2012年07月31日

うつ病の治療指針 日本うつ病学会

結(ゆい)針灸院、関西中医鍼灸研究会の藤井です。
7月27日の朝日新聞1面に「うつ病 初の治療指針」との記事が掲載されました。日本うつ病学会が医師向けの治療指針をまとめたもの。指針は下記で見ることができます。http://www.secretariat.ne.jp/jsmd/0726.pdf
内容を一部要約すると以下のようになります。私の要約ですから朝日新聞の記事とは異なります。

◆要約 うつ病の治療指針

従来は軽症も中程度のうつ病もひとくくりにして抗うつ剤が効くとして薬をだしてきましたが、じつは軽症うつ病では薬が本当に効いているのかわからないことも多く、効く効かないと意見も分かれています。副作用のこともあるので安易に抗うつ剤等をださないようにしてください。抗うつ剤を使う場合でも漫然と長期に使用しないでください。患者さんの話をよく聞き、家族とも話をして患者さんの全体像をつかんでください。患者さんにしっかり寄り添い、気持ちの支えになるようになることが大切です。
中程度から重症のうつ病も1種類の抗うつ剤を使うことを基本として、多くの種類の抗うつ剤を使わないようにしてください。いわゆる多剤併用はしないこと。多剤併用に何の医学的根拠もありません。
若者の軽症抑うつ状態の一側面をきりとったいわゆる新型うつ病はマスコミ用語であり、精神医学的には深く研究されていないのでここではとりあげません。要約以上
いわゆる新型うつ病を若者の軽症抑うつ状態と表現していますから、文脈からいくと軽症うつ病以上に安易に抗うつ剤等をださないようにということになります。

私は抗うつ剤等が多剤併用されているうつ病の患者さんを毎日のようにみています。今回の治療指針の方向で精神医療が変わっていくことを本当に切望します。

◆専門家の皆さんへ
専門家、針灸学校学生の皆さんは是非、治療指針の原文を読んでください。61ペ−ジありますが、軽症うつ病については25ページまでです。臨床でよくみるのは、軽症うつ病ですから最低限そこまでは読んでください。
専門誌 中医臨床 6月号通巻129号に私の論文「督脈と奇経を組み合わせたうつ病、双極性障害、パニック障害の治療」が掲載されています。治療指針を読まれた後にどうぞお読みください。より深く理解できます。
posted by ゆい at 10:50| Comment(0) | TrackBack(0) | うつ、パニック障害
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