2020年02月26日

新型コロナウイルスによる肺炎、COVID-19と風邪への個人的対処法

◆スムーズに検温できています

2月25日から結(ゆい)鍼灸院入口で検温を始めました。37.5度以上の方は お帰りいただきます。新型コロナウイルスによる肺炎の感染予防のためです。
みなさん快く協力してくださいました。耳に差し込むタイプのオムロンの体温計を使用。検温は1〜2秒でできるので、全部で約10秒以内に終わります。思った以上にスムーズに進みました。患者さんからは「こうしてもらった方が安心だ」というお言葉をいただきました。

私は風邪の治療も得意としていましたが、当分はお断りします。風邪、インフルエンザ、新型コロナウイルスによる肺炎の初期の症状は同じです。区別できないからです。みなさまの感染防止につとめます。
検温に使っている体温計
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検温告知の掲示
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◆個人的に準備した漢方薬 葛根湯(かっこんとう)と藿香生気散(かっこうしょうきさん)

COVID-19に効く薬はまだわかっていません。ただ中国の国家衛生健康委員会が「かかったかな」と思ったときに推奨している漢方薬はあります。私は鍼灸師ですから みなさんに漢方薬を勧める立場にはありません。私と家族、スタッフ用に準備しています。
初期の主な症状は、発熱、疲労、乾いた咳とされています。乾いた咳だけで発熱のない場合もあります。痰が少ないのです。
発熱がある時、ゾクゾクした時は、いくつかの中成薬(丸薬や錠剤)が推奨されています。同じものは日本では入手しにくいのですが、葛根湯(かっこんとう)で同様の効果が期待できます。知人の中医師のおすすめです。
発熱が少なくだるさや疲労感が強く、時にはお腹が張ったり、下痢 便秘の症状がみられる場合は藿香生気散(かっこうしょうきさん)です。国家衛生健康委員会推奨です。
※新型冠状病毒感染的肺炎诊疗方案(试行第五版)
http://www.nhc.gov.cn/yzygj/s7653p/202002/3b09b894ac9b4204a79db5b8912d4440/files/7260301a393845fc87fcf6dd52965ecb.pdf
漢方薬は慢性の病気のものだけではありません。漢方薬や鍼灸は昔から感染症と戦い続けています。今も中国では新型コロナウイルスによる肺炎、COVID-19に新薬とともにさまざまな漢方薬、鍼灸が使われ、論文も次々に発表されています。
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◆とにかく4日間は自宅で休みましょう

新型コロナも風邪のような症状になります。ただの風邪かもしれません。ただの風邪なら4日もすれば自然によくなってきます。じつは新型コロナにかかっても軽症は 肺炎にまで至らず一週間ほどで治ります。ふつうの風邪よりもちょっと長引くようです。
厚労省のいう「風邪の症状や37.5℃以上の発熱が4日以上続いている(解熱剤を飲み続けなければならないときを含みます)」というのは新型コロナの中でも軽症でない場合ともいえるでしょう。医療が本当に必要になる場合です。一週間以上 風邪の症状が続いて倦怠感と息苦しさがひどくなってくるようだと入院です。
コロナウイルス肺炎経過図.png
新型コロナウイルスによる肺炎、COVID-19については1月15日、武漢封鎖1月23日の前からブログ 半健康人から脱出!結(ゆい)通信とメルマガで情報発信を続けています。よかったらそちらもお読みください。新型コロナウイルスによる肺炎は高齢者には危険です。そして日本には高齢者が多い!
中国の発表をもとにした年齢と致死率の表です。ともともクリニックの木村朗子先生 石川家明先生のまとめた表です。
年齢別死亡率.png
 China CDC Weeklyで発表されている現地点で一番新しい“Weekly Reports”は、The Novel Coronavirus Pneumonia Emergency Response Epidemiology Team(新型コロナウイルス感染症緊急対応疫学チーム)による2月11日発行のThe Epidemiological Characteristics of an Outbreak of 2019 Novel Coronavirus Diseases (COVID-19) − China, 2020 である。
http://weekly.chinacdc.cn/en/article/id/e53946e2-c6c4-41e9-9a9b-fea8db1a8f51

