コロナ禍になってから約2年がたちました。大阪の人口当たりの死亡者数は全国1位です。昨年は過酷でした。人口100万人当たりの死者347.8人、2位は北海道で281人です。
https://web.sapmed.ac.jp/canmol/coronavirus/japan_death.html
昨年10月段階の武漢の死者3869人を人口比で計算してみると351.7人。大阪はゆるやかに進行する武漢でした。

じつはコロナ後遺症の治療も1年前からやっています。数人の患者さんを治療してきました。コロナが治って感染力がなくなったことがはっきりしている患者さんの治療です。発熱している方の治療はお断りしています。
経験からいうと倦怠(けんたい)感、ブレインフォグ(脳の霧)と呼ばれる思考力の低下などに鍼灸はよく効きます。うつ病の治療を応用して治療しています。
味覚障害は1〜2回で改善します。嗅覚障害もすぐに改善しますが、味覚障害よりは時間がかかります。コロナ以外の味覚障害、嗅覚障害はいったんよくなったらそのまま安定していることが多いのですが、コロナでは波があります。脳の状態が関係しているためではないかと考えています。
☆40代の看護師さんのコロナ後遺症の治り方
職場の病院のクラスターで感染しました。2週間 コロナに苦しみ体重も一時は7キロ減りましたが、現在は戻っています。職場復帰しています。発症後約1カ月で来院されました。
味覚嗅覚障害、聴覚障害が残っていました。からい、すっぱいはわかるがうまみがわからない。嗅覚はほとんどありません。職場で世話する患者さんの汚物のにおいがわからないそうです。
聴力も片方の耳の低音が低下、125ヘルツが約40デシベルです。耳鳴りもあります。ほかは10から20デシベルで正常です。
約一か月半に7回治療しました。味覚は以前を10とすると7〜8。嗅覚は以前を10とすると7 ただ安定していません。耳の不快感や耳鳴りはなくなりました。3か月後には味覚も臭覚も感染以前に戻りました。聴力も回復しました。ただミーティングで多数が話をすると、聞き取りづらい時もあるそうです。
◆鍼灸師の皆様へ
上記の患者さんの主な配穴を示しますので、参考になさってくだい。看護師さんは 肝気鬱滯でした。コロナ感染中も酸素飽和濃度の低下はみられず、肺炎にはなっていなかったようです。
配穴
四紳聡 攅竹 印堂 迎香 患側の耳門(TE21) 聴宮(SI19) 頷厭(GB4)
頸部散鍼 中枢(GV7) 至陽(GV9) 身柱(GV12)に灸頭鍼
大椎に刺鍼と棒灸 鍼は3番0.20mm 以上は側臥位で治療。
仰臥位で大椎(GV14)天突(CV22)に生姜パック 患側の耳の鍼の上に無煙温灸器 廉泉(CV23) 合谷 列缺 照海(KI6) 足三里(ST36)
鍼灸はコロナ感染症の後遺症の治療に有効です。積極的に治療をしていきましょう。