2017年09月16日

玉石混交? お灸名人たち 杭州 第五回国際灸法大会

9月11日は「お灸名人たち」のプレゼンテーションの場でした。
お灸名人とは お灸ブームの中で生まれてきたお灸の民間療法をやる人たち、中医師ではありません。
ブームの中 灸法専門の治療家 保健艾灸師が国家資格として生まれました。1~2週間 講習を受ければとれる資格です。保健艾灸師は独立開業できるため、ここ5年ほどのうちに街には艾灸館という灸法の治療院が多数できるようになりました。その中で人気が出て、TVでも取り上げられるようになってきたのが お灸名人たち。
実際 この日は地元TV局が来ていました。

大会で発表した中医師は保健艾灸師との関係を「保健と医療」「顧客と患者」「調理と治療」というふうに役割分担すると分類していましたが、実際はきれいに分かれていません。

お灸名人たちは「全息灸」「禅灸」「古法温灸」などの独自のブランドを立ち上げ、セミナーを開きます。セミナーを受けた弟子たちがフランチャイズ方式で艾灸館を開設、独自ブランドの棒灸やお灸をお灸名人から仕入れて店を経営していきます。うまくいく人もいますが、数か月で店をたたむ人もいます。もちろんブランド名を使うのは看板料が必要です。

にぎやかな音楽とともに お灸名人のプロモーションビデオが流れます。「私はこれで楽になりました」という患者さんの映像が流れる様子はTVの健康食品のCMに良く似ています。
理論らしいものを展開する方もいますが、実際はマニュアルがあるだけのようにみえました。

「全息灸」の銭秋来氏は巨大な棒灸を束ねた独特の道具を使って実演していました。最後には「私はこれでガンが治りました」という患者たちが6人 派手な音楽とともに登場。「全息灸」グループは作務衣のようなグレーのユニフォームをそろえ、会場の一角から掛け声をかけていました。赤い中国服を着た銭氏は「手術は人間の身体に穴を開けているだけだ」といった極端な西医否定の発言をしていました。率直に言うとカルト臭がします。

会場にはブランド名をプリントしたユニフォームを着たお灸名人のグループがいくつかいました。
実践的でそれなりに効く灸法をセミナーで教えているお灸名人もいらっしゃるでしょうし、銭秋来氏のおかげで治ったガン患者も実際にいらっしゃるでしょうが、玉石混交、すぐれた面もあるが インチキもあるという印象でした。

写真は巨大な棒灸器で実演する「全息灸」の銭秋来氏、「全息灸」グループ、別のお灸名人グループの実演の様子です。
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2017年09月15日

杭州 第五回国際灸法大会 学術のお話

杭州 第五回国際灸法大会 学術のお話

◆中国語のスライドは大成功

9月10日に「うつ病、パニック障害、双極性障害の治療 督脉と奇経を組み合わせて」という発表をしました。中国語のスライドを準備し、実技では両手に2本の太い棒灸をもって督脈通陽法をやる方法も披露しました。大阪ではホルダーの棒灸を固定して使ったり、灸頭鍼、台座灸を使うことが多いのですが、大会用に開発し数か月前から臨床で試験的に使っていたものです。結構いい治療効果がでていました。
自分でいうのもなんですが、この講演も受けました。講演終了後 たくさんの参加者が握手しにやってきて、写真もたくさん撮りました。

その後 80歳の石学敏教授が熱弁をふるって醒脳開竅法を発表したり、江西中医薬大学の陳日新教授が熱敏灸について報告したりと中医師の学術発表が続きました。熱敏灸は日本で出版されています。反応点を重視する棒灸法で日本の鍼灸師は納得する人が多いでしょう。
陳日新教授には「あなたの著書を読んだ」「考えていることに共通点が多い」と話し、著書「灸法実践マニュアル」を贈呈しました。
少数民族の医学として灯心草灸などの報告もありましたが、足三里の化膿灸、打膿灸などの報告も複数 あったのには驚きました。以前はお灸は鍼の添え物程度、打膿灸が学術でとりあげられるなど考えられないことでした。会場の出席者にも足三里の打膿灸をしている人がいらっしゃいました。

◆写真 とられまくり、スマイルで日中友好

中国人はアメリカ人です。オーバーアクションですし、おおざっぱです。陽気そうにふるまいます。はっきり言わないと通じない国柄だからです。
移民国家 アメリカ同様、中国人同士も地域がかわれば理解しあうのは大変!中国の漢字は共通語ですが、しゃべると通じません。山西省の女性が発表している時、通訳の女性は「あのおばさん、なまりがひどくてうまく訳せない。共通語をしゃべろうとして緊張してガチガチになっている」と言っていました。中国語の方言は実際はフランス語とドイツ語の違い以上に違うのです。

