2008年04月18日

パニック障害の治り方 2008年春版 その1

☆パニック障害の治り方 2008年春版 その1

パニック障害の方が近頃はよく来院されています。今回、紹介するのはお薬を使わず針灸だけで治った例です。

◆練習量を2倍に増やしても大丈夫になりました

松田さんは20代前半の女性です。2007年の夏ごろから体調を崩されました。職場のストレスから不眠に。時々どうしようもない不安感におそわれます。夜に何回も苦しくなります。電車に乗ったり、狭いところに行くと、心臓がドキドキしていてもたってもいられなくなります。
職場を退職し、2007年10月に結(ゆい)に来院されました。一人では電車に乗れないので、お家の方といっしょに来院。ひどい肩こりで少しアトピー性皮膚炎です。朝はなかなか起きづらく、昼間は頭がぼんやりしていつも眠い。パニック障害に加え軽いうつ症状もあるようです。
3回ほど治療したら4回目からは一人で来院できるようになりました。
松田さんはフルート奏者です。治療を続けていると、練習量を2倍に増やしても肩がこったり、痛くなることがなくなりました。以前は練習を続けたくても身体のほうでまいってしまう状態。今は思う存分フルートが吹けます。しっかり食べるようになりましたが、活動量も増えているので太ることはありません。アトピー性皮膚炎も消えました。時々出てくるどうしようもない不安感は11月にはなくなり、ぐっすり眠れるようになりました。朝もすっきりです。
電車に乗る距離もだんだんと増やし、各駅停車ばかりではなく、快速にも乗るようにして自信をつけていきました。2008年3月からは毎日、地下鉄で満員電車に乗って新しい職場に通勤されています。電車に乗って、しんどくなることはなくなりました。

☆パニック障害の方の苦手な空間

パニック障害の方は「すぐに離脱できない空間」がいやなようです。患者さんに聞くと各駅停車ならなんとか乗れるが、快速は苦手という方が多いですね。自家用車の運転はできても電車はだめという方も多い。自家用車の方が狭いけれどいつでも止めて外に出ることができる安心感があるからです。だからすぐに車を止めることができない高速道路はこわい、渋滞にまきこまれたら最悪!とよく聞かされます。高速道路でも壁が高くて、狭い阪神高速のとくに環状線あたりがいやなようです。地下鉄の方が、高架を走る電車よりも苦手です。車内が混み合うのもだめ。
結(ゆい)の最寄り駅、阪急吹田を走る阪急千里線は比較的乗りやすく、JRの新快速はハードルが高いようです。治療すれば「新快速で京都まで行けるようになりますよ」と患者さんに言うこともよくあります。

※治療例は個人情報保護の観点から、患者さんの年齢、状況を大勢に影響ない範囲で少しだけ変えている場合があります。ご了承ください。
※専門家、針灸学校学生向けのお知らせ
雑誌「中医臨床」3月号の針灸質問コーナーに「春の主気」という藤井の一文が掲載されています。どうぞお読みください。

posted by ゆい at 16:34| Comment(0) | TrackBack(0) | うつ、パニック障害
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]

認証コード: [必須入力]


※画像の中の文字を半角で入力してください。
この記事へのトラックバックURL
http://blog.sakura.ne.jp/tb/14164691
※言及リンクのないトラックバックは受信されません。

この記事へのトラックバック