2022年12月21日

「鍼灸治療/鍼灸治療院でみる発汗障害の鍼灸治療の実際」を執筆

専門誌 中医臨床 通巻171号(Vol.43 No.4)2022年12月20日発行(東洋学術出版)が発刊されました。今号の特集は「コモンディジーズの中医治療 ―発汗障害―」です。中医臨床は医師、薬剤師、鍼灸師向けの専門誌です。
私は「鍼灸治療/鍼灸治療院でみる発汗障害の鍼灸治療の実際」を執筆しました。よかったらお読みください。購入は以下からどうぞ
https://www.chuui.net/view/item/000000000386

中医学的アプローチを把握して治療の幅をひろげる
【特集】コモンディジーズの中医治療 ―発汗障害―
発汗障害を生じる要因はさまざまであるため,やはり原因疾患の鑑別が重要となるが,西洋医学だけでは難渋したり改善しないケースもあり,漢方が活かせる局面もある。
中医学では「自汗・盗汗」の項目が設けられており,肺気不足,営衛不和,陰虚火旺,湿熱鬱蒸などの病態(証)がある。
教科書では「自汗=陽虚」「盗汗=陰虚」とされるが,必ずしもそうでないケースもあり,やはり他の症状をあわせて総合的に分析して弁証論治することが大切となる。
発汗障害に対し,わが国において漢方や鍼灸が役割を果たせる局面とはどのような場面なのか,実際の臨床で具体的にどう漢方・鍼灸治療を進めているのか。臨床報告を交えて紹介する。
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posted by ゆい at 06:38| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記

2022年12月15日

男性 40代 耳管開放症が治りました。うつ病も楽に

7か月前から痩せ始めて耳が開き始めました。3か月前から体調を崩し、うつ病と診断され休職。声がこもり立ちくらみも出るようになりました。当院に来院されたのは職場復帰されてすぐの頃です。抗うつ剤や抗不安剤も飲まれています。耳鼻科と心療内科の両方に通院中です。
一か月半に 10回治療して卒業されました。コメントで「8回目の治療ぐらいからほぼ回復した状態で生活することができました」というのは治療開始から約一か月後です。週2回のペースで8回治療し最後の2回は耳の様子をみるために週1回で治療しました。
仕事の都合で「週1回」が限度といわれる患者さんが多く、「週1回」で治っていく人もいるのですが、週2回の方が確実に治る場合が多いように見受けられます。うつ病の治療も並行して行いました。耳管開放症とうつ病は共通するツボも多くいっしょに治療しやすいのです。 

◆非常によい効果があった。ほとんど完全になおり苦痛がない。総合的にいって治療前の苦痛を10とすれば今の苦痛は【0】である。とアンケートをいただきました。以下はコメントです。

全10回の治療をうけさせていただき、だんだん状態がよくなり、効果が実感でき、8回目の治療ぐらいからほぼ回復した状態で生活することができました。治りにくい病気だと聞いていたのであきらめていた気持ちもありましたが、ここまで回復することができて本当に感謝しております。ありがとうございました。以上コメント

※午後の受付時間繰り上げのお知らせ
来年1月より午後2時30分〜5時30分に受付時間を繰り上げます。
最終受付時間が午後5時30分になります。電話受付も午後8時までになります。

※12月25日日曜〜1月4日水曜まで休ませていただきます。5日木曜から開けます。
電話受付も休み、1月4日水曜から再開します。
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2022年12月11日

顔面麻痺が治りました  30代女性 コロナ後遺症

22年の夏にいらっしゃいました。 一か月前にコロナにかかり 発熱は38度程度でした。10日間 倦怠感に苦しみました。現在も痰は残りますが咳はありません。
今は仕事を休んでいるが後1週間で仕事に復帰するというので 焦っていらっしゃいました。4年前に右耳突発性難聴になっていたのが、再度 悪化しました。女性の高い声が聴きにくい。外で話されると聞き取りにくいという症状です。食欲も落ちています。
右の顔面神経麻痺にコロナの後になりました。右の眼瞼が動きにくい。閉じにくい。口から水がこぼれる。首肩がこり 腰も痛いといった状態です。

3週間に4回治療したところ、目が閉じやすくなり、口から水がこぼれるのもなくなりました。顔面麻痺はほぼ治りました。2割以上に後遺症が残るといわれています。顔面神経麻痺は早期治療が大切です。
鼻水がのどに落ちるという後鼻漏(こうびろう)の症状もあったのですがこれもなくなりました。オミクロンは肺まではなかなか行きませんが、のどや上咽頭でひどい炎症をおこします。上咽頭の炎症が後鼻漏に関係していると思われます。
鍼灸は上咽頭の炎症によく効きます。じつはBスポット療法=EAT(上咽頭擦過療法)で少しよくなったけどもう少しよくしたい、またはBスポット療法の効きがよくなかったという理由で当院に来院される患者さんも結構いらっしゃいます。

首肩がこり 腰も痛いのも治ったためその後 数回治療して終わりました。耳の違和感はまだ少し残っていましたが、以前より聴きやすくなりました。仕事と子育てで通院が難しくなったとのことでした。食欲も回復し元気に働かれています。
※患者さんのプライバシー保護のために状況を少しだけ変えていることもあります。

◆鍼灸師、医師のみなさまへ

今回の症例は 専門誌Tehamo(てはも)5号(10月31日発行)の特集LongCOVIDのケア&キュアの中の「当院での2020年からのコロナ後遺症治療」に掲載しています。弁証 配穴などはそちらでお読みください。
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※午後の受付時間繰り上げのお知らせ
来年1月より午後2時30分〜5時30分に受付時間を繰り上げます。
最終受付時間が午後5時30分になります。電話受付も午後8時までになります。

