2024年05月19日

「すべてが悪臭」「まずくて食べられない」 18歳女性の異臭症の治療、コロナ後遺症

においがしなくなったり、味がわからなくなったりする嗅覚障害、味覚障害はコロナ後遺症としてよく知られていますが嗅覚障害のひとつに刺激性異臭症(Parosmia)があります。今回は刺激性異臭症のお話です。「すべてが悪臭」「まずくて食べられない」というのは味がしないよりも苦しそうです。コロナが5類になってから感染されました。

女性はコロナ感染し その時から味覚嗅覚がなくなりました。2カ月後に味を感じるようになったが、食べ物の味と感じません。すべてが悪臭で食べ物の味がしません。食べるのが苦痛になり痩せていきました。匂いのあるものはダメなのですが、香りのないお菓子、例えばチョコレートは食べられます。普通の食事は我慢して食べるようにしていますが、ネギとかにんにくのような香りの強いものは食べられません。

治療開始から味が順調に回復し始めました。約40日間に7回治療してすべて回復。「焼き肉がおいしかった」と嬉しそうに報告してくれました。コロナ感染から10カ月がたっていました。
じつは女性はコロナの発熱等が治った後、学業のために徹夜を続け無理をされていました。「徹夜を続けたから嗅覚障害、味覚障害が治りにくくなったやね」と反省されていました。約4人に1人がコロナ後遺症に苦しむと言われています。コロナにかかるのはなかなか防げませんが、いったんかかったらしっかり養生して後遺症の発生を防ぐことはできます。どんな病気も回復期の養生は大切ですが、とくにコロナは大切です。養生は休養と鍼灸です。

※治療後のアンケート
◆非常に良い効果があった。ほとんど完全になおり苦痛がない。
総合的にいって治療前の苦痛を10とすれば今の苦痛は【0】である。とアンケートをいただきました。以下はコメントです。
コロナ後の味覚異常がどの病院に行っても治らず、長い間苦しい思いをしましたが、鍼の治療で味覚が戻ってご飯が食べられるようになりました。ありがとうございました。
コメント以上 776isyuu.png

2024年05月13日

70代後半の女性のコロナ後遺症 不眠と動悸が治りました

コロナが5類になってからのお話です。夫がコロナに感染し、妻の女性も感染しました。夫が数人の友人と飲み会に出かけて感染しました。「行かないでくれとお願いしたのに、大丈夫だと出かけて、みんなかかってしまったんですよ」初診の時に女性は怒った様子で言い、付き添いの夫さんは黙っていました。長年連れ添ってこられたご夫婦の夫婦仲をよくするためにも、なんとしてでも治さなければと思いました。

女性はコロナ感染の後に膀胱炎になりました。その後不眠と動悸がひどくなり3か月後に心療内科を受診。睡眠導入剤と抗不安薬を飲み始めたが、症状が改善しないため結(ゆい)に来院されました。コロナ感染4か月後です。
コロナ感染以降 かあっと頭が熱くなり足が冷えます。口の渇きがひどくなりました。ドキドキして眠れません。
中医学からみると 心陰虚(しんいんきょ) 上実下虚(じょうじつかきょ)という状態です。陰陽のバランスが乱れ、身体を落ち着かせる陰の要素が減り、よくない熱が頭の方で滞っています。陰虚陽亢(いんきょようこう)に対し瀉熱 潜陽 補陰で治していきます。
女性は1ヶ月4回の治療で不安感なくなり 眠れるようになりました。口の渇きが残るため もう少し治療を続けました。
現在は活発に外出し新しい趣味も始められています。人と会うことが増え、興奮しすぎた日の夜は眠れないこともあります。時々 結(ゆい)に来られています。

コロナ(COVID-19)発症から1年半たっても、約4人に1人になんらかの症状が残ることがわかっています。コロナはインフルエンザと同じではありません。図は森岡慎一郎氏によるものです。図. なんらかの遷延症状が残る患者の割合の推移
※メディカルトリビューン掲載 Long COVIDどこまで分かったか 森岡慎一郎氏(国立国際医療研究センター国際感染症センター国際感染症対策室)
2024年04月16日
https://medical-tribune.co.jp/rensai/2024/0416562352/
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2024年05月12日

北海道 札幌で講義します

今回は専門家向けのお知らせです。
北海道札幌視覚支援学校附属理療研修センターで6月16日(日)にたっぷり1日講義することになりました。視覚支援学校ですから視覚障がいの鍼灸師も受講されます。
すでに19ページの資料を送っています。点字版も準備されます。
「コロナ後遺症に対する鍼灸治療」を講義します。一般の鍼灸師、晴眼者も受講できます。関西中医鍼灸研究会のZoomの講義に北海道から参加されていた方は この機会にお会いしたいものです。

◆コロナ後遺症に対する鍼灸治療
詳しくは以下をご覧ください。申し込みも以下からお願いします。
http://www.riryo.hokkaido-c.ed.jp/kouza/zenki.htm
6月16日 10時から15時の講義で 午前は講義、午後は実技講習です。
  10:00〜12:00 午前の部
  12:00〜13:00 昼食・休憩
  13:00〜15:00 午後の部
内  容:新型コロナウィルス感染症の感染拡大後、長引く後遺症も問題となっています。嗅覚障害、難聴、咳、味覚障害などの耳鼻咽喉科疾患をはじめ、脱毛やブレインフォグなど多岐にわたる症状が報告されています。
本講座では、2020年頃からコロナ後遺症の患者さんを数多く治療されている>藤井先生をお招きし、中医学をベースに日本の風土等に適合した治療の考え方と具体的な手法についてご教授いただきます。また、灸治療については、視覚障がい者にも取り入れやすい方法もご紹介いただく予定です。(札幌視覚支援学校附属理療研修センターのHPより)

◆北海道札幌視覚支援学校附属理療研修センター
http://www.riryo.hokkaido-c.ed.jp/
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posted by ゆい at 14:58| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記