2025年03月23日

生姜(しょうが)の効用 中医学からみると

私は生姜灸を独自に改良した生姜パックをよく使っています。生姜も漢方薬の材料です。生の生姜はパックにしても食べても、身体の表面にやってきた外邪を追い払う働きがあります。気の巡りをよくするので生姜パックにすると、こりや痛みにも効くし、食べると胃の動きが鈍った時に効きます。風邪をひきそうな時も生姜パックを大椎(だいつい)というツボにあてるとよく効きます。寿司のガリは生もので動きの悪くなった胃を活性化して楽にします。

生姜パックは生の生姜ですが、乾かすと乾姜(かんきょう)と呼ばれ効能が変化します。乾姜(かんきょう)は身体を温める作用がより強まりますが、気を巡らせる作用は落ちます。市販の生姜紅茶などは乾いた生姜を使っているので身体を温めます。
漢方薬の材料はどの経絡(けいらく)に効くかが決まっています。帰経(きけい)と呼びます。生姜の帰経(きけい)は肺経、脾経、胃経です。
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2025年03月20日

生姜(しょうが)の効用 現代医学からみると

私は生姜灸を独自に改良した生姜パックをよく使っています。耳鼻の疾患や花粉症や風邪、喘息の治療によく使います。

米国臨床研究学会 (ASCI)が運営している医学情報のサイトに「生姜が自己免疫疾患の炎症を緩和する可能性」という記事が掲載されていました。すべて査読(さどく)を経た記事が掲載されています。査読とは研究者が学術雑誌に投稿した論文が、その分野の専門家による審査を通過したことを意味します。査読付き論文は、信頼性の高い論文です。私も日本中医薬学会の学術大会の発表の査読を要請されることがあり、その時は結構緊張して取り組んでいます。
「JCI Insight」2023年9月22日公開 https://insight.jci.org/articles/view/172011

生姜は、自己免疫疾患に関連する体内の炎症のコントロールに役立つかもしれない。自己免疫疾患のマウスや健康なヒトを対象とした研究の結果、生姜成分は、白血球の一種である好中球の機能に影響を与えることが判明したという記事でした。米コロラド大学医学部准教授のKristen Demoruelle氏らの報告です。
免疫が過剰に働きすぎてヒトに害をおよぼすのが自己免疫疾患です。関節リウマチなどが代表的ですが、花粉症も花粉に対する免疫の過剰反応です。新型コロナもウイルスに対し免疫が過剰反応してしまう側面があります。
論文共著者 米ミシガン大学リウマチ科准教授のJason Knight氏も、「生姜はヒトにおいて明らかな抗炎症作用を持つが、今回の研究では初めて、その根底にある生物学的メカニズムのエビデンスを提供することができた」と説明しています。

結(ゆい)の生姜パックも生姜を皮膚から吸収させています。温かく感じて血行をよくするだけでなく炎症をコントロールしているようです。
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2025年03月11日

東日本大震災から14年 仙台、塩竃で見たもの

今日 3月11日は東日本大震災から14年です。
私は阪神大震災の時から、鍼灸マッサージで 震災ボランティアをしていましたが、東日本大震災の時はなかなか「ふっきれて現地に駆けつける」という気持ちになれませんでした。福島の原発事故がおこり、放射能をおびた風が東北方面に向かって吹く日が続いていたからです。現地に駆け付けるまで 毎日 風向きを気にしていました。私のチームで関西から東北現地に向かったのは、当時50代のおじさんばかりでした。ある若者は、最後まで迷っていましたが結局 中止しました。放射能は若者の方が危ないからです。
東日本大震災と福島原発事故を忘れない。仙台、塩竃へ向かう一段高くなった道路から見る海側と山側は別世界でした。海側は津波ですべてが破壊され、がれきの残る平野が延々と続いていました。

◆塩竃市 浦戸諸島での震災ボランティアの活動報告は以下から
https://www.yuisuita.com/hobby/upload_images/%E8%A2%AB%E7%81%BD%E5%9C%B0%E3%83%AA%E3%83%9D%E3%83%BC%E3%83%88%EF%BC%8F%E8%97%A4%E4%BA%95.pdf

◆震災ボランティアの活動報告は以下からどうぞ
https://www.yuisuita.com/hobby/

写真は塩竃市の離島 寒風澤島の避難所の掲示板と被災者を治療する私です。
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2025年03月09日

カイロとお灸の熱の違いは

スギ花粉の飛散がピークの様ですが、当院にいらっしゃっている患者さんには本格的な花粉症の発症はおこっていません。花粉症をお持ちの方もいるのですが、予防的な治療がうまくいっているようです。今からでも遅くはありません。花粉症の治療を始めてみませんか。月曜火曜に空きがあります。

