一日の温度差が激しくなっています。風邪にご注意ください。今回は長引く風邪と間違えそうな、でも呼吸器に異常はない咳のお話です。
心因性の咳といわれる症状があります。いろいろ検査しても異常がなく、いろいろな呼吸器系アレルギー系のお薬を飲んでも効かない咳のことです。
はっきりと「あなたは心因性の咳です」と診断された患者さんが来院されるわけではありませんが、「どこにいっても何をやっても咳がとまらない」といって来院される患者さんは結構いらっしゃいます。痰が出ることはないのですが、「痰のようなものがのどにある」とか「のどがいがいがする」と訴える方もいらっしゃいます。咳は長引いているのですが、夜はいったん寝付いてしまうと、咳のために夜も何度も目が覚めることはありません。西洋医学では精神安定剤などが処方されることが多く、そういった「薬を飲みたくない」という理由で来院される方もいらっしゃいます。経験からいうと長引いていたわりには意外にあっさりと治ることが多い咳です。頑固な肩こりを伴うことも多く、肩こりを治す目的で来院され、ついでに咳も治すという展開となります。
先日、ある女性が「咳だけが突然、2日前から出てきた」と来院されました。風邪を疑わせる症状はなく、痰もありません。ただむせ返るような咳が続いています。非常に緊張を要する仕事が終わったところ。緊張がうまくほぐれていないのか寝つきも悪くなっています。「おへそから喉に向けて、豚が駆け上がっているのですよ」と説明しました。中医学には奔豚気(ほんとんき)という診断用語があります。むせ返るように腹から何かが上がってくるような状態を古代の人は奔豚気(ほんとんき)と表現したのです。経絡(けいらく)の異常からおこります。奔豚気を治す鍼をすると咳はその場で止まり、再発することはありませんでした。
「どこにいっても何をやっても咳がとまらない」という方は一度お近くの鍼灸院か結(ゆい)までご相談ください。
※治療例は個人情報保護の観点から、患者さんの年齢、状況を大勢に影響ない範囲で少し変えている場合があります。ご了承ください。
2010年10月22日
この記事へのトラックバックURL
http://blog.sakura.ne.jp/tb/41445496
※言及リンクのないトラックバックは受信されません。
この記事へのトラックバック
http://blog.sakura.ne.jp/tb/41445496
※言及リンクのないトラックバックは受信されません。
この記事へのトラックバック
私も何をしても咳が止まりません…