2014年01月31日

ネット上で乳腺炎の治療の紹介は不十分すぎる

乳腺炎の治療例を年明けから3例ほど紹介しました。以下のようになります。

A.1回で治った乳腺炎、肩こりも消えました
http://www.yuisuita.com/acupuncture/cat_woman/entry_1112/

B.痛い乳腺炎が治った
http://www.yuisuita.com/acupuncture/cat_woman/entry_1104/

C.乳腺炎も針灸で治ります
http://www.yuisuita.com/acupuncture/cat_woman/entry_1084/

その後、ネット上で乳腺炎の治療がどんなふうに紹介されているのかをざっと見ましたが、不十分なものが多くて驚きました。

☆ネット上で乳腺炎の治療の紹介は不十分すぎる

複数のHPで葛根湯が紹介されていましたが、あるページの以下の説明には唖然としました。

「漢方薬は効き目が穏やか。なので、飲んで、劇的にすぐ良くなるというわけではありません。でも、少しでも良くしたいママにおすすめ。 葛根湯を飲んで、ゆっくり休んではやく乳腺炎をなおしましょう! お守り代わりに、おうちには常備薬として葛根湯をいつも置いておくのも良いかもしれませんね。」以上はおおまちがいです。

葛根湯はすぐに効く薬です。即効性があります。そして漫然と続ける薬ではありません。葛根湯の中には麻黄という生薬があります。麻黄はエフェドリンという覚せい剤に似た成分を含み、交感神経を興奮させる作用があります。一時的に使う分にはいい薬ですが、長期使用には副作用があります。

牛蒡子(ごぼうし)も紹介されていましたが、これも合う人と合わない人がいます。乳腺炎一般に効く漢方薬があるわけではないのです。患者さんの身体の状態に合った漢方薬を選ぶこと、個別の身体の状態を把握すること、証(しょう)が大切です。
率直に言って証(しょう)は素人が簡単にわかるものではありません。結(ゆい)の針灸は証に合わせて治療していきます。

乳腺炎の証を簡単に紹介すると気虚(ききょ)と気滞(きたい)があります(本当はもっと複雑ですがあえて単純化しています)
気虚(ききょ)はエネルギー不足、気滞(きたい)は気の流れがつまった状態です。実際にはこの中間にさまざまな気虚兼気滞が存在します。どの程度、気を補いどの程度 気をめぐらせるかが鍼灸師の腕の見せ所です。そして気滞は粗食が適していますが、気虚にはあいません。紹介した例でいうとBは気滞中心、AとCは気虚兼気滞です。
昔はBのような方が多かったのかもしれませんが、今はAとCのような方も多いのです。乳房マッサージは「桶谷式マッサージ」が有名で、すぐれたやり方です。ですが厳格な粗食の食事療法を一律に授乳中の女性に求める面があり、そこには疑問を持っています。AとCのような方に粗食は合いません。
posted by ゆい at 16:06| Comment(0) | TrackBack(0) | 女性科
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