2020年03月29日

お灸の煙で感染予防

中国 江西省での新型コロナウイルス感染症患者への棒灸治療の動画が届きました。2月ですから少し前の動画です。乾燥したヨモギで病室を燻蒸している様子が映っています。乾燥したヨモギ=お灸の煙は抗ウイルス作用があるとされています。

結(ゆい)鍼灸院も温灸を多用するので、いつもお灸の煙で燻蒸されています。
もうひとつは おへそに箱灸器で温灸をかけている様子です。

2020年03月27日

新型コロナウイルス感染症 世界の医療者と直接交流し治療経験を共有する試み

浙江大学医学院付属第一病院とジャック・マー氏(アリババグループ創始者)が協力して世界の医療者向けに『新型コロナウイルス感染症対策ハンドブック(Handbook of COVID-19 Prevention and Treatment)』の多言語翻訳版を無料公開しました。
中国語 英語 イタリア語 スペイン語 フランス語 日本語で書かれています。ドイツ語 アラビア語 韓国語なども近日公開となっています。
以下は日本語版です。3月26日に公開されました。
https://www.alibabacloud.com/zh/universal-service/pdf_reader?spm=a3c0i.14138300.8102420620.dreadnow.1ae9647fl5Z3gL&cdnorigin=pdf-intl&pdf=Read%20Online-Handbook%20of%20COVID-19%20Prevention%20and%20Treatment-Japanese.pdf

浙江大学医学院付属第一病院は浙江省の省都である杭州市の病院です。杭州市はアリババグループの拠点で、私も2017年に国際灸法大会に招聘され訪れています。
「現在、リソース、ノウハウ、苦労して得た教訓を共有しない限り、このウイルスに打ち勝つことはできません。」とジャック・マー氏は語っています。世界で協力して戦っていこうという姿勢には共感します。
アリババグループの黎明期に資金提供したのはソフトバンクの孫正義氏で、ソフトバンクグループの潤沢な資金はアリババグループの高騰した株式(ニューヨーク証券取引所に上場)に支えられています。

新型コロナウイルス感染症対策ハンドブックは、浙江大学医学院付属第一病院とジャック・マーが協力して設立した国際医療専門家コミュニケーションセンターの仕事のひとつのようです。
浙江大学医学院付属第一病院は、新型コロナウイルス感染症104名の患者の治療をしています。重症、危篤患者は78名です。医療スタッフ感染ゼロ、感染患者の診断見落としゼロ、危篤患者死亡ゼロという成果を上げたということです。
https://covid-19.alibabacloud.com/?365=?365#J_8102420620

国際的な治療水準を向上するため、浙江大学医学院付属第一病院はアリババと共同で「浙大一院国際医師交流プラットフォーム」を立ち上げ、オンラインのリアルタイム多言語翻訳、遠隔テレビ会議などの機能を通じて国内外の医師のリアルタイムな疫病対策経験の交流を実現し、グローバルな情報資源の共有を果たすとされています。つまり世界の医療者と直接交流し治療経験を共有しようとしています。新型コロナウイルス感染症を収束させつつある中国からの情報発信、治療経験を共有する試みは歓迎すべきことです。いがみ合い、排除しあうのではなく、共通の敵の前に手を結びあう姿勢に希望があると考えています。
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2020年03月26日

中医研通信4月号は新型コロナウイルス感染症特集号、公開しました!

関西中医鍼灸研究会 世話人の藤井正道です。機関誌 中医研通信2020年4月号を発行しました。
中医研通信2020年4月号は新型コロナウイルス感染症についての特集号です。通常は会員にのみ印刷物を配布するのですが、みんなで新型コロナウイルス感染症と戦うために今号は公開します。
http://www001.upp.so-net.ne.jp/yuihari/202004tusincorona.pdf
中医学と新型コロナウイルス COVID-19 という早川敏弘会員の力作です。2019年12 月 8 日から3月初旬までの中国での中医学と新型コロナウイルス COVID-19との戦いの詳細な記録です。中医研通信より一部 抜粋
武漢では、中医薬(漢方)が 「疑い症例」や「軽症患者」のケアにあたり、しかも
遠隔診断システムと顆粒エキス剤を用いることで、医療資源への負担を劇的に
軽減しました。中医薬(漢方)が「無症状」「疑い例」「軽症」とリハビリを担当す
ることで、西洋医学は重症者の救命に集中できて、武漢の医療システムを建て直
す時間をかせぐという発想です。一人一人の舌診・脈診による弁証論治と煎じ薬
の微妙な加減という老中医スタイルとは全く違う「IT 時代の新しい中医学」で
した。以上 中医研通信より

