2019年03月04日

和田絹代先生の遺品を譲渡 販売するためのページの紹介

関西中医鍼灸研究会 世話人の藤井正道です。
関西中医鍼灸研究会の仲間、会計の和田絹代先生(絹鍼灸院 きぬしんきゅういん院長)が2019年1月1日に45歳でくも膜下出血で亡くなられました。

◆絹鍼灸院の鍼や灸の大半は私の方で買取りました。ただまだ残っているものもあるので改めてみなさまに市価の半額を目安に販売します。私にメールで連絡をください。
電子メールは mogusa@cb3.so-net.ne.jp
2019年 3月16日の関西中医鍼灸研究会の場で手渡ししたいと希望しています。
結鍼灸院まで直接 取りに来てくださるのもOK。結が開いている時間か昼休みでしたら いつでもおいで下さい。
2000円程度 まとまれば配送もします。ただし送料はご負担ください。
配送の場合は関西中医鍼灸研究会の郵便口座に振込みをお願いします。ほかは現金決済になります。
夫の和田吉樹さんは絹鍼灸院の鍼や灸の代金をすべてモクサアフリカに寄付されました。ここで遺品の灸を購入することは実質的にはモクサアフリカに寄付することにつながります。趣旨をご理解の上 ご協力お願いします。

モクサアフリカのHP
https://www.moxafrica-japan.com/

以下の 遺品をお分けするためのHPの下の方にあります。


◆夫の和田吉樹 さんと相談の上 遺品をお分けするためのHPをつくりました。
どうぞご覧下さい。
写真は関西中医鍼灸研究会で実技披露する和田先生です。

http://www001.upp.so-net.ne.jp/yuihari/190101wada.html
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2019年02月18日

続編 耳の痛みやかゆみがとれた、正常域の「双極性障害」

身体の中にも春がやってきました。木の芽時です。気が立ったり、いろんな痛みが出たりします。詳しくは以下をお読みください。15年前に書いたものですが、春の不調の特徴はそうかわるものでもありません。
https://www.yuisuita.com/acupuncture/cat_season/entry_1049/

☆続編 耳の痛みやかゆみがとれた、正常域の「双極性障害」

昨日 紹介した患者さん、30代の男性の研究者の話の続編です。
伝統的中医学では「陰と陽」のバランスがとれているのが健康と考えます。
でも資本主義の世の中では活動的な人の方が有利です。
研究者や大学教授やアーティストには 陽が少し多いタイプの方がよくいらっしゃいます。身体の火が一般人より多く燃えているのですから、元気です。活動的です。集中力があります。集中力があるので勉強の効率も上がり、偏差値も高くなります。朝 パソコンの前で論文を書き始めて、はっと気が付いたら午後3時だったといったたぐいの話をよく聞きます。火が燃えて気がめぐるので肩こりになりにくい人も多いようです。
20代は体力もあるので、集中力も持続します。少ない睡眠時間でも大丈夫です。でも30代40代となると不調が目立ってきます。
身体の「陰と陽」の陰が相対的に不足しているので、身体や脳を落ち着かせることがうまくいきません。不眠や頭痛に悩まされます。不安感が襲ってきたりします。いずれも過剰な火、熱がわるさをしています。
※いわゆる体温が上がる発熱と中医学で言う熱はちょっと違います。

気というのは身体を動かすエネルギーのようなものですが、走りすぎる人生では、もともと丈夫な人でも気が消耗してきます。もともと陰は少ないので気陰両虚(きいんりょうきょ)という状態になりやすくなります。といっても普通に人並みに仕事はこなせる軽い気陰両虚なのですが、人並み以上に仕事をしている人なので、ほどほどに仕事をしていくことができません。過剰な火があると、疲労も感じにくくなります。興奮が疲れを忘れさせるのです。

結果どうなるか。絶好調でしばらく仕事を続けた後、激しい疲労感、気分の落ち込みに苦しみます。しばらく落ち込んで回復すると再び、フルスピードで仕事を始めます。調子のいい時と悪い時が、波のようにやってきます。社会生活にちょっと支障があるけれど、休職するほどではない状態、家族と本人以外はわからない程度の不調の状態を、私は正常域の「双極性障害」と呼んでいます。「双極性障害」とは過去には 躁うつ病と呼ばれた病態です。
鍼灸は正常域の「双極性障害」によく効きます。気分の落ち込んだ時は、気を補う治療をして落ち込みを回復させ、興奮しすぎの時は、陰を補いアクセルを踏みすぎないように調整します。また頭痛や不眠を治し、疲れをためすぎないようにします。
ご自分にあった鍼灸院をみつけて、不調を治してください。ただいつまでも20代はじめのようにいかないことは理解してくださるようお願いします。


写真は本文とは関係ありません。阪急関大前駅と千里山駅の間にあるクッキーのお店 笑果さんのクッキーです。昨日 紹介したおはぎの店「くりこ」さんもこの近くです。この辺は1人でやっている小さなお店が多いところです。

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2019年01月04日

明日1月5日は葬儀出席のために臨時休診させていただきます

私が世話人をしている関西中医鍼灸研究会の仲間、会計の和田絹代先生(絹鍼灸院 きぬしんきゅういん院長)が40代でくも膜下出血で急逝されました。明日5日は葬儀出席のために結鍼灸院は臨時休診させていただきます。写真は関西中医研で実技披露する和田先生です。
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2019年01月03日

中医臨床12月号に掲載されました

みなさま あけましておめでとうございます。結(ゆい)は明日1月4日より平常通り開けます。
第8回日本中医学会が9月 東京で開催されました。その報告記事が専門誌 中医臨床 2018年12月発行 通巻155号に掲載されました。私はシンポジウムB「中医心身医学の活用」で演者として「うつ病・パニック障害等の治療と大阪北部地震後の治療経験から〜督脉と奇経を組み合わせた治療」を講演したのですが、それも記事になっていました。
今号は金子朝彦先生や篠原昭二先生の記事もあり豊富な内容です。浅川要先生が「新版東洋医学概論」教科書検討小委員会に質問状を出されているのですが、その文章も掲載されています。治療家と学生のみなさまは ぜひお読みください。
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2018年12月29日

