現代医学の分野で腰痛についての考え方が大きくかわりつつあるという話を前回はしました。腰痛の原因として心理・社会的要因の要素が大きく注目されているとか、腰椎椎間板ヘルニアがあってもそれが痛みの原因とは限らないというような話です。
しかし、新しい考え方はまだまだ大きな流れにはなっていません。患者さんはMRIの画像を見せられ、不十分な説明を受け「ヘルニアが神経を圧迫している」「治りにくい」と意気消沈してしまうことも多いのです。レントゲンの写真で「骨の間が狭まっている」といわれて「もう治らない」と絶望してしまう方もいらっしゃいます。医師の側にそんなことを言ったつもりはないでしょうが、治らないと言われたと受け取ってしまう場合が多いのです。実際は治るのに、「治らない」「治りにくい」と思い込んでしまいます。治らないと思い込むと、治りにくくなってしまいます。
「変形性脊椎症」「椎間板ヘルニア」「脊椎すべり症」本当はすべて治ります。変形は治らなくても、日常生活に支障がない程度には治るのです。
医師、柔整師や鍼灸師、治療家の中にも「これは治りにくい」と不用意に発言してしまう先生が、ほんの一部ですがいらっしゃいます。本当に難しく治りにくいものは仕方がありませんが、「この程度で治りにくいといわれたの!」とこちらが驚くような例も結構あります。私の治療は患者さんを励ますことから始まります。
2008年05月13日
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