感染爆発が今にも起ころうとしている日本の医療関係者のみなさま、とりわけ東洋医学関係のみなさまはぜひお読みください。

※新型コロナウイルス肺炎 COVID-19 の感染拡大防止のために2020年5月の関西中医研は延期します。状況をみて 例会を再開します。

関西中医鍼灸研究会
http://www001.upp.so-net.ne.jp/yuihari/top.htm
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2020年03月22日

中国で新型コロナウイルス感染症に使われている漢方薬を日本人向けにすると

自家用車をやめてシェアカーにしてから2年ほどです。18日水曜に使ったときは使い捨てのラテックスグローブ(手袋)をはめ、車の窓を開けて乗りました。暖かい日だったから、全然 大丈夫でした。スマホがグローブのまま使えたのが新たな発見です。感染対策もいろいろ工夫するのは楽しいものです。帰宅してから、裏返しにしてマスクといっしょに袋に入れて捨てました。手と顔とスマホを洗ってうがいをするのが習慣になりました。服も着替えます。晴れた休日には通勤着を日に当てています。

☆中国で新型コロナウイルス感染症に使われている漢方薬を日本人向けにすると

日本感染症学会に金沢大学の小川 恵子先生が「COVID-19 感染症に対する漢方治療の考え方」という論文を発表されました。中国の診療ガイドラインに掲載されている生薬の処方を日本で手に入るエキス剤に置き換え、日本人向けにしたものです。

COVID-19 感染症に対する漢方治療の考え方
金沢大学附属病院漢方医学科 小川 恵子先生
http://www.kansensho.or.jp/uploads/files/news/gakkai/covid19_kanpou_0319.pdf
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新型コロナウイルス感染症に対し、中国では漢方薬も使われています。西洋薬単独より両方を併用した方がよく治っています。2月26日の私のブログの中で「葛根湯(かっこんとう)」を私と家族、スタッフ用に準備していることを書きましたが、小川先生も葛根湯等を初期治療で推奨されています。

※ブログ 結(ゆい)通信 新型コロナウイルスによる肺炎、COVID-19と風邪への個人的対処法
http://yuisuita.sblo.jp/archives/20200226-1.html

『中医臨床』2017年12月号(通巻151号)に拙文「耳管開放症と耳管狭窄症の鍼灸治療」を書いたのですが、同号には漢方薬の立場から小川 恵子先生の耳の治療のインタビュー記事が掲載されています。小川先生は結核の治療にお灸を使う「モクサアフリカ」の活動も支援されています。

☆検温と手洗いをお願いしています

2月25日から結の玄関での検温は続いています。新型コロナウイルス感染症と風邪の区別はつかないので風邪の治療はやめています。37.5度以上の方はお帰りいただきます。
風邪をひいた患者さんは、自分から電話してきて自宅療養されるようになりました。
結(ゆい)の玄関を入るとすぐ右に洗面所があります。今まではスタッフ用に使っていましたが患者さんに手を洗ってもらうことにしました。アルコール消毒は簡便ですが、やはり手を石鹸で洗った方が確実です。アルコール消毒は手が荒れやすいのですが、これも防げます。
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2020年03月20日

新型コロナウイルス病 2019(COVID-19)に関するWHO-中国合同ミッション報告書の紹介と感想 その1

電車の窓を開けようという話を書いて数日したら、電車の窓が開いていました。私が窓を開けている様子を見て、同様のことをする仲間が増えたのかと一瞬 喜んだのですが、そんなはずはない。どうやら車掌さんが開けている模様。路線によっては窓を開けてくださいというアナウンスもされているようです。

TVのワイドショーやツイッターもいいけれど、やっぱり基本は公式情報からというのが私のスタイルです。WHOの合同調査が中国で行われていて報告が厚生省のHP等に上がっています。報告書の一部を抜粋し感想を書きます。※が私の文章です。
専門家のみなさまはぜひ 全文を読むことをお勧めします。