東京衛生学園専門学校校長の後藤先生 ご苦労様でした

後藤学園理事長 東京衛生学園専門学校校長の後藤修司先生の退任のあいさつの手紙が届きました。
後藤先生は日本鍼灸界に多大な貢献をされた先生です。日本に現代中医学を導入できたのは東京衛生学園専門学校の兵頭明先生の功績ですが、それを後ろで支えたのは後藤先生だったと思っています。
1980年代 私は四谷の東京医療専門学校(呉竹学園)の学生でしたが、中国から帰国したばかりの兵頭明先生の講座に出入りしていました。当時から後藤修司先生が理事長をされていました。
長い間 本当にご苦労さまでした。まだまだ鍼灸の世界で活躍されるのでしょうが、まずはひと区切りといったところでしょうか。東京衛生学園専門学校の校舎には「われわれの学ぶ技術は芸術であり科学であり職業でもある」という後藤先生の言葉が掲げられています。
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2018年12月18日

電子温灸器を比較してみました


電子温灸器を3種類 業者から借り受けて比較し、そのうち1つを購入しました。
セイリンのセラミック電気温灸器と株式会社チュウオーの一灸とHandyQです。

◆台座灸の感覚に近いのは株式会社チュウオーの一灸とHandyQ

台座灸の感覚に近いのは株式会社チュウオーの製品でした。お灸のできない環境で台座灸の温感を出したい治療家にはお勧めです。熱がゆっくり来てゆっくり去っていきます。顔のツボにも使えます。
先端が赤く光るのですが、目の近くで使うとまぶしくなります。「光はプロの治療家には必要ない。光を消すことはできませんか」と注文を出すと、光を消せるHandyQを試作品として送ってくださいました。すばやい対応、いいものをつくろうという開発陣の姿勢には頭が下がります。これなら晴明や攅竹にも使えます。お灸のできない環境でお灸を使いたい治療家には試作品のHandyQがお勧めです。「光らないHandyQ」と直接 株式会社チュウオーと交渉してください。

◆使い方をいろいろ工夫できるセイリン

セイリンはお灸というよりも熱源器です。棒灸のように使うこともできれば点灸のようにも使えます。三角形のセラミックの先端は手足の井穴を刺激するのにも使いやすくなっています。髪の毛の間にも入りやすく熱が簡単に伝わります。チュウオーは先が円柱状なので髪の毛の豊富な人はかき分けなければ、熱が伝わりにくいようです。
写真のようにセラミックの広い面を肌に押し当てて経絡にそって動かす、温通法ができます。棒灸を経絡にそって動かすのと同じような感覚を感じられます。

◆私が電子温灸器を買おうと思った理由

私は阪神大震災、東日本大震災、熊本地震、岡山県真備町の豪雨災害の被災地に入り被災者に鍼灸ボランティアを施術してきました。お灸が使える時もあれば、使えないときもありました。使えないときは無煙灸を使っていました。しかし火をつかうこと自体が制限される可能性があります。震災等の災害が起こったときに簡便に使えて温灸に代替できるものが欲しいというのが購入動機です。
災害時だけでなく日常の診療でも お灸とは別の使い方で使えたらいいなという希望もありました。

岡山県真備町では無煙棒灸を両手に持って督脉上を動かして通陽したところ患者さんには大好評でした。セイリンを督脉にそって動かせば、棒灸を手に持って動かした時と似た感覚を患者に与えることができることを発見しました。
足の井穴への点灸は通絡して足の冷えをとるのに効果があります。けれど痛い。効くには効くが痛い。セイリンは そこまで痛くなく、通絡の作用もほどほどにあります。痛みをこわがる患者さんには使いやすいでしょう(一灸とHandyQも井穴には同様に使えます)

そういう訳で私はセイリンのセラミック電気温灸器を購入しました。お灸に代えてというよりは、新しい熱源器として いろいろ工夫して使っていくつもりです。3ヶ月もすればもっと多彩な使い方をみなさんにお伝えできることでしょう。

写真の左がセイリン 右がHandyQです。
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セイリンを肌にそって動かし、通絡しているイメージです。
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2018年11月19日

☆2019年1月の関西鍼灸中医研究会のお知らせ

現在 36名定員のところ27名の申し込みがあります。
11月24〜25日 茨木市の立命館大学で第46回日本伝統鍼灸学会学術大会が開催されますが、ここにも講演会のチラシをおかせていただく予定ですので、それまでに申し込まれることをお勧めします。

「気 至る」を実感するための実技トレーニングとその方法

講師 津田昌樹先生

臨床の中で「鍼が効いているのか?」「このツボで正しかったのだろうか?」と疑問を持ったことはありませんか。「今刺している鍼が効いているのか?そうでないのか?」を実際に感じるための実技とトレーニングを行います。関西では滅多にない津田先生の講演を伺う機会です。

■ 略歴
1963年富山県射水市出身、明治鍼灸大学を卒業され、市立砺波総合病院東洋医学科勤務、1985年から1986年は中国黒竜江省、黒竜江省中医研究院にて研修、1993年より、鍼灸夢恵堂院長。
(公社)全日本鍼灸学会常務理事、教育研修部長
富山鍼灸学会会長、東方会副会長、北陸支部支部長
■著書
JJNスペシャル・絵で見る指圧・マッサージ:医学書院(共著)
生活の情報と科学:中央法規(共著)
今日の治療指針(2000年版):医学書院(鍼治療の項を執筆)
医療従事者のための補完・代替医療 改訂2版 (ボディワークの項を執筆) 2018年には接触鍼によるがんの末梢神経障害に対する論文を海外の学術誌に発表。
ほか医道の日本に執筆多数。
《日時》1月13日日曜 10時〜17時 
《場所》東洋医療専門学校 第1校舎 6階実技室
定員 36名 URLから事前申し込みをお願いします。
https://ssl.form-mailer.jp/fms/37d839d4539302

