2011年06月29日

暑熱順化

結(ゆい)針灸院 、関西中医鍼灸研究会の藤井です。福岡県飯塚市の第156 回鍼灸治療学会では「腰痛治療から始まる心と身体の治し方」という題目で約150名ほどの皆さんに講演させていただきました。著書「灸法実践マニュアル」の治療法を実践して治療効果が上がったという声を複数の治療家の方からいただきました。ありがたいことです。
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☆快適にしていいんです

前号では関西電力管内の電力不足は8月の昼間ピーク時のみの3時間の節電でのりきれます、世間の雰囲気に過剰反応して、エアコンを自粛しすぎる必要はありませんと書きました。その後「気兼ねなくエアコンを使えるようになった」「身体をこわしてまで節電するのはおかしいですよね」といった声を患者さんたちから聞くことができました。
じつはエアコンの自粛で私が危惧していたのは高齢者の熱中症だけではありません。パニック障害、自律神経失調症の患者さんたちの症状悪化です。6月だというのに急激に暑くなった気候はパニック発作やさまざまな不調をもたらします。鍼灸治療に加え、適切にエアコンを使い体調管理することが必要です。しかしパニック障害や自律神経失調症の患者さんは周りを気にしすぎる方が多く、世間の雰囲気に影響を受けやすい。エアコンのスイッチを入れることを躊躇してしまうのです。「快適にしていいんです」「エアコンを使ってください」最近は毎日患者さんに呼びかけています。

☆暑熱順化

「今からエアコンを使ってしまったら、8月は耐えられなくなるんじゃないですか」と患者さんからいわれることもあります。「大丈夫、人の身体は暑さに慣れることができるんです」とお答えしています。暑くなって10日〜14日程度たつと暑さで急に体温が上昇しすぎたりすることが減ってきます。暑くなったばかりの時期、今がしんどいのです。やがて春より汗をたくさんかけるようになり、暑さに耐えられるようになっていきます。たくさんかけるようになった汗の塩分濃度は低下します。身体から大切な塩分がなくなっていくのを防いでいるのです。血液の塩分濃度が低下すると足や腕や腹の筋肉が痛んだり、けいれんしたりします。それを防ぎます。また塩分が薄くなった汗の方が蒸発しやすく、気化熱で暑さを逃がしやすくなります。
暑さに慣れることを暑熱順化といいます。ただエアコンの中ばかりにいると暑熱順化がおこりにくくなるのも事実ですから、エアコンで一息つきながらも時には戸外で汗をかきましょう。どの程度、暑い環境に身をおくかは個人によって違います。鍼灸は汗をかけない、熱のこもりやすい身体の状態を改善することができます。
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2011年06月24日

電力不足は昼間ピーク時のみの3時間の節電でのりきれます

暑くなってきました。年老いたご両親と暮らしているある患者さんと会話していて驚きました。
患者さん「節電のご時勢に悪いけれど、夜はエアコンつけさせてもらいました。」
私「お年寄りは暑さを感じにくくなっている方が多いのです。熱中症予防のためにも家族が一定温度でエアコンをつけて部屋の温度管理をしてください。悪いことなんかありませんよ。昼間もエアコンをつけてください。それに夜は電気は余っているのですよ。」ほかの患者さんからも「エアコンをつけるのは気がひける。」といった主旨の発言をよく耳にするようになりました。

☆電力不足は昼間ピーク時のみの3時間の節電でのりきれます

電力不足、停電対策と生活を見直す省エネは似ているようで、まったく違います。分けて考えてください。体温調節能力の弱い方々、湿気に弱い方々は健康管理のためにきちんとエアコンを使ってください。電力不足、停電対策は8月(12日〜16日を除く)の午後1時〜4時に気をつければ充分です。関西電力は「今夏(7月1日〜9月22日)の平日9時〜20時において、電力需給が厳しくなるおそれがあります。」と15%節電を家庭にも呼びかけていますが、もう少しきめ細かく、本当に必要な日時にしぼって協力を呼びかけていただきたいものです。
関西電力は昨年並みの猛暑を想定し、その最大需要見込みに対する供給力の不足分を6.4%と見込んでいます。最大需要見込み時にさらに瞬間的に需要が増える分や火力発電所がトラブルをおこして停止したことを想定して5%。十分な協力が得られなかった分をさらに4%程度として15%節電としましたが、関西の知事さんたちは根拠が不十分と納得していません。
最大需要見込みは一番電気を使った昨年8月19日よりももっと電気を使うことを想定したもので、過剰に見積もり過ぎと批判を浴びています。最大需要見込み時にさらに瞬間的に需要が増える分5%というのも、昨年8月19日の午後2時〜3時の電気使用量を根拠にしたもの。8月のうちのお盆を除く一番暑い数日、それも昼間の1時間程度の話です。緊急に節電をよびかければ済む話ではないでしょうか。7月1日〜9月22日は長すぎます。平日9時〜20時も長すぎます。協力が得られなかった分を上積み4%というのは、協力あれば上積み4%は必要ないという話です。
世間の雰囲気に過剰反応して、エアコンを自粛しすぎる必要はありません。

