先日治療したある高齢の患者さんは「聴力も少し良くなった。何より聞きやすくなって助かる。高価で性能のいい補聴器はやめることにする。音は大きくなるのだが雑音も大きくなって聞きにくい。」とおっしゃいました。
音は空気の振動が耳の中の蝸牛というところで電気信号に変わり、聴神経を通じて脳に運ばれます。ただそれで言葉が理解できるわけではありません。日常の「聞く」は言葉を理解して初めて「聞く」となります。大脳皮質の様々な場所にある言語野(げんごや)が働いて「聞く」となります。聴覚野(ちょうかくや)だけでなく言語野も大切です。
☆いっしょに脳を活性化しています
私は中医学の伝統的なやり方で治療していますが、そのツボの使い方はうつ病等の治療と共通するものがあります。言語野を刺激しているのだと考えています。難聴の治療を本格的に始めたのは2005年からですが、それ以前から「うつ病」の患者さんを多数 治していました。私の難聴、耳鼻科疾患の治療は、「うつ病」「双極性障害」「パニック障害」等の治療経験をふまえたものです。患者さんには「耳の機能回復といっしょに脳を活性化しています」とお伝えしています。
※APD(聴覚情報処理障害)については以下をご覧ください。私の治している患者さんの中にはAPDとまではいかないけれど、一時的に近い状態になっている方もいるかもしれないと考えています。
NHKのラジオ NHKジャーナル 放送日:2019/12/24
https://www.nhk.or.jp/radio/magazine/article/nhkjournal/78zXdJ_Qo.html
