うつ病や自律神経失調症の患者さんを多数治療しています。今回は仕事の仕方のお話。
うつ病や自律神経失調症の患者さんに質問することがあります。
A.人当たりもよく、仕事はすぐに引き受けてくれて、それなりにしっかりやってくれるのだけれど1〜2ヶ月もすると急に病欠で2〜3日休んでしまい、仕事が予定通りに進まなくなる部下。
B.仕事を回そうとすると、「ここまでは出来るけれどこれ以上はできません」とはっきり言う。少々生意気なところもあるが、その代わり引き受けた仕事はきちんとこなしている部下。仕事が少し遅れることはあるが、遅れることを途中で報告してくる。会社を突然休むこともない。
あなたが上司だったらどちらの部下が使いやすいですか、信頼できますかと質問します。患者さんは仕事を抱え込みすぎたり、無理な要求を「はいはい」と引き受けたりする傾向の方が多いのです。できない量の仕事を抱え込んで倒れるよりは、適正な量の仕事をきちんと安定してこなしていく方があなたにも、上司にも会社にもいいのではないのでしょうかと話します。
あなたが倒れると上司も監督責任を問われます。できない上司、わかってくれない上司かもしれないけれど上司もつらいのです。仕事を抱え込みすぎるあなたの傾向を見抜き、適正な仕事量を按配し、うまくいったらきちんとほめてくれる。そういう理想的な上司はそうそういるものではありません。これ以上はできませんとはっきり主張しわかってもらうことは大切です。正しい、間違っているという話しではありません、交渉して妥協点をみつけてください。そんなふうに言う時もあります。
鍼灸治療して回復していくと、患者さんは落ち着きをとりもどし、仕事に優先順位をつけてなんとか処理していけるようになります。つらかった頃に戻らないように仕事量を調整します。「何であんなに、ものにとりつかれていたように働いていたんだろう」という声も聞きました。鍼灸治療は元気になるだけでなく不安をなくし落ち着きを取り戻す効果があるのです。
うつ病や自律神経失調症にならないにこしたことはありません。時には少しだけアクセルをゆるめましょう。仕事にメリハリをつけるのです。「商売は牛のよだれのごとく」という言葉もあります。牛のよだれのように細く、長く、粘り強く続けていくことが大切という意味。人生は結構長いもの。低成長時代の今、燃え尽きるより「牛のよだれ」です。
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2011年01月09日
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