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2011年06月20日

マリッジブルーの正体

6月に結婚式を挙げる花嫁を「ジューン・ブライド」(6月の花嫁)と呼びます。欧米ではこの月に結婚をすると幸せになれるといわれていて、日本でも「ジューン・ブライド」に憧れる人も結構いらっしゃるようです。今回は花嫁になる前のマリッジブルーのお話です。

☆マリッジブルーの正体

マリッジブルーの原因には諸説ありますが、実際に結婚を控えた患者さんを何人も治療してきた経験からいうと、結婚式直前のマリッジブルーに関しては「蓄積疲労」が原因です。結婚への不安や不満だけでは結(ゆい)へいらっしゃいません。突然、腰が痛くなったり、首が痛くなったりする人もいれば、どうにも身体がだるくて仕方がないと訴える方もいらっしゃいます。朝がなかなか起きれなくなる方や寝つきが悪くなる人もいます。諸症状を鍼灸できちんと治していくのですが、皆さんに共通しているのは、休日に休めていないという事実です。
結婚式の打ち合わせやお互いのご両親への挨拶等で数ヶ月、休日も動き回っているというカップルが多いのです。これでは不満を抱きやすくなったり、感情が不安定になっても当たり前です。極度の疲労からくる一時的な抑うつ状態です。休日に意識的に休むことが、マリッジブルーの予防になります。結婚を控えた息子さん娘さんをお持ちの親御さんは子どもさんの過労に気をつけてあげてください。
「この結婚、本当にいいんだろうかと考えてしまうんです。」という患者さんには「うちの治療を受けて一晩ぐっすり眠ってください。翌朝には考えが変わっていますよ。」とお答えしています。
●6月27日月曜は臨時休診させていただきます。

◆専門家、鍼灸学校学生の皆さんへ

☆専門誌中医臨床で鍼灸ボランティアについて記事を書きました。6月20日発売です。どうぞご覧ください。

☆関西中医鍼灸研究会のお知らせ 関西中医研の基礎 腰痛編
講師 藤井正道
約140枚のスライドを使い、関西中医研の到達している中医学解釈の基礎と腰痛の治療、考え方について講義します。実技もやります。患者さんの腰痛をすみやかに治したい方はどうぞおいでください。
《日時》 6月25日(土) 18:00〜21:00
《場所》大阪市立総合生涯学習センター  第一研修室 (大阪駅前第2ビル5F)
詳しくは下記をご覧ください。
http://www001.upp.so-net.ne.jp/yuihari/top.htm

☆福岡県飯塚市で講演します。
《日時》 6月26日(日) 詳しくは下記をご覧ください。
http://fukuoka.harikyu.or.jp/10Gakujitu/156kenngakkaichikuhou.pdf

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2011年06月09日

逆子にはお灸が一番

うれしい電話をもらいました。逆子が治ったという妊婦さんからの連絡。5月の連休明けから4人の妊婦さんを治療、4人とも治っています。4人目の妊婦さんは「私も逆子で生まれました。」という方でしたので、ちょっと手ごわいかなと考えましたが、あっさり治りました。

☆逆子にはお灸が一番

逆子は出産までの時間との闘いの面もあるので、私は4〜5回は続けて治療してもらうようお願いしています。週に2〜3回の治療をお願いしています。なんらかの理由から逆子が治らないことや、いったん治っても逆子にもどってしまうこともあるので、5回程度を上限としています。治る時は2〜3回程度で治ることが多いというのが臨床的実感です。今回の4人も2〜3回の治療でした。
逆子の妊婦さんは、ほとんどの方が足の冷えを訴えます。2回ほどの治療で足の冷えがなくなってきた頃、逆子も治っています。
9ヶ月の終わり妊娠35週に入ると逆子が返る率が極端に減るといわれていますので、逆子を指摘されたらできるだけ早く来院されることをお勧めしています。

