「通っているとなんだか調子がいい」という治療も価値がありますが、明確な症状を的確に治していく治療、ちゃんと卒業できる治療こそがポストコロナの時代に いよいよ求められます。少ない回数で治る、接触回数を減らして的確に治る治療です。結(ゆい)がコロナ以前から、目指していた方向です。
※治らない難病で緩和やQOL(生活の質)の向上を目的とする治療もあります。
☆4回で治った急性低音障害型感音難聴(ALHL)
急性低音障害型感音難聴(ALHL)と診断されていた40代の女性が来院されました。明確な症状を的確に治していく治療の一例です。
4月初め 夜に気持ち悪くなりました。翌朝から右の耳鳴りが始まり、耳鼻科に行くと急性低音障害型感音難聴(ALHL)と診断されました。聴力検査で低音の聴力が落ちていました。実際 聞き取りにくいそうです。いつもよりも首もこるようになっています。薬を飲んでも一向に変化がないので結(ゆい)にいらっしゃいました。
2回治療したところ 聞き取りにくさはなくなりました。 耳鳴りは 夜 眠る時に少し気になるくらいと改善しました。首のコリは治りました。3回目の治療の後にアンケートをいただき4回目で卒業していただきました。
◆コメント(アンケート回答)
「非常によい結果があった。ほとんど完全に治り苦痛はない」というアンケート回答をいただきました。コメントは以下の通りです。
4月はじめに耳鳴りが発生して1カ月ほどいろんな所へ行って治療に時間をかけていましたが もうひとつ効果がなくあきらめていました。
でも当院で初めて治療していただいた夜からはっきり効果を実感できてとても助かりました。ありがとうございます。

◆考察
急性低音障害型感音難聴(ALHL)は、突発的に耳がつまり、耳鳴り、難聴になります。めまいはありません。ぐるぐるは回らないけれど、ふわふわするといった方はいらっしゃいます。
内耳にリンパ液がたまりすぎるメニエール病(内リンパ水腫)の初期症状の可能性も高いといわれています。いずれにせよ鍼灸でよく治ります。治ればメニエール病にはなりません。
中医学では右耳周囲の経絡(けいらく)、気の流れがうまく流れなくなったためにおこった難聴と考え治療します。首コリも同じ気の流れの不調からです。春は耳周囲の経絡(けいらく)、気の流れの不調がおこりやすくなります。じつは今回の患者さんは人と密接に接するお仕事です。新型コロナ感染症のストレスもおおいに影響したのでしょう。