☆顎関節症 耳管開放症になった20代女性
今回は顎関節症 耳管開放症になった20代女性のお話です。鍼灸は初めての方です。結(ゆい)には鍼灸が初めてという患者さんがよく来院されています。
音大声楽科の学生さんです。約1年前から、左耳の耳鳴りが始まりました。一か月後に右の顎が痛み始め、その一か月後に左耳が開き始めました。歌っている最中や緊張すると耳が開きます。問診カードには、耳管開放症 耳鳴り 顎関節症と書かれていました。
首や肩が凝りやすく、食事は量を食べられません。何かあると胃が痛くなります。手足も冷えます。
少し消化器系が弱くて、やや緊張しやすい方です。交感神経優位のタイプです。消化器系の弱い状態を中医学では脾気虚(ひききょ)、緊張しやすく手足が冷え、首や肩が凝りやすい状態を肝欝気滞(かんうつきたい)と呼びます。両者が合わさった状態を、肝脾不和(かんひふわ)と言います。
肝欝気滞(かんうつきたい)は気を巡らせ、脾気虚(ひききょ)は消化器系を元気にして治していきます。耳管開放症 耳鳴り 顎関節症は気虚と気滞、気が滞っている状態の合わさったもので、別の病名ですが、身体の状態=証(しょう)からみると同じものです。
患者さんはいろいろな症状が出てきて、混乱されていますが、中医学からみるとひとつの証(しょう)がいろいろな症状をもたらしているだけでそう難しい病気ではありません。約2カ月8回の治療で治しました。
発表会のために新曲に挑戦した時のエピソードは興味深いものでした。最初の1週間は耳が開くことが多かったのですが、次の1週間は全然 耳が開くことはなく肩こりも顎の痛みもなく発表会を迎えられたといいます。
新曲に慣れない時は、緊張して気が滞ったのです。習熟して気持ちよく歌えるようになってからは気が巡り諸症状は消えたのです。
◆コメントをいただきました。
耳が開くことがほとんどなくなり より練習に集中できるようになりました。治療を重ねるごとに、少しずつ良くなっていくのを実感することができました。ありがとうございました。
