2024年11月19日

声が出にくい時のリハビリ法、ただし声が出ない時は鍼灸を!

これまで心因性失声症を治してきました。心因性失声症はゆっくり治す病気ではありません。声を出す感覚を忘れないうちに早期に数回で治していきます。2〜3回の治療で声が出ています。まったく声が出ない場合と、かすれ声(嗄声)の場合があります。まったく声の出ない方が治りにくそうですが、実際はそうでもありません。かすれ声を普通の声にしていく方が手間取る場合もあります。いずれにせよ改善します。
2017年6月には専門誌 中医臨床に「心因性失声症の鍼灸治療」を発表しています。
症例報告は以下から
https://www.yuisuita.com/acupuncture/cat187/

今回はかすれ声(嗄声)や声が出しにくい時のリハビリ法です。
心因性失声症は緊張やストレスからくることが多いのですが、今回は声帯や周りの筋肉の低下、弱体化を防ぐ方法です。「なんか声が出しくい」「声がかれる」といった症状に効きます。私が考案したのではなくNHKのトリセツショーという番組で紹介されていたものです。https://www.nhk.jp/p/torisetsu-show/ts/J6MX7VP885/
とくに「<声のかすれ対策に>ストロー発声法〜声帯委縮に効く!」がお勧めです。
https://www.nhk.jp/p/torisetsu-show/ts/J6MX7VP885/howto/202/
私は声がかれることはありません。はっきりした大きな声を長時間 出し続けることができます。50人くらい入る教室で講義する時もマイクは不用です。疲れてきたら音程を変えて声を出します。音程を変えると主に使う筋肉が変わります。
風邪をひいてのどをやられても発声法を変えて嗄声でない声を出せます。若い時に合唱や演劇で発声練習をしたおかげです。ストロー発声法は私からみても理にかなったやり方です。

もちろん鍼灸もよく効きます。声が出しにくいのは筋肉だけではなく、知らないうちに緊張してしまう自律神経の乱れも関係しています。こちらを治すのは鍼灸の仕事です。筋肉の活性化にも効きます。
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2024年11月17日

咳といっしょに治った耳鳴り

20代の女性が突発性難聴の後の耳鳴りを何とかしてほしいと来院されました。約一か月前に左耳が突発性難聴になり病院で治療を受けましたが、耳鳴りが残りました。聴力も30デシベルと少し落ちています。
幼児のお母さんで1週間前から風邪をひき鼻水が出て、喉が痛いそうです。首も腰も痛くて、寝つきも悪くなっています。
一か月に4回治療したところ、耳鳴りは軽減しました。いつも耳鳴りしていたのが高い音や大きな音を聞くと耳鳴りし始めるという状態になりました。首と腰の痛みはなくなりました。風邪はいったん楽になっていましたが咳がでるようになっています。鼻水も出ます。
2回治療して耳鳴りはなくなりましたが、咳は続きます。さらに治療して咳も鼻水もなくなったのを確認して治療を終わりました。以前より聞きやすくもなった、聴力も上がった気がすると言われました。2カ月半に9回の治療でした。
アンケートでは
「非常によい効果があった。ほとんど完全に治り苦痛がない。」「治療前の苦痛を10とすれば今の苦痛は0である。」との回答をいただきました。

病院ではこれ以上の改善は難しいと言われ落ち込み、HPを見てこちらに来ました。院長先生に治るでしょう!と言われ治療をお願いし、段々と症状が警戒し、最後の治療では耳鳴りが完全に治って、その他 腰や首の痛みも治していただきとても感謝しています!お世話になりました!ありがとうございました!お元気でこれからも頑張って下さい。
以上患者コメント

鼻炎等の症状があると耳もすっきり治りにくいので、鼻もいっしょに治します。咳を治すのは得意です。コロナでやめていた咳の鍼灸治療を再開しています。
風邪をひかれなかったら、もう少し早く治っていた症例ですが、耳だけがつらいという患者さんよりも、耳もつらいけど○○もつらいという患者さんを治すことの方が実際は多いのです。身体全体の気の流れを整えること、消耗していた気を補いながら治療することで治療効果を高めることができます。
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2024年11月13日

コロナにも風邪にも効かぬ抗菌薬

11月9日の新聞に「知ってますか薬剤耐性」という華やかな広告が掲載されていました。風邪に抗生物質は効かないという内容で、AMR臨床リファレンスセンターという政府系の研究機関が出していました。
https://amrcrc.ncgm.go.jp/index.html
AMR;AntiMicrobial Resistanceとは、薬剤耐性のことで感染症を引き起こす原因となる微生物、細菌に、本来であれば効果があるはずの薬が効かなくなることをいいます。
かぜの原因はほとんどがウイルスです。抗菌薬は細菌に作用する薬なので、かぜをひいた時にのんでも効果はありません。不必要・不適切な抗菌薬の使用は、薬剤耐性菌を増やしてしまう原因につながります。

一般に公募した川柳が載っていましたのでいくつか紹介しておきます。
◆耐性菌 増やす一言 念のため
◆コロナにも風邪にも効かぬ抗菌薬
◆抗菌薬 風邪に効いた! は気のせいよ
◆抗菌薬 押さない医師にいいね押す
◆処方しない その選択も医療でしょ