《参加費》一般会員5000円 学生会員4000円 
    一般参加7000円 学生参加6000円

主催 関西中医鍼灸研究会 関西中医研で検索!
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2018年11月16日

週7入浴 介護リスク減 千葉大など、リラックス効果か

やっぱり入浴は素晴らしい!
「ゆっくりお風呂につかってください」患者さんに「自宅で気をつけることは?」と聞かれた時に、よくお願いしていることです。それを裏付けるような研究が11月13日の日経新聞夕刊に掲載されていました。

☆週7入浴 介護リスク減 千葉大など、リラックス効果か

1週間に7回以上湯船につかって入浴する高齢者は、週2回以下の人に比べて要介護認定のリスクが約3割減少するとの調査結果を、千葉大などの研究グループが13日までに発表した。入浴によるリラックス効果が認知機能低下や抑うつの予防につながっている可能性があるという。以上 日経の記事の要約

65歳以上の男女計約1万4千人を対象に3年にわたって実施された調査です。中医学では高齢者は陽の気が不足するとしています。入浴して身体をゆっくり温めれば、陽気を補えます。

身体を落ち着かせる要素。陰が不足して身体が熱い、長くは入浴できないという高齢者の方も まれですがいらっしゃいます。こういう方は不眠でも悩んでいらっしゃいます。中医学的鍼灸で補陰補腎という作用のある治療を受けていただくと、落ち着いてお風呂に入れるようになるし、ゆっくり眠れるようになります。体調がいろいろよくなります。

じつは私は1週間に14回 湯船につかって入浴しています。夜だけでなく朝もお風呂に入っています。早く体温を上げ、脳を活性化させ 朝一番の患者さんから万全の状態で治療できるようにするためです。朝食も必ず 温かいものをとっています。

日経の記事は有料のため、11月12日 NHK千葉放送局の記事を紹介します。
https://www3.nhk.or.jp/lnews/chiba/20181112/1080004272.html

☆ご注意ください

ここ数日、日照時間も減り、気温も下がってきました。身体がだるい、肩がいつもよりこるという患者さんに聞いてみると、自宅での暖房をガマンされている方がちらほらいらっしゃいます。寒いと思われたら暖房を入れてください。

写真は近所のベンツのお店のクリスマスツリーです。今朝 撮りました。窓ガラスに写る青空も綺麗です。
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2018年11月05日

11月の関西鍼灸中医研究会のお知らせ

11月17日土曜の関西中医研が近づいてきました。

☆11月の関西鍼灸中医研究会のお知らせ

◆木下悟世話人の中医学講義と実技 認知症の鍼灸治療

高齢化の進展に伴い認知症の方が増えています。内閣府によると、85才で3人に
1人に認知症状があるとされています。介護施設は人手不足の為に十分に機能し
ていないのが現状です。自ずから在宅中心の介護となり、地域の資源を活用して
いくことになります。鍼灸師にも認知症を理解して精神の安定を図り、身体の苦
痛を取り除くことにより、周辺症状の発現を押さえ、平穏な生活が送れるように
支援する事が求められています。

《日時》11月17日土曜 18時〜21時 
《場所》大阪生涯学習センター 第4研修室

定員 36名 HPか下記URLから事前申し込みをお願いします。

https://ssl.form-mailer.jp/fms/318c1ceb536516

参加費 はいずれも 一般会員2500円 学生会員1500円
         一般参加3000円  学生参加2500円
事前申し込みされると「受け付けました」というメールが送信されますが、お使
いのスマホ等の迷惑メールを受け付けない機能のため受付メールが届かない場合
もよく見受けられます。
また同じ方が複数回 申し込まれる場合もあります。手作業で重複する申し込み
を消しています。
ご自身で申し込んだかどうかお忘れなきようお願いします。
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郵便番号564-0041
吹田市泉町2-47-27-102結鍼灸院内 
関西中医鍼灸研究会 藤井正道
電話06-6380-2236 
ホームページは http://www001.upp.so-net.ne.jp/yuihari/top.htm
**********************************************
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2018年10月22日

2006年8月の日本中医学交流会シンポジウムより

ずいぶん以前の話です。2006年8月27日 日本中医学交流会(日本中医学会の前身) 鍼灸分科会・学術大会が東京で開催され、私は『神経性嘔吐』について発表しました。
その報告は中医臨床2006年9月 通巻106号に掲載されています。写真はその記事の一部です。

27日の午前中のシンポジウムには私を含め5人の先生が登壇しています。そのシンポでの私の発言要旨を掲載します。
2018年の中国の鍼灸が以前よりも経絡を重視するようになり、灸法も再評価されるようになった今だからこそ、読んでいただきたいのです。長いですがご興味ある方はお読みください。
問題意識は今も変わっていません。大阪の湿度の高さを強調していますが、先進国の食生活 生活様式は湿邪 痰濁を生む、東京でも大差はないと 当時から考えていました。
地域性を強調することで、無用な対立 感情的反発を招かないようにしたのです。
「藤井はどうもちょっと違ったことを言っているが、大阪の特性からだろう」ということにして、素直に愚見を聞いていただきたいと考えたのです。

