自律神経の乱れによる疾患が多く、調子が悪くなったら結(ゆい)にいらっしゃいます。1時間半くらい通院にかかるところにお住まいのため 当初は近くの鍼灸院に行かれるのですが、治らないときは当院にいらっしゃいます。
☆胸の違和感は3回でなくなりました
○○年1月に来院されました。胸が「ころんころん」となる感じがする。胸に違和感があるという訴えです。
10月頃から2ヶ月間 食欲がなくなり、同時に乗り物酔いしやすくなりました。日によって身体に力が入らないことがあります。
この時は1週間に3回治療して治りました。3回目に以下のアンケートをいただきました。
◆アンケート回答
よい効果があった。少し苦痛はあるが ずいぶん楽になった。総合的にいって治療前の苦痛を10とすれば今の苦痛は3であるという回答があり以下のようにコメントされました。
体のしんどさがずいぶんとれてきました。(院長から)もう1回の通院で良いのではと言われましたがもう少し 10日に一回ぐらい来させていただきたいです。元気になれば 月1ぐらいでお願いしたいです。アンケート以上
◆自筆のコメントはこちらから

実際はこれで治療を終わり、次に来院されたのは1年後の9月でした。
☆暑くなると体温も上がってしまい、身体がしんどい
8月初めに西日を20分くらい浴びてから、体温が1度 平熱より高い状態が続くようになった。近くの鍼灸院に4回ほど行ったら、暑い時には体温が高く涼しい時は平熱にもどるといった状態になったが、そこからなかなか治らないので当院を思い出したとのことでした。自律神経の異常です。庭を掃くとかちょっとした作業で身体がすごくしんどいという訴えでした。
今度は瀉熱(しゃねつ)という過剰な熱をとる治療をしたところ1週間に2回の治療で治りました。暑い時も大丈夫になり作業もこなせるようになりました。
じつはこの女性は5年ほど前から手のひらが熱く感じるようになり、入浴するのが苦痛となりシャワーだけの生活を続けていらっしゃいます。寝つきもよくないようです。
もう少し継続的に治療をさせていただければ、そういった状態も治せますよと提案しましたが、そこまでは望まれないようです。
◆考察
当初の1月は身体の胸やおなか側を上から下へ流れる経絡がうまく通じなくなり、胸の違和感が出るようになったものです。この時 食道に炎症等があればお医者さまからは「逆流性食道炎」と診断されたりします。気の流れを通し整えるのは適切に治療すれば、比較的早期にできます。流れる気、エネルギーが減少した気虚(ききょ)がひどい方は補気(ほき)というエネルギーを養っていく時間が必要ですが、気を通すだけならすぐにできます。
9月は身体の熱がうまく発散されなくなっています。汗をかきすぎて身体の津液(しんえき、身体の正常な水分)が不足し、身体を適切に冷やすことができなくなった状態です。
夏の終わりによくある症状で、瀉熱で熱をとるのは簡単です。
本当は瀉熱に加え 津液不足をなくし、入浴できないような身体の不調をなくす補陰(ほいん)という治療をしばらくすれば寝つきもよくなり 入浴もできるようになります。9月の2回の治療でも補陰していましたが、2回では身体の状態をしっかり変えるところまではいきません。
患者さん本人としては 訳のわからない大変な症状にみえるかも知れませんが、中医学では分析し見通しを立てることができます。適切に治療すれば簡単に治るものも多いのです。
※治療例は個人情報保護の観点から、患者さんの年齢、状況を大勢に影響ない範囲で少し変えている場合があります。ご了承ください。