2010年06月27日

顎関節症の見方がかわってきた

湿度が高くうっとおしい気候が続きます。休日はゆっくりお過ごしですか。
6/25の日経新聞夕刊に顎関節症の記事が載っていました。
記事の冒頭にこんな文章があります。
「口が開きにくい」「あごが痛い」などの症状が出る顎(がく)関節症。症状の軽いケースも含め、日本人の3〜4割が経験するともいわれる。ここ数年は歯を削らずに、患者の癖を直す生活指導や、関節や筋肉のトレーニングによって症状を改善する手法が主流になってきた。以上

顎関節症の見方がかわってきたのは患者さんにとって朗報です。記事によると

顎関節症の原因は長らくかみ合わせに問題があるからだと考えられてきた。治療法は歯を削ったり、樹脂製マウスピースを口にはめたりして、かみ合わせをよくする方法が主流だった。だが、なかなか改善しないだけでなく、かえって悪化する患者も多かった。以上

マウスピースを使って苦しい思いをした患者さんを何人も診てきましたから、こういう記事は大歓迎です。もともと顎関節症になる方はストレスをためこみやすい方が多いのです。そういう方にマウスピースは非常にストレス。「しばらく我慢したけれど、とうとう我慢できずやめた、やめたら少し楽になった」という話を何人かの患者さんから聞きました。
顎のかみ合わせが悪いから、顎の痛みも首の痛みも治らないと思い込まされている患者さんもたくさん診てきました。実際は針灸治療で治っていくのですが、思い込みは治療の障害になります。歯科矯正こそが根本的治療法という洗脳から解放していくのはなかなか骨が折れるのです。8年前2002年3/27の結(ゆい)通信No.6では当時の噛み合わせ矯正中心の治療を批判しました。一部抜粋すると以下のようになります。

「この異常は噛み合わせがわるいことからきているのではないかと説明されることが多いのですが、私はちょっとおかしいと思っています。実際には噛み合わせが悪いと必然的に顎関節症がおこってくるわけではないからです。噛み合わせが悪いのが直接原因か単なる誘因の一つかという点については歯医者の間でも意見が割れています。」
「顎関節は伝統的中国医学の気の流れる経路、経絡という考え方からするとおもには少陽経と呼ばれる気の流れる経路に位置しています。 鍼灸で実際に治療している立場からすると まず少陽経の経路のどこかに気の乱れが生じ、口を開けると痛い、開かないという症状が出てきてしまう。と考えたほうがいいのではないか思っています。」
「顎関節症からくるとされるさまざまな全身症状があります。頭痛 肩こり 目の痛み 耳鳴り さまざまな自律神経失調症状等々。これは少陽経の流れが乱れておこる症状と重なる部分が多いのです。」以上

6/25の日経新聞夕刊は以下で読むことができます。顎関節症の方はこの記事で紹介されているあごのトレーニング等をやってみるのもいいかもしれません。針灸治療を併用するともっと症状が改善されるのはいうまでもありません。
http://www.nikkei.com/life/health/article/g=96958A96889DE2EBEAE3EBE1EAE2E0E6E2E4E0E2E3E2979EE382E2E3;p=9694E0E4E3E0E0E2E2EBE1E3E2E3

◆専門家、学生の方へのお知らせ

☆7月の関西中医鍼灸研究会

◎早川会員の中医学講義と実技 陽維脈と陰維脈
東洋医療学院での邵先生の長年の講義録をもとにしたものです。鍼、推拿の手技、気功をもりこんだものになります。
《日時》 7月3日 土曜18:00〜21:00
《場所》大阪生涯学習センター 第3研修室 (大阪駅前第2ビル5F)
◆邵先生の中医学講義と実技 刮さ(かっさ)療法は9月4日土曜に延期となりました・

posted by ゆい at 14:58| Comment(0) | TrackBack(0) | 頭痛、肩こり
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