2018年03月27日

2回で治った突発性難聴

今回は突発性難聴のお話です。

☆突発性難聴とは

突然 難聴になった中で、原因不明のものを突発性難聴といいます。
原因不明なのですが、内耳の循環障害が有力と考えられています。循環障害は 血の塊や何かの異物、脂肪や空気等々が血管をつまらせたり、細い血管が破れてしまったりすることでおこります。
また風邪のウイルスが 内耳の炎症をおこす場合も多いといわれています。
循環障害にも炎症にも鍼灸は有効です。気血のめぐりをよくするのは鍼灸の得意中の得意です。春に発症することが多いという印象があります。

☆2回で治った突発性難聴

橘(仮名)さんは40代の男性です。○○年7月に来院されました。
一週間前 テレビをみていたら急に右耳の聞こえが悪くなりました。3日前 耳鼻科を受診したところ突発性難聴と診断された。昨日 ステロイド注射を受けたが効果を感じられなかったとのこと。右の耳鳴もあるが静かになると気になる程度です。肩こりは しっかりあります。
4日間に2回 治療したところ聴力が回復しました。2回目の治療をした翌朝、聴力は回復していました。3回目にさらに聴力の回復を確実にする治療をしてアンケートをいただきました。アンケートでは以下のコメントをいただきました。

◆コメント

まさかここまで聞こえるようになるとは思いませんでした。鍼灸治療はうけたことがなかったので半信半疑でしたが、今は受けて本当によかったと思っています。本当にありがとうございます。コメント以上   自筆のコメントは以下からどうぞ
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※治療例は個人情報保護の観点から、患者さんの年齢、状況を大勢に影響ない範囲で少し変えている場合があります。ご了承ください。

2018年03月15日

リリカでふらついて骨折、入院 帯状疱疹後神経痛の治療

☆帯状疱疹後神経痛とは

帯状疱疹は子供の頃にかかった水痘(すいとう)、水疱瘡(みずぼうそう)のウィルスが何十年も神経細胞のなかで眠っていた後に突然暴れだして起こる病気で、子供の頃に水痘になった事がある人はみんな身体の中にこのウィルスをもっています。免疫力が弱った時にかかるといわれています。

帯状疱疹は非常に痛い病気ですが、皮膚の発疹が治る頃には痛みもなくなるといわれています。しかし痛みだけが後遺症として残ることがあり、これが帯状疱疹後神経痛と呼ばれています。高齢者では、帯状疱疹の治癒後ににいたみが残ることが多く、帯状疱疹後、長期にわたって痛みを訴える患者の70%は60歳以上といわれています。非常に治りにくいといわれていますが、鍼灸はよく効きます。私の治療のやり方は専門誌 鍼灸ジャーナル Vol.24(2012年1月号)掲載の「帯状疱疹と帯状疱疹後神経痛の治療」に書いています。

☆リリカでふらついて骨折、入院

70代後半の女性患者さんのお話です。201X年8月初旬 右のでん部と太もも内側に帯状泡疹に発症、すぐに皮膚科を受診した後、下旬からペインクリニックに通い始めました。
ひどい痛みのためにリリカというお薬を出されましたが、痛みがひきません。「効かない」というとリリカを増量されました。今度はフラフラしてきて9月上旬に路上で転倒、右腕を骨折してそのまま1ヶ月入院。骨折の痛みと帯状疱疹後神経痛で大変だったそうです。

リリカ(薬名プレガバリン)はもともと抗痙攣(けいれん)剤で、現在は帯状疱疹後神経痛によく使われています。抗痙攣剤のため、効き過ぎれば脳の働きを抑えて、意識レベルの低下やめまい、ふらつきなどの症状をおこします。

退院後 2ヶ月たっても痛みがひどく12月中旬に結(ゆい)にいらっしゃいました。リリカは2日前に断薬しています。右のでん部と太もも内側に加え右腕も上にあげようとすると痛みます。骨折で固定していたために右腕から右肩にかけて拘縮(こうしゅく)といって筋肉が硬くなって動かなくなっています。

1日おきに2回 治療したところ激痛はなくなりました。ただチクチクした痛みが残ります。その後一ヵ月半に13回 治療したところ昼間の痛みはほぼなくなりました。ただ夜は少し痛みます。右腕から右肩にかけての拘縮はなくなり腕は自由に動かせるようになりました。
その後 3月に発症する花粉症を治したりしながら 治療を継続、週1〜2回から、2週間に1度と治療回数を減らし、約1年後に治療を終了しました。
家事や家庭菜園の作業によく動かれる方で、治療の後半は帯状疱疹後神経痛というよりは筋肉痛、肉体労働の後の腰痛の要素が強い症状でした。
1年後のアンケートでは以下のコメントをいただきました。

右大腿内側の痛みは、肩、骨折の時 病院で治らないと言われました。こんなに毎日の生活が楽に出来るとはしあわせです。今の状態で日常の生活が出来るので様子をみて,又 悪くなったら治療をしてください。よろしくお願いします。ありがとうございました。
コメント以上

自筆のコメントは以下からどうぞ
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※治療例は個人情報保護の観点から、患者さんの年齢、状況を大勢に影響ない範囲で少し変えている場合があります。ご了承ください。
posted by ゆい at 18:15| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記

