日本大学医学部の酒谷 薫教授とストレス脳の共同研究をしていましたが、7月にロンドンの国際学会(ISOTT2014)で「不安レベルへの鍼の効果と前頭前野皮質のNIRS活動計測」として発表されることになりました。
☆ ロンドンの国際学会で発表!「不安レベルへの鍼の効果と前頭前野皮質のNIRS活動計測」
ストレス脳とは脳のオーバーワークなどが原因でストレスに過敏に反応し、 オーバーヒート気味の脳の事。ひどい肩こりや頭痛、腰痛に隠れていることもあります。自律神経失調症やパニック障害、うつ病や双極性障害なども含まれます。
近赤外分光法(NIRS)、光で脳機能を測定する技術を用いて脳のストレス状態を計りました。脳(前頭前皮質)の右側と左側で血流(酸化ヘモグロビン)を計測。血流の左右差が多い人はストレス度が高く、少ない人はストレス度が低いといわれています。
鍼治療によって血流の左右差が多い人たちの70パーセントの左右差が少なくなり、あわせて心理テストの結果も改善されました。初診の時に診断し、数回の鍼灸治療の後、自覚症状が改善した時点で再度診断したものです。
鍼治療が不安を改善させるという効果が患者さん自身の感覚だけでなく、近赤外分光法(NIRS)診断でも明らかになりました。協力いただいた患者のみなさまありがとうございました。
私はロンドンには行きませんが、酒谷教授の共同研究者として発表されます。
今後はストレス脳のNIRSでの計測はいったんお休みとさせていただきます。ストレス脳については以下からどうぞ
http://www.yuisuita.com/study/
☆ISOTTは学際的な国際学会
http://www.isott2014.org/
今年で42回目となるISOTT、International Society on Oxygen Transport to Tissueは体の様々な臓器における酸素輸送に関する広い議論のための国際学会で医師だけでなく生理学者、物理学者、エンジニア、生化学者や数学者が集っています。今年の基調講演の題目を並べてみるとわかります。
「ミトコンドリアおよび細胞増殖」
「脳循環代謝、神経血管メカニズムと出生後の脳の発達」
「救急医学における酸素輸送の謎」
「低酸素に対する人間の適応:エベレストからの教訓」
「ミトコンドリア:複雑さへの鍵」
「高地トレーニング及びEPOドーピング後酸素運搬」
以上のような具合です。酒谷教授も医学部脳神経外科と工学部電気電子工学科を兼任されています。そのような学会で鍼灸の効果が発表されることは、鍼灸のより科学的な解明へと道を拓くものとなるでしょう。
2014年03月28日
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