厚労省の「日本とWHO」のページ
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/hokabunya/kokusai/who/index.html#COVID19
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に関するWHO−中国合同ミッション報告書
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)WHO公式情報特設ページより
https://extranet.who.int/kobe_centre/sites/default/files/pdf/WHO%E4%B8%AD%E5%9B%BD%E5%90%88%E5%90%8C%E3%83%9F%E3%83%83%E3%82%B7%E3%83%A7%E3%83%B3%E5%A0%B1%E5%91%8A%E6%9B%B8_20200309.pdf

中国、ドイツ、日本、韓国、ナイジェリア、ロシア、シンガポール、アメリカ合衆国、および世界保健機関(WHO)からなる 25 人の国内および国際専門家で構成されたチーム。
2020 年 2 月 16 日から 24 日までの 9 日間にわたって実施した。

◆世帯内感染
中国では、COVID-19 ウイルスのヒトーヒト感染の大部分が家族間で発生している。
広東省および四川省での 1308 例(報告された合計 1836 例のうち)を含む 344 のク
ラスターにおいて、ほとんどのクラスター(78%〜85%)が家族で発生している。世帯内感染の調査研究は現在進行中だが、広東省における進行中の予備研究からは、世帯内での二次伝播の割合は 3〜10%であると推定している。

※感想 世帯内伝播は3〜10%であると推定、つまり約90%は家庭内で感染を防いでいるということで中国のみなさん 結構 がんばっている印象。だけどクラスターの78%〜85%が家族で発生しているのも事実です。「軽症者は自宅で」と最初は中国も今の日本と同じ方針だったけれど、途中から臨時医療施設収容に切り替えています。
専門家会議が「新型コロナウイルス感染症対策の状況分析・提言」(2020 年 3 月 19 日)の中で以下のように書いているのは上記の事情を考慮したものでしょう。

症状が軽い陽性者等が、高齢者や基礎疾患がある人と同居していて家族内感染のおそれが高い場合は、接触の機会を減らすための方策を検討する。具体的には、症状が軽い陽性者等が宿泊施設等での療養を行うことや、同居家族が受診した上で一時的に別の場所に滞在することなど、家族内感染リスクを下げる取組みを行う。以上 提言より

◆接触者追跡
中国には、COVID-19 に関して感染者および接触者を識別するための非常に緻密な施策がある。例えば、武漢には、1 チームあたり最低 5 人の疫学者を含む 1800 以上の疫学チームが 1 日に数万人の接触者を追跡している。接触者のフォローアップは骨の折れる作業であり、特定された濃厚接触者は高い割合で医療観察を受けることになる。 その後、場所にもよるが接触者の 1%〜5%が検査確定例(感染例)となっている。

※感想 スマホの分析 監視カメラの顔認証等 あらゆる手段を使っている模様。感染例はネットで公開され、人々が感染に結びつく行動をとらないよう注意喚起されているようです。どこまでの監視を容認するかは その国によって違うでしょう。

◆発熱外来での検査
広東省の発熱外来では、COVID-19 ウイルス検体の陽性割合は、1 月 30 日の 0.47%をピークに、2 月 16 日までに 0.02%まで減少した。広東省全体では、約 320,000 の発熱外来のスクリーニング検体のうち 0.14%が COVID-19 陽性だった。

※中国は発熱外来を設置、おかしいかなと思ったら一般病院ではなく発熱外来に行く仕組みです。

◆医療現場および医療従事者における伝播
40,000 人以上の医療従事者が武漢での対応を支援するため中国の他の地域から配置された。個々の限られた院内感染のアウトブレイク(例えば、武漢で 15 人の医療従事者が関与した院内感染)があったものの、医療施設内および医療従事者間の感染は、中国の COVID-19 の主な伝播様式であると思われない。合同ミッションを通じて、これら医療従事者における感染のうち大部分が、この新興感染症に対する医療物資と経験がまだ少なかった、武漢のアウトブレイクの初期に特定されていたことが分かった。
さらに、医療従事者の調査では、多くが医療機関ではなく家庭内で感染した可能性が示唆された。

