2014年03月31日

NIRSを使った研究は意外なほど少なく

前回 日本大学医学部の酒谷 薫教授とストレス脳の共同研究がまとまり、7月にロンドンの国際学会(ISOTT2014)で「不安レベルへの鍼の効果と前頭前野皮質のNIRS活動計測」として発表するということを書きましたが、神戸東洋医療学院 早川敏弘先生から以下のようなコメントをいただきました。

現代の針灸研究の一つの特徴は、NIRSやfMRIといった最新機器を使った生体測定です。
NIRSを使った研究は意外なほど少なく、アメリカ国立医学図書館のPUBMEDデーターベースで「acupuncture NIRS」の検索キーワードで検索しても、わずか7論文がヒットしただけでした。
しかも、不安を対象としたものは他に有りませんでした。これは発表の意義がかなりあります。昨年はイギリスのヒュー・マクファーソンがウツに対する鍼の臨床試験結果を発表し、アメリカではPTSDの治療法として注目されており、鍼による精神症状治療は社会的意義も大きいです。コメント以上。詳しくは以下を
http://www.yuisuita.com/study/
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2014年03月28日

ロンドンの国際学会で発表!「不安レベルへの鍼の効果と前頭前野皮質のNIRS活動計測」

日本大学医学部の酒谷 薫教授とストレス脳の共同研究をしていましたが、7月にロンドンの国際学会(ISOTT2014)で「不安レベルへの鍼の効果と前頭前野皮質のNIRS活動計測」として発表されることになりました。

☆ ロンドンの国際学会で発表!「不安レベルへの鍼の効果と前頭前野皮質のNIRS活動計測」

ストレス脳とは脳のオーバーワークなどが原因でストレスに過敏に反応し、 オーバーヒート気味の脳の事。ひどい肩こりや頭痛、腰痛に隠れていることもあります。自律神経失調症やパニック障害、うつ病や双極性障害なども含まれます。
近赤外分光法(NIRS)、光で脳機能を測定する技術を用いて脳のストレス状態を計りました。脳(前頭前皮質)の右側と左側で血流(酸化ヘモグロビン)を計測。血流の左右差が多い人はストレス度が高く、少ない人はストレス度が低いといわれています。

鍼治療によって血流の左右差が多い人たちの70パーセントの左右差が少なくなり、あわせて心理テストの結果も改善されました。初診の時に診断し、数回の鍼灸治療の後、自覚症状が改善した時点で再度診断したものです。
鍼治療が不安を改善させるという効果が患者さん自身の感覚だけでなく、近赤外分光法(NIRS)診断でも明らかになりました。協力いただいた患者のみなさまありがとうございました。

私はロンドンには行きませんが、酒谷教授の共同研究者として発表されます。
今後はストレス脳のNIRSでの計測はいったんお休みとさせていただきます。ストレス脳については以下からどうぞ
http://www.yuisuita.com/study/

☆ISOTTは学際的な国際学会
http://www.isott2014.org/

今年で42回目となるISOTT、International Society on Oxygen Transport to Tissueは体の様々な臓器における酸素輸送に関する広い議論のための国際学会で医師だけでなく生理学者、物理学者、エンジニア、生化学者や数学者が集っています。今年の基調講演の題目を並べてみるとわかります。
「ミトコンドリアおよび細胞増殖」
「脳循環代謝、神経血管メカニズムと出生後の脳の発達」
「救急医学における酸素輸送の謎」
「低酸素に対する人間の適応:エベレストからの教訓」
「ミトコンドリア:複雑さへの鍵」
「高地トレーニング及びEPOドーピング後酸素運搬」
以上のような具合です。酒谷教授も医学部脳神経外科と工学部電気電子工学科を兼任されています。そのような学会で鍼灸の効果が発表されることは、鍼灸のより科学的な解明へと道を拓くものとなるでしょう。
posted by ゆい at 16:12| Comment(0) | TrackBack(0) | うつ、パニック障害

2014年03月25日

全般性不安障害(GAD)や注意欠陥多動性障害(ADHD)が疑われた患者さんの治療 PMSも

中医学では頭がふらふらし気が小さく驚きやすく不眠となり、ため息ばかり出るような状態、物事についてさんざん考え思いをめぐらしても決断のつかない状態や不安にさいなまれる状態を胆虚(たんきょ)と診断し治療しています。

吉本(仮名)さんは20代の女性です。4ヶ月前、右下の歯茎に麻酔したところ、翌日朝から右側に違和感が出現、右半身全体に違和感がでるようになったとのことで来院されました。漢方薬は処方されていましたが、なかなか効かないそうです。不安感がつよく、理由のない不安感におそわれた時は過去の怖いこともいっしょに思い出すそうです。胸がしめつけられるようになることもよくあります。しゃべりながら涙を流し話がよくとびます。

3週間6回ほど治療したところ、不安感は消え情緒も落ち着きました。仕事にも集中できるようになりました。この段階でアンケートをいただきました。

◆アンケート回答
よい効果があった。少し苦痛はあるがずいぶん楽になった。治療前の苦痛を10とすれば今は3である。

◆コメント
右半身の硬さは少し残りますが、何もないことに涙がでたり、怖いことを思い出すのが減り、情緒が安定してきてうれしいです。情緒が不安定なのは自分の努力や考え方の問題のように思っていましたが、間違ってカイロがつながってしまった状態と言われ初めての治療の次の日、意味のわからない不安や右のモヤモヤがとれておどろきました。ありがとうございます。
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※「間違ってカイロがつながってしまった状態」というのは「不安でもないことに不安を感じてしまうのは、脳の中である刺激、情報がまちがって伝わってしまう状態になっています。いわばバグです。鍼灸は脳のバグを修正できます」と説明したことをさしています(藤井)