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2011年06月07日

暑がりは冷やす

気温が上がってきました。暑くなってくると意外に増えるのが寒湿(かんしつ)の痛みやこり、冷えと湿気から気のめぐりが悪くなります。首が回らなくなったり、腰が痛くなったりするのです。

☆暑がりは冷やす

自称「暑がり」の方、中でも身体の熱が上の方、頭の方に偏っている方に多いのが特徴です。本人は薄着でちょうどいいのだけれど、じつは腰が冷えすぎていた。ちょっと腰をひねったら突然痛み始めたというような事例が増えます。ぎっくり腰です。予防には腹巻をお勧めします。
朝起きたら首の左側が痛み、首を動かせなくなったということもおこります。寝違いです。左側にある窓を開けて寝ていたとか、エアコンの位置が左だったとかいう場合が多くみられます。窓を開けたいときは天気予報をみて最低気温や風の強さを考えてください。エアコンは設定温度や動作時間を考えてください。暑くて寝付けない時はアイスノン等で頭を冷やすことをお勧めします。しばらくしたらさめてくるからです。いつまでも冷たいままだと寒湿(かんしつ)で気が滞ってしまいます。じめじめ梅雨、冷やし方も工夫してください。

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2011年06月01日

来年は花粉症にならない可能性大

花粉の飛散量が多かったという新聞を読み驚きました。たしかに飛散量が多いという予測は出ていたのですが、結(ゆい)の患者さんはきれいに治るか症状が軽い人が多かったからです。今年の飛散量は事前予想ほどではなかっただろうと思い込んでいました。「本当にたくさん飛んでいたのかな」「今年はたいしたことなくてよかったですね」という会話を患者さんと交わしていました。

☆来年は花粉症にならない可能性大

日経新聞の資料によると
http://release.nikkei.co.jp/detail.cfm?relID=281692
http://release.nikkei.co.jp/attach_file/0281692_02.pdf

近畿は以下のように紹介されています。
今シーズンは統計的に花粉量が多い年(表年)にあたり、さらに前年の夏が高温で日照時間も長く、花粉の元となる雄花の量が多くなりました。花粉シーズンに入ったのは2 月下旬で、その後まもなく本格飛散シーズンとなり、症状も悪化しました。スギ花粉のピークは3 月上旬〜中旬で、冬型の気圧配置になり気温が低い日でも、風が強く吹いた日には花粉が飛散しました。また、4 月になるとヒノキ花粉シーズンに移行し、高気圧に覆われて晴れて暖かくなった日に大量飛散しました。3 月下旬以降は徐々にヒノキ花粉の飛散のピークを迎え、GW頃まで本格飛散が続きました。また、飛散量は昨年の2〜
9 倍となり、本格飛散期間も昨年より1 ヶ月程長くなったところもありました。症状も、昨年よりも辛く感じた方が多かった様です。以上

大阪で花粉症の症状が“非常に辛い”または“辛い”と感じた人の割合は30.1%とのことです。
今年、花粉症で結(ゆい)にかかり、治っていた方、非常に軽くすんでいた方には朗報です。大阪で昨シーズン比611%の花粉を難なくすごされたあなたは花粉に慣れた可能性大。来年は花粉症にならないかもしれません。結(ゆい)の花粉症治療については以下をご覧ください。
http://hari.yuisuita.com/category/1461803.html

◆専門家、鍼灸学校学生の皆さんへ
☆福岡県飯塚市で講演します。
《日時》 6月26日(日) 詳しくは下記をご覧ください。
http://fukuoka.harikyu.or.jp/10Gakujitu/156kenngakkaichikuhou.pdf

☆専門誌中医臨床で鍼灸ボランティアについて記事を書きました。6月20日発売です。どうぞご覧ください。被災地塩竃での鍼灸ボランティアの活動は以下のページで豊富な写真といっしょに見ることができます。
http://photozou.jp/photo/top/1609757

☆関西中医鍼灸研究会のお知らせ 関西中医研の基礎 腰痛編
講師 藤井正道
《日時》 6月25日(土) 18:00〜21:00
《場所》大阪市立総合生涯学習センター  第一研修室 (大阪駅前第2ビル5F)詳しくは下記をご覧ください。
http://www001.upp.so-net.ne.jp/yuihari/top.htm

ホームページは http://yuisuita.com/
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posted by ゆい at 23:01| Comment(0) | TrackBack(0) | 花粉症