☆退職を早まらないで、気持ちも気分もかわります
30代の事務職の女性が1ヶ月前から体調がおかしいと来院されました。ある日、自宅で急に手足の力がぬけてから、気分が落ち込むようになったとのこと。理由もなく不安になります。朝はとくに気分が落ち込みます。咳もあり、息が吐きにくく、のども耳もつまります。肩こりもひどくなりました。
2ヶ月前に激しい咳が続き、今も軽い咳が続くのが気になる様子。気管支炎のないことは医療機関で確認済み。西洋医学では心因性の咳と呼ばれる咳です。中医学では肝気上逆(かんきじょうぎゃく)の咳です。
1年前に結婚されたという新婚さんでした。ただ結婚後は夫の遅い帰宅にあわせて就寝するようになり、睡眠時間が6時間から4時間に減りました。寝つきが悪くなったため実際はもっと少ししか眠っていません。
「広い世界、自分が生きているのに何の意味があるのかしら。」「仕事が合ってないのかなあ。」とおっしゃるのを「退職はしないでください、どうしても休みたいなら休職にしてください。」と思いとどまってもらいながら治療開始。2回で眠れるようになり、気持ちも少し落ち着いたようなので、睡眠時間を6時間にもどすようお願いしました。
1ヶ月半9回で症状はほぼ消失。2ヵ月後には肩こりも感じなくなり、時々再発していたのどのつまりも消えました。
先日、久しぶりに来院されたときは「あの時は仕事をやめようなんて、なんてバカなことを思ったんでしょう。」と笑っていらっしゃいました。結(ゆい)には彼女のような患者さんがよくいらっしゃいます。そして彼女のように治っていかれます。
気分と身体が重く沈みこむような時は温かい朝食をとるよう心がけてください。食べられないときは温かい飲み物でも結構です。彼女もパン、ヨーグルト、バナナのみの朝食だったのですが、温かいものを加えてもらったところ、午前中ぼんやりするのがずいぶんよくなりました。
※治療例は個人情報保護の観点から、患者さんの年齢、状況を大勢に影響ない範囲で少し変えている場合があります。ご了承ください。
暑くなってきました。写真は万博公園の日本庭園内の滝