「不思議な国の不思議なかぜの治し方」を私がメルマガやHPに書いたのは2002年1月です。https://www.yuisuita.com/acupuncture/cold/
22年たっても日本人の意識は少しずつしか変わらないようですが、少しは変わってきたようなので希望をもつことにします。
コロナでやめていた咳の鍼灸治療を再開しています。

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posted by ゆい at 06:40| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記

2024年11月12日

気逆(きぎゃく)のおこりやすいあたたかい日

11月10日日曜は大阪はきれいに晴れてあたたかく気持ちのいい日でした。ただある傾向をもつ患者さんにとっては具合の悪い日でした。11日月曜は「気分が悪い」「めまいがする」という患者さんが複数 いらっしゃいました。めまいがするから通院がむずかしそうだという電話もありました。でも本当はこんな時こそ鍼灸治療を受けていただきたいのです。
10日日曜の不調は気逆(きぎゃく)です。鍼灸ですぐに治せます。

身体の気は背中を通って頭に昇り、おなかを通って頭からお臍の方に下っていきます。この気の流れがうまくいかなくなったのが気逆(きぎゃく)です。頭痛やめまいや吐き気、咳などがおこります。イライラして眠れなくなることもあります。
本当はだんだんと寒くなっていく秋に、春のようにあたたかくなると気の流れが逆流するのです。結(ゆい)通信No.790「秋になった。不眠になった」、10月27日のブログで以下のように書きました。

中国伝統医学では秋は収める時期です。作物が収穫の時を迎えるように、人の身体も冬に向かって収斂(しゅうれん)していきます。身体が気を大切に保ちながら静まっていきます。人の身体は陰と陽でバランスを保っていますが、収斂させていく時期には陰の要素がより必要とされてきます。
鍼灸治療では、秋は陰を補う作用のあるつぼを使い、患者さんの身体が健やかに冬を迎えることができるように手助けしています。患者さんの訴える症状と直接の関係は薄くても、秋には隠し味のように陰を補う作用のあるつぼを使い、患者さんの身体の陰陽のバランスをとっていきます。以上 結(ゆい)通信No.790「秋になった。不眠になった」

秋に春のようなあたたかさが来ると身体が静まらなくなるのです。たとえ眠りにくくなっても睡眠時間は多めにとるよう心掛けてください。
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2024年11月09日

病名から どこのツボを使うかが決まるわけではありません

☆病名から どこのツボを使うかが決まるわけではありません
写真は私が棒灸を使っての治療を講義している様子です。

◆先日 ある女性から こんな問い合わせがありました。
○月×日にメニエールだと診断され、薬を飲み聴力は回復しているものの、低音の耳鳴や耳のつまり感が完全に消えず悩んでいます。こちらの鍼灸院を見つけたのですが、具体的にどのような治療なのか教えていただけますでしょうか。(お灸or鍼。耳に直接なのか別のツボなのか)鍼灸院へ行ったことがなく、不安なため、事前に伺いたく思い連絡させていただきました。

◆回答しました。
お問い合わせありがとうございます。
患者さんを診断してから治療するため、西洋医学的な病名で治療のやり方が決まっている訳ではありません。ご理解ください。オータ゛ーメードの治療です。
診断は中医学、東洋医学の考え方から行ないます。できるだけ早期の治療開始が効果的です。

◆患者さんを診ないとわからないのです
患者さんの年齢もわからないし、どの程度 聴力が落ちて、その後回復したのかもわかりません。メニエールと診断されていても、実際 どんな状態なのかも不明です。突発性難聴、急性低音障害型感音難聴(ALHL)、メニエール病、耳管開放症と耳鼻科を変えるたびに病名の変わる患者さんもいらっしゃいました。適応障害か軽いうつ病ではないかと思われる患者さんもいらっしゃいます。
耳鼻科の診断は、私にはあくまで参考に過ぎません。中医学、東洋医学的にみてどのような身体の状態なのか、証(しょう)が大切なのです。そうはいってもHPには西洋医学の病名で分類して紹介しています。そのほうが患者さんに理解しやすいからです。実際の治療は証(しょう)にもとづいています。そして肝欝気滞(かんうつきたい)というような中医学的な診断の言葉は、肝臓が悪いのかと誤解されたりするので使いません。学術用語も使いません。正確さよりも伝わることを大切にしています。
耳の周囲のツボを使うこともあれば、使わないこともあります。季節や天候によっても変わります。最初は手足のツボだけを使い、何回か治療した後に耳周囲のツボも使う場合もあるし、その逆もあります。テレビやネットで「○○には このツボが効く」と言われることもありますが、そう単純なものではありません。ですから上記の女性には「オータ゛ーメードの治療です」と回答するしかないのです。HPの写真でもある程度は伝わるでしょう。鍼も灸も両方使うことが多いです。ただ痕の残るような灸の治療はしていませんので、そこはご安心ください。
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posted by ゆい at 06:31| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記