☆カイロとお灸の熱の違いは

患者さんに「カイロとお灸はどう違うんですか。もぐさ(ヨモギ)入りの貼るお灸という商品もあるけど高くて」と質問されました。その患者さんは日頃からAIの ChatGPTを使っていたので、患者さんはChatGPTで 私はAIのディープシークで調べて比べてみました。
大体 同じ内容でしたが、やはり東洋医学系はディープシークが詳しかったです。要約すると以下のようになりました。

お灸は60〜80度で温度をコントロールできますが、カイロは40〜50度で調整できません。
お灸は局所の温めだけでなく免疫機能の向上や自律神経の調整など全身への影響を期待します。
ヨモギの煙にはリラックス効果や抗菌作用があるとされます。
※結は温灸を多用しています。煙には抗菌作用があり、院内感染を防止できます。さらに結は各ベットごとに換気扇があります。
お灸の皮膚への適度な刺激が「TRPV1受容体」を活性化し、鎮痛物質の分泌を促す可能性があります。※ディープシークの回答を5分の1くらいに圧縮しています。
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2025年03月03日

50代女性の耳管狭窄症の治り方

耳管狭窄症(じかんきょうさくしょう)とは、耳と鼻をつなぐ耳管が狭くなったり詰まったりして、耳の圧力が調整できなくなる病気です。耳鼻科では 鼻炎や副鼻腔炎などで耳管の咽頭口が腫れ、耳管の通らなくなった状態と説明されています。耳のつまりや軽い聴力低下があり、嚥下、つばを飲み込んだり、耳抜きなどで一時的に症状は改善します。
詳しくは以下をご覧ください。
http://hari.yuisuita.com/category/1760459.html

耳管狭窄症は週に2回、それが無理なら週1回程度の施術頻度をお願いしているのですが、今回は通院に2時間ほどかかること等から月に2回程度の施術で、結局10カ月程度かかりました。少ない施術回数でもなんとか治った症例です。女性はデスクワークではありません。しっかり身体を使う労働をされています。施術の時は耳や鼻だけでなく肩の痛みなど他の身体の不調も治しました。耳鼻専門と言っても身体の全体的な気の流れを整えていかないと、結局 耳も治りません。「耳だけ治します」という訳にはいきません。肩の痛み等をきちんと治していくことも大切です。耳はよくなったり、ぶり返したりでした。肩や指の痛みなどの不調が楽になることが治療の継続につながったのかもしれません。

女性は耳鼻科にはかかっていますが、3年以上苦しまれていました。1カ月前から右耳のつまりがひどくなり聞こえにくくなりましたが、2カ月に7回治療したところ良くなりました。ところが半月後に左耳が悪くなり治療を再開、7カ月程度 月に2〜3回の治療をして良くなりました。2カ月間 月1回の治療をして再発のないことを確認してアンケートをいただきました。
「非常によい効果があった。ほとんど完全になおり苦痛がない」という回答で以下のコメントをいただきました。
◆コメント 
長い間の耳のつまり感がなくなりました。先生にはよく話を聞いていただき治療していただいたと思います。本当に感謝しかありません。総合的にいって治療前の苦痛を10とすれば今は0です。
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2025年03月02日

花粉症の治り方 50代女性の場合

春、とくに2〜3月は急に気温が上がる日があります。2月27日木曜頃からかえって調子が悪くなる人も出てきました。春先の急に気温があがる日はめまいがおきやすいのです。吐き気、頭痛などもおきやすい日です。耳の調子が悪くなる時もあります。不眠もおきやすくなります。中医学的には肝陽上亢(かんようじょうこう)という状態です。
冬の間 静まっていた気の流れが、春先に動き出すのですが、動き始めはうまくいかないことが多いのです。鍼灸はきちんと治します。

☆花粉症の治り方 50代女性の場合
50代の女性が花粉症の治療で来院されました。目がかゆく、のどもかゆく鼻水も出ます。花粉症のお薬は使わずに過ごされている方です。ひと月に4回施術したところ、症状はなくなりアンケートをいただきました。
「非常によい効果があった。ほとんど完全になおり苦痛がない」という回答で以下のコメントをいただきました。
◆コメント 
最初の治療で半分くらい症状がなくなりずいぶん楽になりました。2回目ではほとんど気にならなくなりました。今回は症状がでてから伺いましたが、少し前に治療を始めると楽に治るということで来年は早めに伺おうと思います。ありがとうございました。
コメント以上

◆院長から
女性は翌年も治療にいらっしゃいました。ただ症状が出る前ではなく、翌年も症状が出てから来院されました。みなさんご多忙ですから、症状が出てから来院されることが多いのです。今度は約20日間に4回施術して治りました。
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posted by ゆい at 14:45| Comment(0) | TrackBack(0) | 花粉症