☆「思考鍼」と「運動鍼」は似た治療法
前回の「理由なき恐怖心や心的外傷(トラウマ)、強迫性障害や不安障害を治す鍼」の話は
読者のみなさまからいろいろな反響をいただきました。
あるツボに鍼をして一定の刺激をしている時に、恐怖の対象や過去の衝撃をうけた出来事を思い出してもらうやり方ですが、私はこれを「思考鍼」と名づけています。
じつは「運動鍼」と似たような考え方に基づく治療法です。
「運動鍼」というのは、ある身体の動きで痛みがでる場合、わざと痛みの出る姿勢をとってもらい、ツボに鍼をして痛みをとるやり方です。ツボは痛みの出る場所や痛みの出る場所に関係する離れた場所を使います。例えば前かがみで腰が痛い時、手のツボに鍼をしながら前かがみの姿勢をとってもらうという具合です。瞬時に痛みが消えます。「運動鍼」はよく知られた治療法です。
手のツボで腰の痛みが取れる理由を伝統的中医学では経絡(けいらく)気の流れる道で説明していますが、脳の痛みの情報を書き換えていると言い換えることもできます。腰に炎症があったとして、それが瞬時に治るわけではありません。治りやすい状態にもっていっているのです。ですが痛みは瞬時に消えます。
「思考鍼」は私の造語ですがやはり「理由なき恐怖心や心的外傷(トラウマ)」という脳の情報を書き換えていると考えています。痛みも理由なき恐怖心も同じ情報です。
人間は複雑な生き物ですが、案外 単純なところもあるのではないでしょうか。
もちろん「運動鍼」だけでとれる痛みもありますが、いろいろな痛みがすぐにとれるわけではありません。実際の臨床ではいろいろと身体全体の調整をして、最後の仕上げに「運動鍼」をする場合がほとんどです。「思考鍼」もいろいろと身体を治して仕上げのように使っています。
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週末の学会の抄録とネームカード 香川で開催されます。