午前のシンポでの発言

「中医学は、理論はいいが臨床はどうもいまひとつ」という評価があるようです。これはおかしな評価です。臨床での治療効果に結びつかないのなら、理論がいいとはいえません。中医学は日本の臨床に即した理論的発展がすすんでいないと捉えるのが正しいのではないでしょうか。
日本の臨床で効果をあげるための、理論的発展が求められているのではないでしょうか。もしも理論的裏づけがないけれど日本の臨床ではなかなか効くという治療のやり方があるならば、それは中医学的理論で分析する必要があります。分析して中医学的針灸の中に組み込めばいいと思います。そこに総合的な理論体系である中医学理論の優越性があります。
もしも従来の理論的枠組みで捉えきれない事態が出現するならば、理論的枠組みを再構築する必要があるでしょう。理論的枠組みを再構築する必要を提起するのはだれでしょう。中国の文献の翻訳にたけた研究者や翻訳者学者の役割ではありません。先生たちは中国のすばらしい文献をたくさん紹介してくださいました。実践から理論的枠組みの再構築のデッサンをだすのは、日本の臨床の実情に即した臨床家の務めです。私たちです。ちょっと違うなあ、これは実情に合わないとかぶつぶつ言いながら、日々患者さんに鍼をうっている私たちです。
荒削りでもいいと思います。臨床家が日本での中医学的針灸理論の発展に向けて様々な仮説を提起し、実践していく段階に至っていると思います。きちんとした絵に仕上げるのは著名な先生方にお願いするとしても、少なくともデッサンくらいは臨床家が書かなければなりません。私は関西中医針灸研究会でいろいろと議論してきました。その議論の様子や仮説は隔月刊の中医研通信に収録されています。
関西中医針灸研究会の仲間は荒削りなデッサンを議論しながら書いてきたと自負しています。
開業針灸師が臨床でよく遭遇するのは比較的軽症であり、軽症は風土や生活様式の影響を強く受けます。軽症をきちんと手早く治していく力が求められています。
中国北京と大阪とでは患者の傾向が違います。江戸の八百八町(ハッピャクヤチョウ)に対し大阪は八百八橋(ハッピャクヤバシ)と呼ばれました。
大阪に橋が多かったのです。それだけ川に囲まれ、湿度が高いのです。大阪の患者は湿邪がからむ場合が多くみられます。湿邪はしつこいなどと泣き言を言っている余裕は私達にはありません。私が開業している吹田市泉町も2つの川に挟まれ、昔は田んぼだったところが宅地に変わっているところです。
ここにいる多くの皆さんがご存知の李世珍先生の配穴を例にあげてみます。李世珍先生は78年に中国援外医療隊に参加して、エチオピアに行ったことをのぞけばずっと河南省で生活し 臨床されているわけです。河南省は黄河の流れる乾燥した地域です。古代の首都 洛陽もあります。
湿度の高い大阪とはぜんぜん違います。李世珍先生にとっての「世界」は 河南省です。私の世界は大阪です。
李世珍先生が行かれた唯一の海外、エチオピアでの治療例も常用輸穴臨床発揮、東洋学術出版社の臨床経穴学に載っています。 エチオピアの気候風土を調べてみると、雨季乾季がありますが、日本のように湿度が高いとは いえない環境のようです。高原地帯です。
人は自分の臨床環境の中でものごとを認識し、その環境の中で効く治療をつくっていきます。10数年前初めて著作に接した頃と違い、今は李世珍先生の配穴を、それだけでそのまま使うことはあまりありません。10数年前は一生懸命手技をして、そのままの配穴を使っていました。今はひとひねりしています。去湿や温陽化湿のやり方を強め、 化熱化火を李世珍先生ほどには警戒せず 瀉法は多くの場合 平補平瀉にとどめ 補法は温陽など灸の補法をもって替えられるならば できるだけそうして、やっていくという具合になっています。
化熱化火を李世珍先生ほどには警戒せずというのは、湿邪が陽を阻むと考えるからです。海に囲まれた地形。食べ物からくる内湿の問題、寒冷な食品を多くとる日本の食生活。陽気を補う季節の夏に、エアコンを使い陽気不足に陥るといったこともあるでしょう。大阪の患者は北京や洛陽ほどには化熱化火しません。瀉法は多くの場合 平補平瀉にとどめというのは、湿邪が陽を阻みますから瀉熱の必要はおのずからへっていくと考えるからです。
例えば東洋学術出版社の臨床経穴学365ページの肝兪の使用例で肝血虚からの虚労の治療をみてみます。本病は五臓虚損、気血、陰陽不足の病証とされています。症状は 眩暈 耳鳴り。驚きやすい。舌質 淡 弦細などとなっています。目の疲れを伴うこともおおいでしょう。
配穴は肝兪 膈兪 三陰交(補法)となっています。肝血の補養です。
 