※感想 武漢の初期は別として院内感染は思ったより少ない。COVID-19の専門病院をつくって、一般病院と分けたのが正解だったのか。3月20日の日経新聞朝刊では厚労省は新型コロナ専門病院や専門病棟の設置を都道府県に要請するとのこと。正しい方針ですが、要請だけでは無責任。国が予算を付けるのとセットであることが必要です。
「医療従事者が医療機関ではなく家庭内で感染した可能性」を指摘されています。関連しますが医療従事者は家族にうつすことを心配しています。私も風邪をひいたら結(ゆい)にこもります。風邪か新型コロナウイルス感染症か症状からはわからないからです。医療従事者、新型コロナ専門病院スタッフは中国のように専用の宿泊施設に宿泊してもらうのが適切ではないでしょうか。
新型コロナ専門病院スタッフには特別手当もいるし、家族には家事労働の援助の家政婦さんを送るぐらいのことをやってもいいと思います。中国でも一部 行われています。対コロナ戦争の最前線に立つ医療従事者の士気を高めることが何よりも重要と考えています。新型コロナ専門病院スタッフの宿泊施設で何より大切なのは、温かくてうまい飯です。

続く
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2020年03月15日

窓開けジイサンが帰ってきた

厚労省のHPには集団感染の共通点は、特に、「換気が悪く」、「人が密に集まって過ごすような空間」、「不特定多数の人が接触するおそれが高い場所」ですと書かれています。満員電車で感染の危険性もいわれています。時差出勤も呼びかけられています。
不思議なのは「電車の窓を開けよう」という呼びかけがなされないこと。私は通勤電車の窓を少し開けるようにしています。直接 換気するのが一番です。
2009年の新型インフルエンザの時もせっせと窓を開けていました。2009年も今も文句を言われたことはありません。先日は、向かいに座っていた子連れの女性が、窓を開ける私をまじまじと見た後、自分の席の窓を開けました。
2009年は窓開けオジサンでしたが、今は窓開けジイサンです。窓開けジイサンが帰ってきました。
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2020年03月11日

新型コロナウイルスは腸にもいます

東日本大震災から9年になりました。
2011年4月 私は宮城県塩竃市へ向かう海沿いの高速道路の上から津波の後の一面の平野を眺めていました。塩竃市と周辺の島々で鍼灸ボランティアをするために山形空港から山を越えて車で向かっていました。どこまでも続く津波の惨状、言葉を失いました。
あれから9年、福島第一原発事故の廃炉作業は延々と続いています。大阪も台風、地震と様々な災害に見舞われました。何気ない日常の大切さ、ありがたさを感じる日々です。

☆検温は続いています
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2月25日から結の玄関での検温は続いています。新型コロナウイルス感染症と風邪の区別はつかないので風邪の治療はやめています。37.5度以上の方はお帰りいただきます。結のHPにも感染予防と新型コロナウイルス感染症の解説のページをつくりました。
http://www001.upp.so-net.ne.jp/yuihari/covid19.html
今まで37度を超える方はいらっしゃいませんでした。じつは37.5度以上というのはなかなかの高温です。37度近くの方は 玄関で問診しています。私はそれぞれの患者さんのいつもの状態を把握していますので、風邪の発熱かどうかは37度近くでもわかります。風邪をひいた患者さんは、自分から電話してきて自宅療養されています。

☆新型コロナウイルスは腸にもいます
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日本ではPCR検査を、喉からやっていますが、中国では感染者が治ったかどうかを判断するために、喉だけでなく肛門からも便をとって検査しています。つまりウイルスは腸にいる場合があります。新型コロナウイルスは感染者の便の中にいることもあります。血液の中にいることもあります。
喉では陰性になったけれど、肛門では陽性という患者さんもいらっしゃいます。大阪でも一度 治ったとされる患者さんが再発したことがありました。おそらく腸に潜んでいたのでしょう。新型コロナは中医学的には寒湿疫といいます。養生の基本はおへそを温めること。おへそを温め、腸を健康にしておくことは、万一 かかった時に軽症で済むためにも大切です。
結のトイレには除菌剤が常備されています。便座をふいて使ってください。流すときは便座を閉めて流すことを習慣化することをお勧めします。

☆中国では終息傾向に、新型コロナ感染症
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写真は方艙医院閉鎖式で喜ぶ中国人医療スタッフです。

中国は終息傾向です。武漢の軽症者用の臨時医療施設「方艙医院」が10日にすべて閉鎖されました。16か所の「方艙医院」では軽症の新型コロナウイルス肺炎の軽症患者1万2千人が治療を受け、重症化を防いだといわれています。「方艙医院」は体育館や展示施設にベットを運び込んでつくられた臨時施設です。広い範囲で空気の流れを遮断して交差感染が発生しないようにするため、施設内のセントラル空調はすべて使用が停止されていて、個別の暖房器具で寒さをしのいだといいます。漢方薬や鍼灸、体操、気功なども行われ軽症者が重症化しないよう治療が行われました。
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20200311-03272743-clc_cns-cn