その後、1ヶ月治療して右半身の違和感もなくなり仕事にも集中できるようになり、不安感も全然 感じなくなり卒業していかれました。もともと月経前症候群(PMS)のある方でしたが、こちらの症状もでなくなっていました。

吉本(仮名)さんは幼い頃から集中できず、考えがコロコロ変わる状態だったそうで、注意欠陥多動性障害(ADHD)を疑われたといいます。
今回は全般性不安障害(GAD)のような状態でした。これは胆虚(たんきょ)です。
何事にも自信のもてない方でしたが、仕事のやり方を少し助言したところ、助言どおり素直にやってくださり仕事がうまくいきました。「うまくいきました!」と嬉しそうに報告してくださいました。いっぱいいっぱいほめました。

※治療例は個人情報保護の観点から、患者さんの年齢、状況を大勢に影響ない範囲で少し変えている場合があります。ご了承ください。
posted by ゆい at 14:36| Comment(0) | TrackBack(0) | うつ、パニック障害

2014年03月23日

交通事故治療は鍼灸で 急ぎは領収書発行で

結(ゆい)鍼灸院、関西中医鍼灸研究会の藤井です。昨日の朝日新聞に「自動車損害賠償責任(自賠責)保険に対し、接骨院からの保険金請求が急増していることが分かった」というまことに残念な記事が掲載されていました。
http://www.asahi.com/articles/ASG3P5HXFG3PUUPI001.html
「交通事故治療専門」とか「自己負担0円」などとうたっている整骨院がふえていたので、いつかはこういう記事が出ると予想していました。こういう不心得もののために交通事故の被害者、とくに治療が長引いてしまった方がよけいにいやな思いをされるのではと心配です。
11年前に私は以下のようなメルマガを書いています。

☆むち打ち症はじつはPTSD、心的外傷後ストレス傷害の面が大きい 
http://www.yuisuita.com/acupuncture/cat_headache/entry_916/

私のところで最初から治療を始めて長引いた経験はありませんが、一般的には治療が長引けば長引くほど加害者や相手の保険会社の方との間は険悪になっていきます。患者さんのかかえる苦しみに関する無理解や病気への疑いの攻撃にさらされ、精神的に二次被害をこうむっているのです。そのために治りにくいのです。 中略
追突事故は仕方のないことですが、むち打ち症はじつはPTSD、心的外傷後ストレス傷害の面が結構大きいことを、事故処理にあたる保険会社の方がしっかり認識していただきたいと望んでいます。事故は防ぎにくいかもしれませんが、被害者に精神的に二次被害を与えることはPTSD、心的外傷後ストレス傷害の認識さえあれば防げるのですから。以上11年前のメルマガ一部抜粋おわり。

☆交通事故治療は鍼灸で 急ぎは領収書発行で

むち打ち症は本来は整形外科だけでなく、心療内科もいっしょになって治療すべき疾患です。私は鍼灸で心も首も治していきます。
むち打ち症を鍼灸で治すという認識が保険会社に少ないので、私は患者さんに「保険会社に鍼灸で治すという了解をとってください」とお願いしています。保険会社との連絡を私が代行するようなことはしていません。患者さん自身に汗をかいてもらうことで「治す」という積極的な気持ちになってもらうためです。保険会社には鍼灸の治療費を請求しています。
すぐに治療を開始してほしいという患者さんからは普通に治療費をいただき、領収書を発行しています。患者さんにはその領収書で保険会社に請求してもらいます。
週に2回治療して、だいたいは1〜2ヶ月で治しているので、これまで保険会社とトラブルになったことはありません。交通事故治療は鍼灸がよく効きます。早くきちんと治したい方は、どうぞ信頼できる鍼灸院をさがしてください。
posted by ゆい at 10:02| Comment(0) | TrackBack(0) | うつ、パニック障害

2014年03月21日

歩くと痛い足裏の魚の目がお灸で治りました、再発もありません

3月12日水曜に急に暖かくなって以降、雨がふったり寒のもどりがあったりと忙しい天気です。こういう時は身体の痛みやこりが出てきたり、自律神経の具合がおかしくなったりしやすくなります。みなさま大丈夫ですか。
3年ぶりの来院された患者さんの魚の目がきれいに治っていて、再発もありませんでした。

☆歩くと痛い足裏の魚の目がお灸で治りました、再発もありません

雛元(仮名)さんは3年前に2回ほど魚の目の治療で来院された20代の女性です。肩こりと手足の冷えの訴えもありました。肩こりはすぐに治り、左の足裏の魚の目は自宅で毎日1回、お灸をするようお願いしました。魚の目に直接お灸をしてもらうのですが、そのやり方も教えました。
1ヶ月くらいお灸を続けたところぽろっと取れてその後再発することもなかったそうです。

アンケートでは以下のコメントをいただきました。

5〜6年足の裏のタコ(実際は魚の目でした)に悩んで、色々な皮フ科で治療したんですが、全然 治らず痛みに悩んでいました。そこでお灸はが良い事を知り、こちらでお灸を何度か(2回です)してもらい、家でも1ヵ月程お灸をした所びっくりするくらいきれいにとれて、あれから3年程たった今も再発はしていません。本当にありがとうございます。
アンケート以上
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魚の目ができるのは気の流れの悪いところです。お灸をすると痛い魚の目がとれるだけでなく、気の流れがよくなり身体全体の調子を整えることができます。毎日、お灸をするのが効果的ですが、続けて来院してもらうのは時間的にも費用的にも大変なので、自宅でのお灸のやり方をお教えしています。どうぞお試しください。
posted by ゆい at 16:19| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記