私なら中枢 大椎に灸頭針 四神聡留針としながら、肝兪 膈兪を使い、すべてを抜針した後に三陰交と神闕の灸といった具合です。神闕の灸で温陽化湿します。督脈任脈を使いますから陰陽も調和します。
督脈を通し清陽をあげたほうが眩暈をとめるのは早いです。熱が滞留することを心配する方が中医派には多いのですが、経気を通せば問題ありません。眩暈といえば、弁証関係なく百会に透熱灸している鍼灸師は現代の日本にたくさんいます。たいていはうまくいっています。まずその事実から出発すべきでしょう。
中枢で健脾も図れます。気をめぐらした後、三陰交で降気しておけば問題ありません。
肝血はすぐには補えません。血は脾胃で食物が吸収されて、それから血になります。鍼をしてもすぐに血は増えません。四神聡で頭顔面部の経気を通すことで 局所的に不足している場所に気血を送り、肝血虚の症状は改善できます。1回でそれなりの治療効果をあげられます。百会でもいいです。実際の肝血虚の治療はしばらくかかりますが、患者さんは早くよくなりたいのです。すぐに眩暈をとめたり、目の疲れを取るには四神聡を入れます。太陽もいいでしょう。去風と通絡を考えて風池をいれるのもいいでしょう。
針数をそこそこ使っても、清陽をきちんと上らせて頭を通絡したり、神闕で補気補陽していれば、理気過剰で瀉法に働いてしまうのではないかということを心配することはありません。私は少数穴で治療するときもあるし、たくさんつかうこともある。2番をつかうこともあれば30番をつかうこともある。こだわらないのですが、結構使ったときでも、瀉法に働いて患者さんがしんどくなったという経験は、まずありません。これは灸法を多用しはじめてからの話です。
脈舌については湿邪がからみますから弦細よりは弦滑となる場合が多いようです。
おまえが言っているのは肝血虚からの虚労ではなく痰濁の眩暈のことじゃないかという声が出てきてもおかしくないようなことを私はしゃべっています。肝血虚に湿邪をはらむからどうしても中間型のような形になります。中間型の方が大阪の実際の臨床で多くみられるのなら、肝血虚よりも肝血虚に湿邪をはらむ場合の対処法 配穴を考えたほうが有効です。中医学初心者は、その辺がわからないので大きくつまづくことが多いように感じています。中国で使いやすい分類から日本で使いやすい分類に変えていく作業が必要です。この場のみなさんでやっていきましょう。
痰濁の眩暈の配穴はたとえば鍼灸学臨床篇275ページをみると、中かん 内関 豊隆 陰陵泉頭維となっています。陽明の痰熱を頭維で清熱するといいますが、大阪では熱はそれほどないので通絡でいいでしょう。そうなると瀉法ではなく平補平瀉です。やっぱり四神聡や督脈を入れたほうが効果的です。化熱が心配なときには私は電針にしています。強い通絡は少し瀉熱にも働くと考えています。それでも心配な時はどっかで瀉血しておけばいいでしょう。

臨床経穴学369ページには誤灸、誤って灸することの弊害として「肝病には陽亢の証候が多く見られる、誤って肝兪や胆兪に灸を施すと肝火上衝をひきおこしやすい。これによって肝火が頭部に上ゆう眩暈、頭痛、頭の張る感じ、耳鳴りをなどの症状が出現する。これらの症状が出現した場合は行間を瀉して肝火の清降を図るとよい。」と書かれています。私が大阪的に言い換えると次のようになります。湿邪をもつ場合は多いので、灸で去湿するのは効果的です。肝火があがることはあまりありませんが、化熱化火が心配なときは行間や太衝に平補平瀉して降気を図っておくといいでしょうと。こういう調子で昼からの患者さんも診ていきます。
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2018年10月15日

多彩な症状を訴えるが 比較的 早期に治る患者さん 気の流れだけや熱だけが原因の異常は早く治ることが多い

50代後半の女性患者さんのお話です。
自律神経の乱れによる疾患が多く、調子が悪くなったら結(ゆい)にいらっしゃいます。1時間半くらい通院にかかるところにお住まいのため 当初は近くの鍼灸院に行かれるのですが、治らないときは当院にいらっしゃいます。

☆胸の違和感は3回でなくなりました

○○年1月に来院されました。胸が「ころんころん」となる感じがする。胸に違和感があるという訴えです。
10月頃から2ヶ月間 食欲がなくなり、同時に乗り物酔いしやすくなりました。日によって身体に力が入らないことがあります。
この時は1週間に3回治療して治りました。3回目に以下のアンケートをいただきました。

◆アンケート回答

よい効果があった。少し苦痛はあるが ずいぶん楽になった。総合的にいって治療前の苦痛を10とすれば今の苦痛は3であるという回答があり以下のようにコメントされました。

体のしんどさがずいぶんとれてきました。(院長から)もう1回の通院で良いのではと言われましたがもう少し 10日に一回ぐらい来させていただきたいです。元気になれば 月1ぐらいでお願いしたいです。アンケート以上

◆自筆のコメントはこちらから
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実際はこれで治療を終わり、次に来院されたのは1年後の9月でした。

☆暑くなると体温も上がってしまい、身体がしんどい

8月初めに西日を20分くらい浴びてから、体温が1度 平熱より高い状態が続くようになった。近くの鍼灸院に4回ほど行ったら、暑い時には体温が高く涼しい時は平熱にもどるといった状態になったが、そこからなかなか治らないので当院を思い出したとのことでした。自律神経の異常です。庭を掃くとかちょっとした作業で身体がすごくしんどいという訴えでした。

今度は瀉熱(しゃねつ)という過剰な熱をとる治療をしたところ1週間に2回の治療で治りました。暑い時も大丈夫になり作業もこなせるようになりました。
じつはこの女性は5年ほど前から手のひらが熱く感じるようになり、入浴するのが苦痛となりシャワーだけの生活を続けていらっしゃいます。寝つきもよくないようです。
もう少し継続的に治療をさせていただければ、そういった状態も治せますよと提案しましたが、そこまでは望まれないようです。

◆考察

当初の1月は身体の胸やおなか側を上から下へ流れる経絡がうまく通じなくなり、胸の違和感が出るようになったものです。この時 食道に炎症等があればお医者さまからは「逆流性食道炎」と診断されたりします。気の流れを通し整えるのは適切に治療すれば、比較的早期にできます。流れる気、エネルギーが減少した気虚(ききょ)がひどい方は補気(ほき)というエネルギーを養っていく時間が必要ですが、気を通すだけならすぐにできます。

9月は身体の熱がうまく発散されなくなっています。汗をかきすぎて身体の津液(しんえき、身体の正常な水分)が不足し、身体を適切に冷やすことができなくなった状態です。
夏の終わりによくある症状で、瀉熱で熱をとるのは簡単です。
本当は瀉熱に加え 津液不足をなくし、入浴できないような身体の不調をなくす補陰(ほいん)という治療をしばらくすれば寝つきもよくなり 入浴もできるようになります。9月の2回の治療でも補陰していましたが、2回では身体の状態をしっかり変えるところまではいきません。
患者さん本人としては 訳のわからない大変な症状にみえるかも知れませんが、中医学では分析し見通しを立てることができます。適切に治療すれば簡単に治るものも多いのです。