2020年03月08日

AIで新型コロナウイルスによる肺炎を判定

日本経済新聞と日経ビジネスに興味深い記事が載りました。
日経ビジネス 2月12日に「中国企業、AIで新型コロナウイルスによる肺炎を判定」という記事、3月5日日本経済新聞 朝刊に「ノーリツ鋼機系、感染判定にAI活用 新型コロナ、中国企業と研究」という2つの記事です。武漢では最初から肺のCT画像を使っていました。謎の感染症の段階でPCR検査などありません。ウイルス性肺炎特有の画像が出ることを発見し、肺のCTを活用していました。しかし時間がかかるし医師の能力によってもばらつきがでます。
日本政府は新型コロナに後手後手の対応ですが、企業はなかなかやるもんです。

◆日経ビジネス「中国企業、AIで新型コロナウイルスによる肺炎を判定」を要約すると

中国の医療系AI(人工知能)スタートアップ企業、インファービジョン(北京市)が新型コロナウイルスの感染による肺炎かどうかを迅速に判定するAIを開発した。所要時間は1分。同社はこれまでもAIによる肺の画像診断支援システムを提供してきた実績があるという。中略

 今回の新型肺炎は、肺の下部で起きるため、鼻や喉にウイルスがなかなか到達しないとされる。これがPCRテストキットでの判定を難しくしている。インファービジョンが開発したAIシステムは、肺のCT(コンピューター断層撮影装置)画像から新型肺炎の有無を特定できるので、初期症状の患者であっても確実に診断できるようになる。画像から重症レベルも同時に割り出せるという。CT画像を撮影するには数分かかるが、肺のCT画像があれば1分で判定するので医者が診断する時間の短縮も見込める。中略

武漢市の病院が1月29日にこのAIシステムを導入、同31日から稼働させている。医療用のプログラムとして正式な承認はまだ受けていないが、中国政府もこのCT画像を活用したAI検査が役に立つと発表。2月7日時点で中国全土で10の病院が政府の特別な許可を得てAIシステムを導入している。うち武漢では3つの病院で使っているという。以上 記事から
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このAIシステムを日本のノーリツ鋼機グループのドクターネットが活用しようと動き始めています。

◆日本経済新聞 朝刊に「ノーリツ鋼機系、感染判定にAI活用 新型コロナ、中国企業と研究」を要約すると

ノーリツ鋼機グループのドクターネット(東京・港)は、新型コロナウイルスに感染しているかどうか画像情報をもとに人工知能(AI)が判定する技術の実証研究を始める。中国のAI開発企業インファービジョン(北京市)と提携し、武漢市などで使われている肺炎検出システムを日本に導入。共同で精度などを検証する。医療現場での検査支援や早期発見につながるとみている。以上
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人口比でいうと日本は中国より多くのCTを持ってます。AIとともに活用されることを期待しています。アメリカやイギリスと比べても抜群に多い数です。
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2020年03月02日

新型コロナ感染症への棒灸治療

中国の友人から新型コロナウイルス肺炎の患者への棒灸治療の動画が送られてきました。江西省の病院とのことです。大椎(首の後ろ)と神厥(おへそ)への棒灸です。今回の新型コロナウイルス肺炎は寒湿疫ですから、納得できる配穴です。SARSの時も鍼灸治療が行われたと聞いています。隔離中のもとに人が来てケアしてくれるのですから患者さんは大喜びだったと聞いています。体制の違いから日本では難しいですが。
中国では新型コロナウイルスによる肺炎に対し、現代医学の薬、伝統的な漢方薬
鍼灸を駆使した治療が行われています。

棒灸の煙が感染防止に役立つということで、一般家庭でも棒灸が使われています。結鍼灸院は棒灸や各種温灸を多数使う鍼灸院です。

おへそを温めています。


首の後ろの大椎を温めています。



2020年03月01日

新型コロナウイルスによる肺炎、COVID-19と風邪への個人的対処法 その2

私の個人的対処法をお伝えします。賛同されるかどうかは、あくまでみなさんの判断です。私が風邪をひいたら患者さんにご迷惑をかけるので、いささか神経質すぎるといわれるかもしれない対処法です。私は地震直後の被災地など危険といわれるところにもボランティアで出かけましたが、自分と仲間を守るために憶病に行動してきました。