2018年03月13日

うつ病患者への鍼治療のランダム化比較試験(RCT)で、鍼が深刻なうつ病の症状を減少させることを発見した

結(ゆい)鍼灸院の藤井正道です。今回はうつ病の研究のお話です。関西中医鍼灸研究会のメンバーには海外の鍼灸情報を精力的に翻訳してくれる頼もしい仲間がいます。早川敏弘先生です。今回は早川先生の情報です。早川先生の要約と原本を参考にさらに藤井が要約したものです。

アメリカ国立医学図書館の医学データベース「パブメド(Pubmed)」に収録されているイギリス・ヨーク大学のマクファーソン教授を中心とした研究チームの論文「慢性痛とウツ病のプライマリケアにおける鍼:研究プログラム」は2017年1月30日に発表されています。
Acupuncture for chronic pain and depression in primary care: a programme of research.
MacPherson et al.
Southampton (UK): NIHR Journals Library; 2017 Jan.
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/28121095

※「パブメド(Pubmed)」には2016年1月に私と日大の酒谷教授の共同研究!「不安レベルへの鍼の効果と前頭前野皮質のNIRS活動計測」も収録されています。

☆うつ病患者への鍼治療のランダム化比較試験(RCT)で、鍼が深刻なうつ病の症状を減少させることを発見した

 イギリス・ヨーク大学の研究チームは、鍼治療を加えると、慢性痛やうつ病に対して、一般治療の効果を促進させることを発見した。
鍼研究の教授でイギリスとアメリカの研究チームといっしょに仕事をしているマクファーソン教授は、一般的な治療を受けている患者群と鍼治療を追加で受けている患者群を対象に研究した。
一般的な治療だけ受けている患者群と比較すると、鍼を加えた場合、明らかに、頭痛や片頭痛の発作を減らし、頸部痛や腰痛を減らした。鍼は、抗炎症剤、鎮痛剤で治療されても痛みがとれなかった変形性関節症の疼痛と機能障害も減らす事を示した。

鍼またはカウンセリングを、抗うつ薬などの薬物療法と比較した新しい臨床試験もおこなった。
北イングランドの755人のうつ病の患者に対し鍼とカウンセリングが、深刻なうつ病の症状を減少させ、治療から1年後もその効果が続いていることを発見した。
鍼をすることができる患者には鍼が効果的だった。何らかの理由から鍼をできない患者にはカウンセリングが効果的だった。鍼もカウンセリングも費用対効果が高い。

「うつ病の治療では、普通は、抗うつ薬を用いる。けど、それは、患者の半分以上に、効かないんだよ。」「鍼の臨床効果の一部には、プラセボ効果もあるかも知れない。でもこの研究は、鍼が慢性痛を減らし、プラセボ鍼よりも効果があるという明確な証拠を示している。」とマクファーソン教授は語る。
マクファーソン教授は続ける。「われわれの新しい研究結果は、慢性痛とうつ病の治療を新しいステップに進めるものだ。なぜなら、患者と専門家は、鍼をもっと自信をもって選択することができる。鍼は、ほかの治療と比べて費用対効果が良いだけじゃなくて、望ましくない副作用を起こす薬を減らして、疼痛や抑うつ気分を減らすことができるんだよ。」

この論文の意図としては以下のように書かれていました。

近年、鍼治療の利用が増加しているが、そのエビデンス(証拠)は確立されていない。臨床効果と費用対効果がはっきりしていない。エビデンスを確立させることで、より多数の患者が鍼治療を利用できるようになるし、政策立案者や意思決定者が鍼治療を政策的に採用していく参考になる。そのためにうつ病の鍼治療のランダム化比較試験(RCT)を行った。
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posted by ゆい at 19:25| Comment(0) | TrackBack(0) | うつ、パニック障害

2018年03月06日

不安症状が改善しました。老人性うつ病?認知症?

今回は認知症のお話です。
70歳代前半の女性患者が娘さんに連れられて、来院されました。
某大学病院の 老年・高血圧内科に通院され 抗うつ剤 ジェイゾロフトを処方されています。老人性うつ病か認知症かはっきりした診断は出ていないということでした。

ふつうに話はできる状態です。ご家族がお困りなのは、ひんぱんにかかってくる電話でした。女性患者のお連れ合いと娘さんは昼間は仕事に出かけます。すると女性患者さんは何度も2人に電話をかけてきます。たまに電話に出れないことがあると、今度は親戚や知り合いに「棄てられた」と電話をかけるとのこと。数ヶ月前からひどくなったそうです。
「何とかならないか」と当院にいらっしゃいました。ジェイゾロフトで一時的によくなったが、すぐにもとに戻ったとのことでした。
治療中も 何度も娘さんの所在を確認されます。

鍼灸すると うつ病はよくなりますが、認知症の認知機能については なかなかよくなりません。しかし家族がストレスをうける諸症状、不安でしゃべり続けるとか、電話をかけ続ける、あるいは怒鳴ったりするという症状は結構 早くよくなります。つまり介護する側は楽になります。

今回も約20日間に4回治療したところ、電話はほとんどかかってこなくなりました。当初訴えられていた膝の痛みもなくなり、それまで食べられなかった朝食も食べられるようになり治療を終了しました。治療中、何度も娘さんの所在を確認されることもなくなりました。不安でおびえたような顔つきが、にこやかなものに変わりました。

※治療例は個人情報保護の観点から、患者さんの年齢、状況を大勢に影響ない範囲で少し変えている場合があります。ご了承ください。

写真は万博公園の梅です。3月4日 暖かな日曜に撮ったものです。
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posted by ゆい at 14:19| Comment(0) | TrackBack(0) | うつ、パニック障害