ということで 開会式挨拶で顔を知られてからは、はっきり意示を示す中国人参加者とツーショット、スリーショットの写真撮影が相次ぎました。国際大会といっても海外ゲストは日本と台湾からのみ、日本人は人寄せパンダです。
ホテルのエレベターの中でも、レストランでも写真を求められます。「日中友好、日中友好」と胸の中でつぶやきながらスマイルで写真に納まりました。じつは私は灸道具の販売ブースにはほとんど行っていません。セルフケア用が多く、専門家向きではないなと感じたからということもありますが、何より写真撮影を求められ おちおち見ていられないからです。
挨拶と講演の受けのよかった代償で、ありがたいことですが、人寄せパンダもちょっと疲れました。

写真は講演の様子を客席からとったもの、スライドを出すとスマホのシャッター音の嵐です。実技の様子。ある参加者の足三里の打膿灸です。
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2017年09月14日

中国 杭州で赤じゅうたんを歩く

中国 杭州で開催された第五回国際灸法大会に招待され講演してきました。国際灸法大会は世界中医薬学会連合会温灸保健推進委員会主催でお灸の学会と灸用具の見本市がセットになったような大会です。9月10日〜12日の3日間にわたって開催されました。郊外のリゾートホテルが会場。2000名収容の巨大なホールが主会場となり、お灸用具の各ブースが主会場の外に設置されていました。

普通の学会だけでなく、灸用具の見本市、さらには お灸治療を行なう健康リゾート施設「お灸村」の開発を掲げる大会のためか演出は派手になります。

開会式は招待者が赤じゅうたんを歩くところから始まりました。その後の開会式では日本代表として挨拶させていただきました。
日本の厚労省にあたる役人や中医学学会の偉いさんや地元の大学の学長などがしゃべるのですが、みんな声がでかい。私も大きい声を出すのは得意なので、思い切りでかい声で挨拶させていただきました。
「中医学から多くのことを学んできた私ですが、中国のみなさまにもお伝えすることがあります。それは先に経済成長を遂げた日本の患者を30年間 治療してきた経験です。経済成長で生活や食べ物は変化し、患者さんの身体も変わります。肉 魚が増え、身体を動かすことが減ります。湿邪、痰湿が増えます。そして湿邪にはやっぱり灸法がよく効くのです。経済成長を続ける中国で 灸法はますます求められるでしょう。」という趣旨のことをしゃべったら結構 受けました。まあ これなら受けるだろうとしゃべったのですが、狙いがあたると気持ちいいものです。2000人を超える人々の歓声と拍手は くせになりそうです。1143119.jpg1144022.jpg1143001.jpg
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2017年09月04日

中国 杭州で開催される第5回国際灸法大会で講演します

中国 杭州で開催される第5回国際灸法大会で講演するため9月8日金曜から11日月曜を休ませていただきます。どうかよろしくお願いいたします。

国際灸法大会は世界中医薬学会連合会温灸保健推進委員会主催の大会で灸法の学会とお灸器具等の健康見本市のような要素を兼ね合わせた大会です。昨年は日本からはオムロンも出店していたそうです。今年は6000人が集まります。

日本から講演するのは 私のほかには帝京平成大学の王曉明教授と深谷灸法で有名な福島哲也先生の3人です。
私は「うつ病、パニック障害、双極性障害の治療、督脉と奇経を組み合わせて」という題目でしゃべります。現代社会における督脉通陽法の意義についても強調するつもりです。

じつは 先方の求める水準がわからなかったので「日本での温灸法 現代日本の経験から」というもう少し入門編のものと2つ準備し それぞれ中国語に訳したスライドを2本 送ったところ、今回の題目でやってくれという要請がきました。10日午前に講演します。

中国からは何人もの先生方が登壇されるのですが、日本でも有名なのは石学敏 天津中医薬大学教授です。醒脳開竅法で知られています。
陳日新 江西中医薬大学附属医院教授も日本で「熱敏穴の棒灸療法」等の本が出版されていています。棒灸を使った新しい治療法を提唱されていて、つぼの取り方等が私の考えと同じでした。大体この辺と記載されていた経穴の位置が、時を経る中で固定してしまったことが間違いだったという趣旨の記述が本にあり、反応点の重要性を強調されています。

いろんな灸法が紹介されるでしょうから、しっかり見てきます。

写真は昨年の大会の開会式と私のスライドの表紙です。
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