2020年02月24日

2月25日 火曜 午後から検温を実施します

結(ゆい)鍼灸院の玄関で体温を測定させていただきます。37.5度以上の方は お帰りいただきます。耳で体温を測ります。新型コロナウイルスによる肺炎の感染予防のためです。

風邪、インフルエンザ、新型コロナウイルスによる肺炎の初期の症状は同じです。区別できません。そのため風邪の初期の治療も当分の間 やめます。みなさまの感染防止のためです。
ご理解よろしくお願いします。

※非接触型体温計の使用も検討しましたが、誤差が大きく、体温が低めに出る可能性があるという声があったためとすぐに入手できないため、耳に差し込むタイプのオムロンの体温計を使うことにしました。耳の部分は一人ひとりカバーを取り替えます。なお非接触型体温計は品薄で手に入りにくくなっています。
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花粉症の患者さんはちゃんと治療させていただきます。くしゃみ 鼻水は新型コロナウイルスによる肺炎の初期症状では少ない症状です。
中国の国家衛生健康委員会の新型冠状病毒感染的肺炎诊疗方案(试行第四版)では初期の主な症状は、発熱、疲労、乾いた咳とされています。
沖縄県立中部病院感染症内科・地域ケア科副部長の高山義浩医師は以下のように述べています。以下 高山先生のフェイスブックより

新型コロナに感染したときの臨床像は、2つのパターンに分けられます。
まず、風邪症状が1週間ぐらい続いて、そのまま軽快するというもの。この経過をとる人が大半です。新型コロナといっても、重めに発症するわけではありません。ほんとに風邪です。ただ、普通の風邪は2,3日で治りますが、新型コロナだと長引くのが特徴です。
次に、風邪症状が1週間ぐらい続いて、倦怠感と息苦しさが出てくるもの。体がむくんだり、下痢が重なる人もいるようです。高齢者や基礎疾患のある方において、この経過をとる人が多いのですが、健康な壮年層にも見られることがあります。一方、この経過を子どもがとることは極めて稀とされています。以上 高山先生のフェイスブックより
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2020年02月23日

3月と5月の関西中医鍼灸研究会の開催を延期

新型コロナウイルス肺炎 COVID-19 の感染拡大防止のために2020年3月 5月の関西中医鍼灸研究会の開催を延期します。状況をみて再開いたします。
2020年2月23日
http://www001.upp.so-net.ne.jp/yuihari/top.htm

posted by ゆい at 15:38| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記

2020年02月12日

検査ではかかっていないことを証明できません、新型コロナウイルス肺炎「COVID―19」、2019-nCoVもインフルエンザも

この小文の主張は執筆当時の見解です。新型コロナ感染症への見識が深まる中で見解も変わりました。できるだけ早期に検査を受けることが感染制圧に有効であることがわかりました。よろしければ以下をお読みください。2020年8月14日加筆
PCR検査の拡大を 早期発見、早期保護、早期治療
http://yuisuita.sblo.jp/article/187797560.html


◆ウイルスが少なすぎても、採取場所にウイルスがいなくても陰性になります

検査!検査!と騒がれていますが、新型コロナウイルス肺炎「COVID―19」の検査 核酸増幅法(PCR法など)で必ず「COVID―19」が判明するわけではありません。1月30日にも書きました。
PCR(ポリメラーゼ連鎖反応)法はわずかなウイルスの遺伝物質を数時間かけて増やし、検出する方法です。感染の初期や、ウイルス量が少ない場合は検出できないこともあります。
のどを綿棒などで拭って採る粘液で検査しても、のどにウイルスがいなければ陰性になります。気管支にウイルスがいてもわからないのです。気管支に綿棒はつっこめません。

中国の国家衛生健康委員会の診断と治療指針、ガイドラインでも「COVID―19」の検査は核酸増幅法(PCR法など)を2回 行うことになっています。1回目の検査の後には1日以上開けて、2回目の検査を行うとされています。精度を上げて、「COVID―19」の感染を確認し隔離するためです。
感染を証明することはできますが、かかっていないことを証明するのは、検査ではできません。陰性だから感染していないと考えるのは間違いです。

結局 感染しているかどうかは、症状やCTスキャン等から医師が総合的に判断するしかありません。中国の国家衛生健康委員会の診断と治療指針第5版(2月5日)によると潜伏期間は「1〜14日、ほとんどは3〜7日」とされています。