◆スーパー銭湯へ行かない

換気の悪いところに多人数が集まるのは、いろんな感染症のもとになります。熊本地震のボランティアの時を例外として 私は、ここ10数年はスーパー銭湯等には行っていません。人の少ない温泉に行くことはあります。
それに足ふきマットは水虫をうつす可能性があります。
公益社団法人日本皮膚科学会
https://www.dermatol.or.jp/qa/qa10/q29.html

中国 江蘇省淮安の風呂屋で発生した新型コロナの集団感染例です。1/23の武漢封鎖の前のことです。現在は中国の風呂屋は閉められています。
49歳のAさん、1/15に武漢から車で淮安に帰省。1/18深夜に風呂屋。1/19発熱、この日夜19時に再び風呂屋。1/21午後にまた風呂屋。引き続き熱が下がらず1/25発熱外来(中国の新型コロナ対策の専門外来です)へ。結果客8人職員1人感染。Aさん父母・お隣・濃厚接触者1人等も感染。
 さらに風呂屋でAさんと接触した人が次々と感染。根気よく中国CDC(中国疾病預防控制中心、中国の国立感染症対策センターです)の調査は続き、風呂屋や会食などでの濃厚接触者の大捜査が行われ結局合計44人感染がわかりました。当局は大浴場は空気の流れが悪く、湿度も高いため、ウイルス感染の条件が整っているので注意と紹介しています(あくまで中国CDCの見解です)
中国はIT化キャッシュレス化、顔認証のできる防犯カメラの設置が進んでいるため、感染者の足取りを追うことができます。感染者だけでなく濃厚接触者も調べて隔離しています。濃厚接触者は病院とは別の施設の個室(ホテルなどが借り上げられている)に2週間隔離されます。PCR検査付きです。Aさんの例ではありませんが乗った特急列車の車両、座席番号まで調べて公開されています。ここまでする必要があるかどうかは意見の分かれるところでしょう。風呂屋の集団感染を伝える中国のサイトです。
http://news.sina.com.cn/o/2020-02-19/doc-iimxxstf2711732.shtml
中国CDCは以下から
http://www.chinacdc.cn/
※この項、上海在住の日本人医師 藤田 康介先生のフェイスブックから情報を入手しています。

◆ケースに入っていないパンや総菜を買わない

これも新型コロナの前からやっていることです。ショーケースに入っていないものは買いません。唾液が飛んでいる可能性があるからです。
今日 パン屋に入ると棚の前に透明ビニールのカバーがかけてありました。ありがたいです。
年とって量を食べられなくなったことも関係しているのですが、食べ放題のバイキングも何年も行っていません。1/23の武漢封鎖以降 外食もやめています。

◆服は玄関で着替える

私がいつも着ているのはユニフォームです。毎日 ユニフォームを着替えていましたが最近は午前、午後と着替えることにしました。食事の時は、新しいユニフォームで食べます。着替えなくても上着を脱ぐだけでも効果があるかもしれません。
以前からそうでしたが、原則 お昼は外食ではありません。
通勤の時に着る服は、着ている時間が少ないのでコートや背広は1週間、同じものを着ることが多いです(服を考えるのが面倒ということもあります)玄関で着替えています。服は玄関にかけて部屋の中には入れません。毎日 着替える方もコート等を玄関にかけるのはできるのではないでしょうか。花粉を部屋にいれないことにもなります。
帰宅すると手洗い うがいは当たり前ですが、顔も洗います。これも新型コロナの前からですが食事の前には必ず顔を洗います。最近は眼鏡も洗います。男性や子供さんは顔を洗われたらいいと思います。女性も帰宅されたらまず洗顔というのはどうでしょう。
手洗いは大切ですが、手が荒れて傷をつくってしまうとウイルスや細菌が入りやすくなります。クリーム等で保湿を心がけてください。手荒れのひどい方は外出の時は手袋をお勧めします。

◆スマホを洗う

武漢封鎖以降はスマホを日に数回 洗っています。私のスマホは古いですがいちおう防水です。充電口を下にして流水洗浄しています。ケースと本体の間に水が入るのでケースははずしました。1日のほとんどを治療室で過ごし、スマホを持ち歩くことが少ないからできることかもしれません。ケースをつけてアルコール消毒する手もあると思います。
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