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2022年12月09日

女性 40代 上咽頭の炎症? 眉の間の痛みと立ちくらみ コロナの後で


40代の女性が夏にコロナに感染しました。のどの痛み 節々の痛み 「これまで経験したことのない のどの痛み」で眠れませんでした。「先生 コロナにはかからない方がいいよ。」と何度もおっしゃっていました。感染から一か月後に来院されました。
感染4日目にのどの痛みがなくなると今度は咳と鼻水です。嗅覚障害も出ました。諸症状がなくなった後に、印堂(いんどう、ツボの名前)、眉の間、鼻の上の痛みと立ちくらみ、嗅覚障害が残りました。首肩もこります。以前 メニエール病の診断を受けていましたが当院の鍼灸治療で症状はなくなっています。西医的には上咽頭の炎症です。
督脈という経絡(けいらく)の陽気を強め 印堂付近の気の滞りを一気に解消するやり方で施術しました。その場で痛みがなくなり鼻で呼吸ができました。
一週間後の来院時に印堂の痛みと立ちくらみ、嗅覚障害がなくなっていることを確認しました。コロナの後のさまざまな症状には鍼灸が効きます。

◆鍼灸師、医師のみなさまへ

今回の症例は 専門誌Tehamo(てはも)5号(10月31日発行)の特集LongCOVIDのケア&キュアの中の「当院での2020年からのコロナ後遺症治療」に掲載しています。弁証 配穴などはそちらでお読みください。
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2022年12月08日

歌えるようになった女性歌手

20代の女性が来院されました。1カ月前コロナ感染し、 その後 声が出しづらくなりました。嗄声、しゃがれ声になったそうです。話し声は普通になったが歌う声は出しづらい、とくに高音の伸びが悪いというのです。女性の歌をYouTubeで聞いてみましたが高音をよく使う歌が多いようでした。長く歌うとかすれてきます。以前からの鼻炎もコロナで悪化しています。たまに咳もでます。
のど周囲の経気をめぐらせ、気滞をとりました。気持ちを落ち着かせ、緊張を緩和することも意識しました。声が思うように出ない焦りが、のど周囲の気滞、筋肉の無意識のこわばりを生んでいます。過緊張性発声障害の要素もあります。
女性は手足の冷えを訴える人です。気滞からの冷えです。交感神経優位のタイプです。女性は歌うだけでなく曲もつくります。仕事はきっちりやるタイプです。
約2週間に3回治療したところ 2日間のライブがこなせるようになりました。コロナ前の声にもどったばかりか、緊張なく歌えたといいます。いつもは緊張から最初は声がのびず、ぎこちなくなることが多かったそうです。声はコロナ以前にもどりましたが、よりのびやかに歌い続けるために時々治療させていただいています。

◆鍼灸師、医師のみなさまへ

今回の症例は 専門誌Tehamo(てはも)5号(10月31日発行)の特集LongCOVIDのケア&キュアの中の「当院での2020年からのコロナ後遺症治療」に掲載しています。弁証 配穴などはそちらでお読みください。
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2022年12月03日

急性低音障害型感音難聴が約一か月で治りました 30代女性

30代の女性が約3週間前から左耳がつまり、聴力が低下していると来院されました。耳鼻科では急性低音障害型感音難聴と診断されています。低音部の聴力が40デシベルに落ちています。聴力は20デシベル以上が正常とされています。
右耳は軽い耳管開放症で時々 耳が開くそうです。顎の違和感も毎朝あり、両肩がこります。デスクワークをされています。
急性低音障害型感音難聴と診断される方で顎の症状を訴える方は多数いらっしゃいます。「顎関節症なんです」と別の病気のように言われますが、私から見ると気滞、気の滞りからくる同じ病気です。交感神経優位でもあります。いっしょに治っていきます。経験からいうと急性低音障害型感音難聴よりも、顎の症状や食いしばりの方がしつこいです。ただ軽くなり、気になることが減ります。

一度 治療すると左耳のつまり感がなくなり、耳が聞こえやすくなりました。約一か月に6回治療して、低音部の聴力が20デシベルに回復。肩こりや顎の違和感もなくなり、耳管開放症の右耳が開くこともない状態が続いていることを確認して、耳の治療を終わりました。アンケートをいただいています。
その後も時々治療していますが、4か月たっても耳の再発はありません。以下 患者さんのアンケートです。
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◆非常によい効果があった。ほとんど完全になおり苦痛がない。総合的にいって治療前の苦痛を10とすれば今の苦痛は【2】である。とアンケートをいただきました。以下はコメントです。
◆3、4回の治療で耳の調子は完全によくなりました。同時に歯ぎしり食いしばりによる顎の疲れも治療していただきました。マッサージに通っても、ず-っとあった肩こりが鍼治療によって劇的に改善しました。肩こりを感じない状態というのは何十年ぶりでしょうか。2割残っているとしたのは治療間隔があくと肩こりが少し出てきてしまうためです。しかし回復は早いです。もう少し治療を続けてよい状態を保ちたいと思います。色々な相談に乗っていただけます。コメント以上

※午後の受付時間繰り上げのお知らせ
来年1月より午後2時30分〜5時30分に受付時間を繰り上げます。
最終受付時間が午後5時30分になります。電話受付も午後8時までになります。

※12月25日日曜〜1月4日水曜まで休ませていただきます。5日木曜から開けます。
電話受付も休み、1月4日水曜から再開します。