※治療例は個人情報保護の観点から、患者さんの年齢、状況を大勢に影響ない範囲で少し変えている場合があります。ご了承ください。
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2018年10月07日

鍼灸は人柄という面もある。築地市場のまぐろ屋 兼 鍼灸師の先生

写真は9月末の朝日新聞の記事です。築地市場移転に関連して森幸二さん(87)が市場で働く人とともに登山をやっていたというお話ですが、じつは森さんは登山のほかにもうひとつの趣味(仕事?)をお持ちでした。鍼灸師です。
1980年代 私が横山瑞生先生の東京 四谷一本堂で研修を受けていたころ、勉強会 日中医療普及協会でご一緒しました。横山先生が主宰する日中医療普及協会は中国の「はだしの医者」の影響を受けて発足した研究会です。当時は刊々堂出版社の「針灸学」(上海中医学院編 翻訳は浅川要先生ほか)が必読文献のようになっていて、苦労して読んだものです。学問はわかりにくくて当たり前の時代でした。

森先生は自宅の一角を鍼灸院にされていました。温厚な人柄で、なんというかそこにいらっしゃるだけでみんなの気持ちが落ち着くような先生でした。とくに特徴のある治療をされていたわけではありませんが 鍼灸というのは人柄で治す要素も大きいなと思ったものです。
兵頭明先生が中国から帰国され東京衛生学園で講座をもたれたのも80年代後半です。文化大革命期の「はだしの医者」から現代中医学へ。私は四谷の東京医療専門学校(呉竹学園)出身でしたが、大森に出入りして学ぶようになっていました。
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2018年09月19日

TV番組の紹介 東洋医学 ホントのチカラ〜科学で迫る 鍼灸・漢方薬・ヨガ〜

先週末 大阪モノレールに乗って驚きました。吹田に隣接する豊中市の民家の屋根に点々とブルーシートがかけられています。大阪北部地震の後の高槻市 茨木市の様子と似ていました。9月4日の台風21号によるものがほとんどでしょうが、6月の大阪北部地震の時のものもあります。地震と2回の台風で被災した民家が多すぎて工事業者の手が足りていません。「いつ来てくれるかわからない」被災した患者さんたちからよく聞く言葉です。
強風で壁がはがれた患者さん、窓ガラスが割れてリビングが水浸しになった患者さん、4日間 停電が続いた患者さん、屋根が壊れた患者さん 自宅周辺の片づけで腰痛になった患者さん たくさんの患者さんが被災されています。結(ゆい)は無事でしたが、近くでもブルーシートが目立ちます。大阪は被災地になっています。
台風21号から2週間と少し 被災した患者さんたちに疲労の色がみえます。「もう今年は (災害は)ここまでにしてほしい」という声をよく聞きながら、疲労回復の治療をしています。

☆TV番組の紹介 東洋医学 ホントのチカラ〜科学で迫る 鍼灸・漢方薬・ヨガ〜

NHK[総合]で2018年9月24日(月) 午後7:30〜午後10:00(150分) ドキュメンタリー番組が放送されます。ご興味あればご覧ください。

番組内容はNHKのHPによると以下のようになっています。

西洋医学では手が届かない症状の解決策に用いられてきた東洋医学。最新科学を駆使した研究で続々と効果が確認。医療現場への導入が広がる。その神秘に迫る。
西洋医学では手が届かない症状への解決策として用いられてきた東洋医学。「科学的でない」「気休めに過ぎない」と揶揄(やゆ)されることもあったが、近年、大きな変化が起きている。脳科学などを駆使し、世界中の科学者が東洋医学を研究。続々と効果を支持する根拠が確認され、急速に医療現場への導入が拡大しているのだ。最新研究や医療現場を徹底取材、東洋医学の神秘に迫っていく。以上 HPより

偶然 番組紹介をみたのですが モクサアフリカと米軍の戦場鍼(Battlefield Acupuncture)が紹介されていたのを覚えています。

◆モクサアフリカとは

モクサアフリカはイギリスのNGOです。長年の RCT/臨床研究の結果、ウガンダで 2016 年に結核と HIV 患者にお灸をすると免疫力が高まることを証明することに成功しました。モクサアフリカは結核にお灸が効くという実証研究を各地ですすめ WHO などを説得して世界を動かそうとしています。私が世話人をしている関西中医鍼灸研究会もメンバーの伊田屋さんを2017年12月に招いて講演会をしています。興味ある方は以下の記事 ブログをお読みください。
http://www001.upp.so-net.ne.jp/yuihari/171209Moxafrica.pdf
http://yuisuita.sblo.jp/article/181911108.html
http://yuisuita.sblo.jp/article/177662810.html
http://yuisuita.sblo.jp/article/174847215.html

◆戦場鍼とは

米軍で使われている鍼のやり方です。耳のつぼを使う耳針です。耳を使うのは戦場でヘルメットを脱がないで治療できるためです。特殊な器具を使い 矢じりのような鍼を直接 耳のつぼに打ち込みます。矢じり形の鍼を抜くことはなくそのまま皮内鍼のように置いておきます。数日後 自然に抜けると聞いています。
戦場でのケガからの痛みや恐怖を和らげる治療と説明されていますが、兵士の薬物依存の治療としても使われることも多いようです。
米軍兵士は アフガニスタンなど自国ではなく他国で戦争をしています。何のために戦争するのかわかりにくい戦場ではストレスは倍加します。薬物蔓延は米軍の大問題となっています。

◎受付終了時間繰上げのお知らせ
10月1日より受付終了時間を午後8時から7時30分に繰り上げさせていただきます。

◎ネット予約はじめました。以下からどうぞ。
https://www.shinq-yoyaku.jp/salon/29500/

写真は大阪モノレールから撮った豊中市の民家です。
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2018年09月13日

