸は昔から感染症と戦い続けています。今も中国では新型コロナウイルスによる肺炎、COVID-19に新薬とともにさまざまな漢方薬、鍼灸が使われ、論文も次々に発表されています。
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◆とにかく4日間は自宅で休みましょう

新型コロナも風邪のような症状になります。ただの風邪かもしれません。ただの風邪なら4日もすれば自然によくなってきます。じつは新型コロナにかかっても軽症は 肺炎にまで至らず一週間ほどで治ります。ふつうの風邪よりもちょっと長引くようです。
厚労省のいう「風邪の症状や37.5℃以上の発熱が4日以上続いている(解熱剤を飲み続けなければならないときを含みます)」というのは新型コロナの中でも軽症でない場合ともいえるでしょう。医療が本当に必要になる場合です。一週間以上 風邪の症状が続いて倦怠感と息苦しさがひどくなってくるようだと入院です。
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新型コロナウイルスによる肺炎、COVID-19については1月15日、武漢封鎖1月23日の前からブログ 半健康人から脱出!結(ゆい)通信とメルマガで情報発信を続けています。よかったらそちらもお読みください。新型コロナウイルスによる肺炎は高齢者には危険です。そして日本には高齢者が多い!
中国の発表をもとにした年齢と致死率の表です。ともともクリニックの木村朗子先生 石川家明先生のまとめた表です。
年齢別死亡率.png
 China CDC Weeklyで発表されている現地点で一番新しい“Weekly Reports”は、The Novel Coronavirus Pneumonia Emergency Response Epidemiology Team(新型コロナウイルス感染症緊急対応疫学チーム)による2月11日発行のThe Epidemiological Characteristics of an Outbreak of 2019 Novel Coronavirus Diseases (COVID-19) − China, 2020 である。
http://weekly.chinacdc.cn/en/article/id/e53946e2-c6c4-41e9-9a9b-fea8db1a8f51