中国の国家衛生健康委員会は新しい情報をもとに診断と治療指針を出しています。1月28日に第4版が出ました。漢方薬についても、いくつかの薬を推奨しています。
以下の文は藤井が一般人向けに必要と思われる部分を私の責任において抜粋 要約 加筆したものです。原文は以下からどうぞ。
https://tech.sina.com.cn/roll/2020-01-28/doc-iihnzhha5062549.shtml
◆新型コロナウイルスによる肺炎の診断および治療プログラム 第4版
☆消毒については紫外線殺菌も効きます。塩素もアルコールも有効です。次亜塩素酸ナトリウムも物の表面の消毒には有効です。
☆飛沫感染しますが、空気感染はしません。一般の風邪 インフルエンザと同じです。
☆潜伏期間は通常3〜7日間で、最大14日間です。
☆抗生物質の使用に注意!
抗菌薬治療:抗菌薬の盲検または不適切な使用、特に広域抗菌薬の組み合わせは避けてください。
※ウイルスに抗生物質は効かないので安易に使うなと書かれています。日本では「風邪に抗生物質は無効」という指針が出ているのに実際は乱用されているので、特に注意が必要です。
☆主な症状は、発熱、疲労、乾いた咳です。鼻詰まり、鼻水、下痢などの症状は少ないです。肺炎なのに、風邪の初期症状のようなものが少ないのが特徴です。発熱もインフルエンザのような高熱がでない場合が多いようです。
☆重症の場合、呼吸困難は1週間以上後に起こります。重症の患者の場合、中度から低度の発熱があるのですが、ひどい高熱はありません(発熱の温度は原文にありません、インフルエンザとの比較も私の加筆です)ひどい高熱がないことは注目すべき点です。
※29日にチャーター機で武漢から帰国した40代の日本人男性が肺炎と診断されましたが発熱は37度6分でした。高熱ではありません。
そうはいっても発熱以外 はっきりした症状が少ないので、国家衛生健康委員会のハイレベル専門家グループのグループ長 鐘南山氏(84歳)は以下のように言っています。
・今でも発熱が主要な症状。
・10〜14日間が隔離観察期、潜伏期が過ぎて、発病したら直ぐに治療、発病しなかったらほぼ問題なしといえる。以上
鐘南山氏はSARS(重症急性呼吸器症候群)の時に活躍した専門家で、当時の中国政府の隠蔽の動きに決然と反対し国民の信頼の厚い人です。今回も新型肺炎抑え込みのトップに抜擢され高齢ながらも中国全土を飛び回っています。中国メディアは鐘南山氏(鐘院士)の働きを以下のように伝えています。
鐘院士は連日、広州から武漢、そして北京へと足を運んで、現地で新型コロナウイルスの感染による肺炎の拡散状況の調査を行ったほか、予防・抑制案の検討、記者会見への出席、メディアの生放送へのオンライン出演、最新情報の解説などに引っ張りだことなっており、多忙を極めている。
鐘院士は18日、深センで新型コロナウイルスの感染とみられる肺炎患者の緊急治療に当たった後、広州に戻り、同日午後の広東省衛生健康委員会の会議に出席していたところ、ただちに武漢に向かうようにとの要請を受けた。
同日の航空チケットはすでに完売していたため、夕方5時過ぎに高速鉄道で武漢に向かった。ただ、春運(春節<旧正月、今年は1月25日>期間の帰省・Uターンラッシュに伴う特別輸送体制)期間中であるため、高速鉄道のチケットも手に入りにくく、食堂車の席に座るしかなかった。 以上 中国メディア
☆むやみに恐れなくてもいい 賢く注意しよう
指針はいいます。現在の症例から判断すると、ほとんどの患者の予後は良好であり、小児は比較的軽度の症状を示し、少数の患者は重篤です。死亡は、高齢者や慢性の基礎疾患を持つ人に多く見られます。つまり 重症化する人は少ないのです。
鐘南山氏も「10〜14日間が隔離観察期、潜伏期が過ぎて、発病したら直ぐに治療、発病しなかったらほぼ問題なしといえる。」と言っています。初期症状がはっきりしないため、少し発熱しても自然に治っている、つまり感染とカウントされていない人も中国には多数いることでしょう。賢く注意しましょう。私は2016年に「風邪をひいたら職場を休もう」とメルマガに書きました。再度 言います。「風邪をひいたら職場を休もう」と。日頃 健康な人は自宅で静かに過ごしてください。新型肺炎の抑え込みにも有効です。
https://www.yuisuita.com/acupuncture/cat_cold/entry_1218/
※2020年1月29日 時点の見解です。写真は新型肺炎拡大で多忙極める呼吸器疾患専門家・鐘南山院士