第8回日本中医学会報告 心身症のこと

働いている患者さんたちに疲れの色がみえます。9月4日火曜に関西を襲った台風21号の被害とその後の停電のために仕事が遅れたり、新たに仕事が増えたりしているからです。疲労回復の治療を続けています。
また耳疾患をお持ちの患者さんは 台風の低気圧とその後の秋雨前線の停滞、雨模様の中で調子を崩される方もいらっしゃいます。
今回は第8回日本中医学会の報告です。専門家でない方にも興味深い報告になっています。


◆日本 中国 台湾 アメリカの鍼灸師 医師 薬剤師が一同に

第8回日本中医学会が9月8~9日 東京で開催されました。今回は世界中医薬学心身医学分科会との共同開催、「中医学国際交流の更なる展開と推進〜中医心身医学を端緒として〜」を綜合テーマとして開かれました。日本中医学会は鍼灸師 医師 薬剤師が一同に会する学会で、今回は日本 中国 台湾 アメリカからの出席者が集いました。

会頭の戴昭宇先生(香港浸会大学中医薬学院)は日本の大学で長く教鞭をとった方で日本語も堪能な先生です。今回 感心したのは海外の演者がみんな日本語のスライドを準備されていたことです。力の入り方が伝わりました。戴昭宇氏の事前の働きかけもあったことが推察できます。

◆「うつ病・パニック障害等の治療と大阪北部地震後の治療経験から〜督脉と奇経を組み合わせた治療」を講演

私は9日のシンポジウムB「中医心身医学の活用」で演者として「うつ病・パニック障害等の治療と大阪北部地震後の治療経験から〜督脉と奇経を組み合わせた治療」を講演させていただきました。じつはこのシンポの演者4人の内 鍼灸は1人。ほかは漢方薬の先生方でした。漢方薬は王天芳(北京中医薬大学基礎医学院)、田雪飛(湖南中医薬大学中西医結合学院)、西田愼二(にしだクリニック)の各先生方。それぞれ「痰熱から不安障害を治療する臨床の心得」「脳疾患治療における柴胡加竜骨牡蛎湯に関する研究」「心療内科外来の実際―エキス漢方製剤を中心として」について発表されました
漢方薬も鍼灸も中医学で使う用語は一緒ですから、理解はできますし、鍼灸治療のヒントをえることもできます。
田雪飛先生の「脳疾患治療における柴胡加竜骨牡蛎湯に関する研究」では臨床報告だけでなくマウスを使った実験結果等の各種基礎研究の成果も報告されました。
社会的に認められるにはこういう基礎研究のデーターが大切です。

中国側の座長が鍼灸の趙吉平先生(北京中医薬大学 東直門病院)で趙吉平先生に私の報告を聞いていただいたのもいい機会になりました。趙吉平先生は形神理論から頭への鍼を多用される先生で鍼灸治療の考え方に通じるものがあるからです。頭への刺針の重要性で意見が一致しました。

◆甘麦大棗湯で恐怖やトラウマをとる症例

私は発表の中で恐怖やトラウマをとる「思考鍼」を紹介したのですが、シンポジウム@「中医心身医学の現況と展望」で北田志郎先生(大東文化大学スポーツ・健康科学部看護学科)が同様の発表をされていて興味深いものがありました。甘麦大棗湯で恐怖やトラウマをとる治療です。「思考鍼」も1〜2回で劇的に変化することがよくあるのですが、甘麦大棗湯も早期に結果を出されていました。
北田先生とはその後 会話したのですが「カウンセリング等で患者の恐怖の記憶を無理に引き出さない方がいい」という点でも一致しました。

写真は講演する私や懇親会であいさつする会頭の戴昭宇先生です。右側に懇親会の司会者 北川毅先生がいらっしゃいます。
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2018年09月06日

電気復旧

本日9月6日木曜午後5時55分 結(ゆい)鍼灸院の電気が復旧しました。
明日7日から平常通り 夜8時まで診療します。
関西電力の作業車が来て 前の電柱で何か作業したところ電灯がつきました。
8日土曜は東京での学会講演のため休診とさせていただきます。
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2018年09月05日

明日9月6日木曜は、明るいうちは診療します

明日9月6日木曜は、明るいうちは診療します。18時頃までです。
結(ゆい)鍼灸院の停電は続いています。吹田市泉町2丁目の50m程の一角だけが停電中です。通りひとつ隔てて電気がついています。
鍼灸は電気がなくても治療できます。バングラディシュや阪神大震災の時のボランティア治療でも電気のない中で治療してきました。だから明るいうちは治療するつもりです。「つらいから少しでも早く治療を受けたい」という患者さんの声もあり開院を決めました。停電中ですが電話はスマホに転送して生きています。ヘッドランプや各種ライト、モバイルバッテリーも準備しています。電車も普通に動いています。停電を工夫でのりきります。
明日は気温もさほどあがらず湿度も高くありません。風通しもいい治療室なのでエアコンが動かなくてもなんとかなるでしょう。
問題は水です。結(ゆい)が入居しているマンションの屋上の給水タンクの水がつきて断水しました。屋上へ水をあげるにはポンプを動かす電気が必要です。
手洗いとトイレの水が必要です。自宅にあったポリタンクに水を入れ、備蓄していた非常用の水を結(ゆい)運び込みました。これで明日はなんとかなるでしょう。明後日もなんとかいけるでしょう。でも7日金曜には電気の復旧をしてほしいものです。
8日土曜は東京での日本中医学会での講演のために休診とさせていただきます。
いずれにせよ10日月曜からは電気も復旧しているでしょうから、通常どおり診療します。
写真は運び込んだ水です。
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2018年08月22日

