電子温灸器を3種類 業者から借り受けて比較し、そのうち1つを購入しました。
セイリンのセラミック電気温灸器と株式会社チュウオーの一灸とHandyQです。
◆台座灸の感覚に近いのは株式会社チュウオーの一灸とHandyQ
台座灸の感覚に近いのは株式会社チュウオーの製品でした。お灸のできない環境で台座灸の温感を出したい治療家にはお勧めです。熱がゆっくり来てゆっくり去っていきます。顔のツボにも使えます。
先端が赤く光るのですが、目の近くで使うとまぶしくなります。「光はプロの治療家には必要ない。光を消すことはできませんか」と注文を出すと、光を消せるHandyQを試作品として送ってくださいました。すばやい対応、いいものをつくろうという開発陣の姿勢には頭が下がります。これなら晴明や攅竹にも使えます。お灸のできない環境でお灸を使いたい治療家には試作品のHandyQがお勧めです。「光らないHandyQ」と直接 株式会社チュウオーと交渉してください。
◆使い方をいろいろ工夫できるセイリン
セイリンはお灸というよりも熱源器です。棒灸のように使うこともできれば点灸のようにも使えます。三角形のセラミックの先端は手足の井穴を刺激するのにも使いやすくなっています。髪の毛の間にも入りやすく熱が簡単に伝わります。チュウオーは先が円柱状なので髪の毛の豊富な人はかき分けなければ、熱が伝わりにくいようです。
写真のようにセラミックの広い面を肌に押し当てて経絡にそって動かす、温通法ができます。棒灸を経絡にそって動かすのと同じような感覚を感じられます。
◆私が電子温灸器を買おうと思った理由
私は阪神大震災、東日本大震災、熊本地震、岡山県真備町の豪雨災害の被災地に入り被災者に鍼灸ボランティアを施術してきました。お灸が使える時もあれば、使えないときもありました。使えないときは無煙灸を使っていました。しかし火をつかうこと自体が制限される可能性があります。震災等の災害が起こったときに簡便に使えて温灸に代替できるものが欲しいというのが購入動機です。
災害時だけでなく日常の診療でも お灸とは別の使い方で使えたらいいなという希望もありました。
岡山県真備町では無煙棒灸を両手に持って督脉上を動かして通陽したところ患者さんには大好評でした。セイリンを督脉にそって動かせば、棒灸を手に持って動かした時と似た感覚を患者に与えることができることを発見しました。
足の井穴への点灸は通絡して足の冷えをとるのに効果があります。けれど痛い。効くには効くが痛い。セイリンは そこまで痛くなく、通絡の作用もほどほどにあります。痛みをこわがる患者さんには使いやすいでしょう(一灸とHandyQも井穴には同様に使えます)
そういう訳で私はセイリンのセラミック電気温灸器を購入しました。お灸に代えてというよりは、新しい熱源器として いろいろ工夫して使っていくつもりです。3ヶ月もすればもっと多彩な使い方をみなさんにお伝えできることでしょう。
写真の左がセイリン 右がHandyQです。

セイリンを肌にそって動かし、通絡しているイメージです。
