2020年03月20日

新型コロナウイルス病 2019(COVID-19)に関するWHO-中国合同ミッション報告書の紹介と感想 その1

電車の窓を開けようという話を書いて数日したら、電車の窓が開いていました。私が窓を開けている様子を見て、同様のことをする仲間が増えたのかと一瞬 喜んだのですが、そんなはずはない。どうやら車掌さんが開けている模様。路線によっては窓を開けてくださいというアナウンスもされているようです。

TVのワイドショーやツイッターもいいけれど、やっぱり基本は公式情報からというのが私のスタイルです。WHOの合同調査が中国で行われていて報告が厚生省のHP等に上がっています。報告書の一部を抜粋し感想を書きます。※が私の文章です。
専門家のみなさまはぜひ 全文を読むことをお勧めします。

厚労省の「日本とWHO」のページ
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/hokabunya/kokusai/who/index.html#COVID19
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に関するWHO−中国合同ミッション報告書
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)WHO公式情報特設ページより
https://extranet.who.int/kobe_centre/sites/default/files/pdf/WHO%E4%B8%AD%E5%9B%BD%E5%90%88%E5%90%8C%E3%83%9F%E3%83%83%E3%82%B7%E3%83%A7%E3%83%B3%E5%A0%B1%E5%91%8A%E6%9B%B8_20200309.pdf

中国、ドイツ、日本、韓国、ナイジェリア、ロシア、シンガポール、アメリカ合衆国、および世界保健機関(WHO)からなる 25 人の国内および国際専門家で構成されたチーム。
2020 年 2 月 16 日から 24 日までの 9 日間にわたって実施した。

◆世帯内感染
中国では、COVID-19 ウイルスのヒトーヒト感染の大部分が家族間で発生している。
広東省および四川省での 1308 例(報告された合計 1836 例のうち)を含む 344 のク
ラスターにおいて、ほとんどのクラスター(78%〜85%)が家族で発生している。世帯内感染の調査研究は現在進行中だが、広東省における進行中の予備研究からは、世帯内での二次伝播の割合は 3〜10%であると推定している。

※感想 世帯内伝播は3〜10%であると推定、つまり約90%は家庭内で感染を防いでいるということで中国のみなさん 結構 がんばっている印象。だけどクラスターの78%〜85%が家族で発生しているのも事実です。「軽症者は自宅で」と最初は中国も今の日本と同じ方針だったけれど、途中から臨時医療施設収容に切り替えています。
専門家会議が「新型コロナウイルス感染症対策の状況分析・提言」(2020 年 3 月 19 日)の中で以下のように書いているのは上記の事情を考慮したものでしょう。

症状が軽い陽性者等が、高齢者や基礎疾患がある人と同居していて家族内感染のおそれが高い場合は、接触の機会を減らすための方策を検討する。具体的には、症状が軽い陽性者等が宿泊施設等での療養を行うことや、同居家族が受診した上で一時的に別の場所に滞在することなど、家族内感染リスクを下げる取組みを行う。以上 提言より

◆接触者追跡
中国には、COVID-19 に関して感染者および接触者を識別するための非常に緻密な施策がある。例えば、武漢には、1 チームあたり最低 5 人の疫学者を含む 1800 以上の疫学チームが 1 日に数万人の接触者を追跡している。接触者のフォローアップは骨の折れる作業であり、特定された濃厚接触者は高い割合で医療観察を受けることになる。 その後、場所にもよるが接触者の 1%〜5%が検査確定例(感染例)となっている。

※感想 スマホの分析 監視カメラの顔認証等 あらゆる手段を使っている模様。感染例はネットで公開され、人々が感染に結びつく行動をとらないよう注意喚起されているようです。どこまでの監視を容認するかは その国によって違うでしょう。

◆発熱外来での検査
広東省の発熱外来では、COVID-19 ウイルス検体の陽性割合は、1 月 30 日の 0.47%をピークに、2 月 16 日までに 0.02%まで減少した。広東省全体では、約 320,000 の発熱外来のスクリーニング検体のうち 0.14%が COVID-19 陽性だった。

※中国は発熱外来を設置、おかしいかなと思ったら一般病院ではなく発熱外来に行く仕組みです。

◆医療現場および医療従事者における伝播
40,000 人以上の医療従事者が武漢での対応を支援するため中国の他の地域から配置された。個々の限られた院内感染のアウトブレイク(例えば、武漢で 15 人の医療従事者が関与した院内感染)があったものの、医療施設内および医療従事者間の感染は、中国の COVID-19 の主な伝播様式であると思われない。合同ミッションを通じて、これら医療従事者における感染のうち大部分が、この新興感染症に対する医療物資と経験がまだ少なかった、武漢のアウトブレイクの初期に特定されていたことが分かった。
さらに、医療従事者の調査では、多くが医療機関ではなく家庭内で感染した可能性が示唆された。

※感想 武漢の初期は別として院内感染は思ったより少ない。COVID-19の専門病院をつくって、一般病院と分けたのが正解だったのか。3月20日の日経新聞朝刊では厚労省は新型コロナ専門病院や専門病棟の設置を都道府県に要請するとのこと。正しい方針ですが、要請だけでは無責任。国が予算を付けるのとセットであることが必要です。
「医療従事者が医療機関ではなく家庭内で感染した可能性」を指摘されています。関連しますが医療従事者は家族にうつすことを心配しています。私も風邪をひいたら結(ゆい)にこもります。風邪か新型コロナウイルス感染症か症状からはわからないからです。医療従事者、新型コロナ専門病院スタッフは中国のように専用の宿泊施設に宿泊してもらうのが適切ではないでしょうか。
新型コロナ専門病院スタッフには特別手当もいるし、家族には家事労働の援助の家政婦さんを送るぐらいのことをやってもいいと思います。中国でも一部 行われています。対コロナ戦争の最前線に立つ医療従事者の士気を高めることが何よりも重要と考えています。新型コロナ専門病院スタッフの宿泊施設で何より大切なのは、温かくてうまい飯です。

続く
WHOHP.png
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