心身症?じっとしていても痛い 右ひじの痛みがなんとか治った

今回は心身症ともいえる右ひじの痛みが治ったお話です。

☆じっとしていても痛い 右ひじの痛みがなんとか治った

世の中には災難というか運が悪いとしかいいようのないことがあります。
野口(仮名)さんは30代初めの働く女性です。調子がちょっと悪くなると結(ゆい)に来院され、治るとしばらく遠ざかるといった調子で通院されていました。

○○年5月に来院されました。自宅近くを夜 歩いていると突然 見知らぬ女性に右ひじを足蹴りされました。一言も発せず、突然 蹴られ、そのまま逃げて行ったというのです。通り魔のような犯罪です。一週間たっても強烈な痛みがおさまりません。じんじんと痛みます。診断書をとり警察に訴えても、とりあげてくれません。

一週間もたっているので右ひじに腫れも熱もありません。内出血の後もありません。でも じんじんと痛みます。普通の打撲の痛みはここまでひどくなりません。怒りと恐怖と実際の痛みが結びついてしまった痛みです。早く治さないと長引く慢性痛、いやな痛みの記憶になってしまうと考えました。
4週間 8回 治療したところで「当初の痛みを10とすれば今は2である」というところまで回復しアンケートをいただきました。

◆アンケート回答

非常によい効果があった。ほとんど完全になおり苦痛がない、総合的にいって治療前の苦痛を10とすれば今の苦痛は2であるという回答があり以下のようにコメントされました。

最初は物を持つだけでも痛く、生活にも支障があったが1週間に2回を3週間続けると生活に問題がなくなるまで良くなった。また利き手だっただけに1ヵ月中には痛くなくなって良かった。まだ重い物を持ったりはしていないのでもう少し様子をみながら治療を続けたいと思います。

◆自筆のコメントはこちらから
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◆考察

普通はここで3日もすれば治るのですが、野口さんはさらに一ヶ月 4回かかりました。心身症がらみの打撲といえるでしょう。いろいろ工夫して治療しました。右ひじだけでなく脳のまちがった痛みの情報を変化させるようなアプローチも多方面からさせていただきました。

◆治療家 医療関係者のみなさまに一言 
野口さんのような痛みに「おかしいな なんでそんなに痛むんだろう」「レントゲンではなんの異常もみられません」「どこにも異常はありません」などと決して発言しないでください。症状がよけいにひどくなる可能性があります。医原病をつくらないでください。
現在の診断技術では異常が発見できないだけなのですから。

※治療例は個人情報保護の観点から、患者さんの年齢、状況を大勢に影響ない範囲で少し変えている場合があります。ご了承ください。

◎臨時休診のお知らせ
9月8日土曜は日本中医学会での講演のためお休みさせていただきます。

◎受付終了時間繰上げのお知らせ
10月1日より受付終了時間を午後8時から7時30分に繰り上げさせていただきます。
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2018年08月20日

第6回国際灸法大会昆明大会

9月9日〜11日 中国 昆明で第6回国際灸法大会昆明大会が開催されます。
昨年の第5回杭州大会には私と福島哲也先生、王暁明先生が招かれました。
今回は関隆志先生、形井秀一先生、王暁明先生が招かれています。モクサアフリカのメンバーも英国から招聘されています。
国際灸法大会は世界中医薬学会連合会温灸保健推進委員会主催でお灸の学会と灸用具の見本市がセットになったような大会です。末尾の昨年の大会の動画を観てもらえば様子がわかります。

杭州に招待されてよかったのは、灸法の隆盛振りが体感できたことですが、もうひとつは中国の経済発展とIT化が実感できたことです。杭州はアリババ集団の本社があるところで「中国のシリコンバレー」と呼ばれています。アリババは中国のアマゾンのような存在で、2014年にニューヨーク証券取引所に上場しています。会長のジャック・マー(馬雲)氏は中国の若者のあこがれです。
ソフトバンクの孫氏は早くからアリババ集団に注目し投資して、莫大な利益を上げています。ジャック・マー氏は一時 ソフトバンクの取締役も勤めています。

じつは杭州大会の時に、新しく蓬(よもぎ)の栽培を始めた若い農民と食事する機会があったのですが、彼のえらのはり具合をみて「ジャック・マーみたいだから君は成功するよ」と言ったら 大層 喜ばれました。蓬はモグサだけでなく、例えば蓬石鹸とか蓬美容液として利用されていて、蓬栽培農家が次々に生まれています。
写真は第5回杭州大会の時の私と若い農民です。
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昨年の大会の動画はこちら
https://www.youtube.com/watch?v=9ThhSv7nr_g&feature=youtu.be&a=
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2018年08月08日

週刊あはきワ−ルドに記事

ネット雑誌 週刊あはきワ−ルドに「鍼灸マッサージボランティア報告 岡山県鍼灸師会と全国の仲間が被災地での活動」という記事を書きました。公開記事なのでどなたでも読めます。よかったらお読みください。
https://www.human-world.co.jp/newsitem.php?id=1755

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2018年08月07日

第8回日本中医学会学術総会 のシンポジウムに登壇します

今回は専門家 学生向けです。私が講演する学会のお誘いです。
第8回日本中医学会学術総会が日本中医学会と世界中医薬学会連合会心身医学分科会との連携によって、両学会合同の大会として9月8日〜9日に開催されます。東京 船堀ホールです。

[綜合テーマ]
中医学国際交流の更なる展開と推進
〜中医心身医学を端緒として〜

シンポジウム「中医心身医学の活用」
日本からは湯液で西田先生 鍼灸で藤井が講演します。
9月9日(日)9:00〜11:30
 王天芳先生(北京中医薬大学基礎医学院)
 田雪飛先生(湖南中医薬大学中西医結合学院)
 西田愼二先生(日本赤十字社和歌山医療センター心療内科部長)
 藤井正道(結鍼灸院)

出席される方は「第8回日本中医学会学術総会」で検索し、
申し込みフォームから申し込んでください。
https://jtcma.org/meeting.html
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