※新型冠状病毒感染的肺炎诊疗方案(试行第五版)
http://www.nhc.gov.cn/yzygj/s7653p/202002/3b09b894ac9b4204a79db5b8912d4440/files/7260301a393845fc87fcf6dd52965ecb.pdf

◆インフルエンザ検査も 感染していない証明はできません

インフルエンザの検査では簡易キットがあります。おかげで核酸増幅法(PCR法など)と違い10分ほどで結果がわかります。しかし検出にはある程度のウイルスの量が必要で、感染の初期はウイルスが検出できなくて陰性と判定されることがあるといわれています。
アメリカ国立医学図書館の医学データベース「パブメド(Pubmed)」に収録されている論文よると、感染しているときに検査が陽性を示す割合(感度)は62.3%です。
インフルエンザ簡易キットを使っても、インフルエンザ患者の4割ほどを見逃してしまうことになります。
※アメリカ国立医学図書館の医学データベース「パブメド(Pubmed)」
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/22371850

インフルエンザの症状があれば、インフルエンザなのです。検査結果はあてになりません。検査で陰性になったけれど、実際は感染している4割の患者が職場に出勤すると感染は拡大します。たとえ普通の風邪だったとしても感染症に違いはありません。風邪でもインフルエンザでも 無理して職場に行けば、仲間にうつしてしまいます。みんなが感染してしまえば、職場の生産性は下がります。

社長さん、管理職のみなさん 「風邪をひいたら気軽に休める職場」にすることが感染拡大を防ぎ、結局は職場の生産性を上げることになります。
ドイツには有給病欠という制度があり、ドイツ人の年平均有給病欠は19日です。ドイツ人の年間労働時間はOECD加盟国中最も短く1356時間、日本は1710時間です。一方 時間当たりの労働生産性はドイツ人は約73ドル、日本人は約47ドルです。日本人はドイツ人の1.3倍長く働いていますが、時給換算ではドイツ人の64%しか稼いでいません。

政治家のみなさん 「病欠しても不利益にならない労働法制」をつくることが、感染拡大を防ぎ、国民の健康を守ることになります。
マスクも大事だけれど 少しくらい休んでも生活できる収入を確保できる社会が感染拡大を防ぎます。

◆発熱のない場合も! 新型コロナウイルス肺炎「COVID―19」初期症状

新型コロナウイルス肺炎「COVID―19」は、今までの情報をみる限り、ほとんどの場合 健康な普通の人は、感染しても肺炎にならないか、なっても軽症です。
新型冠状病毒感染的肺炎诊疗方案(试行第四版)では初期の主な症状は、発熱、疲労、乾いた咳とされていましたが、(试行第五版)では乾いた咳だけで発熱がみられない場合もあるとされました。いよいよ普通の風邪と見分けがつかなくなりした。普通の風邪やインフルエンザでも、高齢者は たいした発熱もなく肺炎になる場合があります。
武漢の医師の手記を読むと 初期は診断を受けるだけで待ち時間が4時間かかり、CTスキャンを受けるためにさらに4時間かかったといいます。感染者といっしょに8時間も濃厚接触すれば、健康な人も感染します。
無理せず早めに休み、自宅で養生してください。これが感染拡大を防ぐ最良の方法です。
健康な人が「念のための」検査に病院に殺到すれば、本当に医療が必要な人が病院に行けなくなります。

※よかったらこちらもお読みください。
【医師が解説】インフルエンザ検査って何をするの? 再検査は必須?
https://media.lifenet-seimei.co.jp/2018/11/13/13969/

風邪をひいたら職場を休もう
https://www.yuisuita.com/acupuncture/cat_cold/entry_1218/

結(ゆい)鍼灸院の呼吸器疾患の治療の紹介
https://www.yuisuita.com/acupuncture/cat_cold/
写真は中国の呼吸器疾病で有名な医師、鍾南山(チョンナンシャン)さん(84)
17年前のSARSでも10年前の新型インフルエンザでも政府や地方政府の情報統制をしっかり批判し、国民の信頼が厚い。今回も専門家チーム 国家衛生健康委員会のトップに立っている。TVの海外ニュースを写真に撮りました。
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